6.5. 第5話 変身を支えた概念

AR支援ネットワーク通信(68) 「ある新人教師とメンターの物語: 変身を支えた概念」 第5話

横浜国立大学名誉教授 佐野 正之

■5つの質問

4回目の最後の授業参観の日の夕方、O先生、K先生の他にも数名の若い英語教師が集まり、稲垣さんの苦労をねぎらい、ARの成功を祝った。もちろん、私は当初からの約束通り、おいしいお酒を遠慮なく飲んで気炎を上げた。しかし、その夜の酒が進んだのは「ただ酒」だったからだけではない。稲垣さんの努力が実を結び授業改善につながっただけでなく、後で説明するように、彼女がこの実践を通して変身し、新しい英語教育の概念を獲得してくれたからである。ここで注目して欲しいのは「獲得」という言葉である。これは言語習得理論で使われる用語で、教え込まれた言語知識を身につける「学習」と対比して、自然のうちに言語知識を身につけることを「獲得」と呼ぶ。だから、日本の英語教育のように、単語や文法を暗記して英語を覚える「学習」に対して、移民の子が多くの場合、周囲との言語交渉から自然のうちに英語を身につけるのが「獲得」の典型的な例である。

稲垣さんが新しい英語教育の概念を獲得したというのは、彼女とのメンタリングの途中で私は一度でも英語教育の理論的な解説をしたことがないにも関わらず、彼女がその基本的な概念をいつの間にか身につけていたからである。私のメンタリングは、教材の解釈の仕方や授業での活動の組み方、interactionの取り方、音読や単語指導の方法、ペア活動のさせ方など、もっぱら技術的な側面だけに集中して相談に乗りアドバイスし、また、モデルを示して指導してきた。だから私が飲み会の席上で、「ARを実践して学んだことは何か」と稲垣さんに質問した時に、以下のような解答があったが、これはいわば期待どうり通りの解答で、「私のアドバイスを良く理解してくれたんだ」と嬉しく思った。

■稲垣さんの解答 (1) :ARの実践から何を学んだか:

稲垣 「どの単元でも必ず明確な目標を設定し、それを生徒にも明らかにしていくようにする。英語での導入をスムーズに行うためには、生徒が英語に慣れていないといけない。授業の中で、教師が英語を話す機会を多く作っておくようにする。また、私の英語が理解できていないと思われる反応が返ってきたときは、それをすぐに日本語で説明せず、簡単な単語や表現に置き換えて諦めずに何度も聞かせるようにしたい。英語を聞いて 「わかる」 という経験を多くさせておくと、生徒の書いて表現する意欲が出てくるのではないかと思われる。AR開始前に書いて表現することができない生徒が多かったのは、生徒の英語に対する意欲だけが問題なのではなかった。授業の内容が 「書いて表現させる」 という方向に向かっているものではなかったこと、教師の与える英語の量が少なかったこと、教師と生徒の両方が各授業での目標を認識できていなかったことが大きな原因だった。今後はこれらの課題を意識して授業を組み立て、効果的な指導を進めたい。」

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上の解答には、私が彼女にアドバイスした言葉がそのまま利用されているものもある。例えば、目標の設定の重要さ、教師が英語を話し生徒に聞く機会を多くする、生徒が分からない様子を見せても諦めずに、日本語に頼らず、別の方法で理解を助けるなどがそれである。だが、私の言葉ではなく、彼女自身の発見もある。それは「英語を聞いて『分かる』という経験を多くさせておくと、生徒の書いて表現する意欲が出てくるのではないか」という文である。これは彼女が実践を通して発見した、貴重な気付きで、このことに気付いただけでこのARは成功だったと言っても過言ではないだろう。というのは、これは「生徒の書く力や意欲をどのように伸ばすか」というリサーチ・クエスチョンへの、彼女がクラスの生徒と一緒に導き出した解答そのものだからである。

だが、私はこれに満足せず、次によりdemanding な3つの質問をした。これは解答には苦労するだとうと思ったのだが、予想に反して彼女の返答はスムーズだった。その3つの質問とは以下のものである。

(1) 5月のAR開始当初と比較して「英語」についての考え方は変化したか?

(2) 「英語を学ぶ」ということや生徒に対する考え方に変化はあったか?

(3) 「英語を教える」ということや教師の役割についての考え方に変化はあったか?

これらの質問は、大学院で私のもとでARを学ぶ学生が最後には必ず尋ねられる質問で、その解答で学生の成長が計れると私は思っている。

ところで、この質問には出典がある。Stern, H. H. 1983. Fundamental Concepts of Language Teaching. OUP である。その本の中で、具体的な英語指導法(Methodology) を支えるのはその根底にある言語観、学習観、指導観を与えられた文脈でどのように捕えるかだと説明している。たとえば、Audio-lingual Approach とTask Approach を比較してみれば、全く異なる言語観、学習観、指導観に支えられて具体的な指導法が提案されているのである。だから、ARを実践して当面の指導技術の改善はみられても、その根底にある概念理解や信念(=教育観)が変化しなければ、技術はじきに失われてゆく。逆に、技術としては不完全な点を残していても、この概念理解が確立していれば、成長する意欲を持ち続け振り返りを厭わぬ限り、今後も成長を継続する可能性が高いのである。だがから、稲垣さんに、是非、上の3つの質問をしてみたかったのである。

■稲垣さんの解答 (2):英語 についての考え方は変わったか。

誘導尋問にならぬように、私は彼女の答えが終わるまで無言で(と言っても、もちろん酒は飲みながらだが)聞いていた。彼女は堰を切ったように具体例を挙げながら話してくれたのだが、その解答をまとめると以下のようになる。

稲垣 「アクション・リサーチをするまでは、英語は高校や大学の入試に必要だから勉強するものだという考えが念頭にあった。英語の穴埋め問題、並べ替え問題、長文読解などができるようにと指導した。しかし、アクション・リサーチをして英語というものについての考え方が変わった。英語は進学のための単なる教科ではなく、生きた言葉であり、「世界の人たちと仲良くなるためのコミュニケーションの手段」なのである。これからの国際社会を生きる子どもたちにとって、英語は大変重要な道具である。相手に自分の思いや考えを伝えられるようになること、協力して問題を解決するために話せるようになること、生きた英語力を身につけることが必要なのだと思うようになった。」

■稲垣さんの解答 (3): 英語を学ぶということについての考え方の変わったか。

稲垣 「英語を学ぶということは、単語や文法を覚えることだと思っていた。しかし、それは違っていた。生徒が英語を学ぶということは、コミュニケーションの手段として実際に活用できるように英語を身につけるということだと分かった。そして生徒が英語を本当に学ぶためには、英語を実際に話して使ってみる体験が必要だと分かった。できるだけ生徒にとって身近で興味を持ちやすい題材を取り上げることで、生徒は生き生きと学ぶことができる。題材の工夫だけでなく、目標や達成すべきゴールを示し、それに向かわせることが達成感を味うきかけになる。生徒が効果的に英語を学ぶためには、明確なゴールを提示し、その到達に導ける授業展開が必要であるとわかった。」

■稲垣さんの解答(4) :英語を教えるということについての考え方は変わったか。

稲垣 「以前の私は、「教科書の内容をどうわかりやすく教えるか」という視点で授業を組み立てていた。教科書の内容をどう説明すれば理解しやすいのだろうか、という思いでいつも頭がいっぱいであった。しかし今は違う。授業を組み立てるときには「新出文法を理解・活用させるためにどういう活動をさせようか、どういう場面を扱おうか、どのような内容の会話をさせようか」という視点で考えるようになった。子どもたちの生活に即した場面を用意し、会話の内容もごく自然なものになるように努めている。友人との会話の中で、自分は英語を話しているんだという喜びを感じることができれば、それが次のステップ(さらに複雑な会話や書いて表現すること)につながると考えるようになった。生徒が授業で練習した会話を使って、休み時間に教師や友人に話しかけているとき、授業の成果について振り返るいい機会となると同時に、活用できていることについて嬉しい気持ちになれる。」

■3つの解答に対する私の反応

稲垣さんの解答を聞きながら、私は非常に驚いた。何故なら、ここには 「英語で大切なのは言語形式ではなく、コミュニケーションの手段であり伝達する内容だ」、「英語学習には暗記よりも、場面の中で言語体験することが重要だ」、「教師の役割は支援者として、生徒の学びを助ける活動を工夫することだ」 という現在の英語教授理論のエッセンスが全て含まれていたからである。もし、この概念理解を日常の授業で実現するとすれば、教師は教科書の指導で満足することなく、常に生徒の実態に合わせた言語活動を用意し、体験から学ぶ生徒の育成に努めなければならない。すなわち、生徒を飽きさせない上手な授業をするだけでなく、それが生徒の未来にどのような意味があるかを問い続け、授業改善を継続しけなければならないことになる。こうしたメッセージを伝えるために、大学院の学生には講義や演習を繰り返してきた私には、稲垣さんが適切な解答をし、しかもそれを実体験に基づいて語るのを聞いて非常に驚いたのである。しかも、稲垣さんの場合は大学院生と異なり、英語教育の理論は一切私からは教はってはいない。だから 「学習」 したのでなく、ARを通して、またはメンタリングの中で 「獲得」 したと考えられる。とすれば、丁度、「学習」た英語の知識が実際の言語使用では役立たないが、「獲得」した英語知識は無意識的にコミュニケーションに役立つのと同様に、稲垣さんの英語教育に関する概念理解は、今後彼女の教師生活に自由に活用される可能性が大だと思ったからである。

「その判断は甘い。酔っ払いの戯言だ」と笑われるかもしれない。そうかもしれない。皮肉な見方をすれば、稲垣さんの話した内容は英語教育の本や雑誌によく見かけるし、また、彼女が大学生の時に受けた英語教育の講義の影響かもしれないからである。だが、彼女の言葉を裏打ちする具体的な事実を目にしている私には、彼女が変身し、その変身の核になっているのがARを通して「獲得」した新しい概念理解だと思われるのである。もし稲垣さんがここで述べている概念を信念として持ってくれていれば、英語教師として生きてゆく上での道標、あるいは哲学(=根本にある思想・信念)を獲得したことになる。もしそれが真実なら、この概念はARが終了した後でも生きて働いているはずである。それを確かめるために、私はこの飲み会の1年後に稲垣さんにメールを出して、現在、授業をどのように進めているか、ARは役立っているかを質問した。以下がその返答である。

■稲垣さんの解答 (5) : ARで学んだことは1年後に生きているか。

稲垣 「担当している学年が変わり、1年生になりました。しかし、授業の捕え方に変化はありません。今年も、教科書に出てくる語句や文法を用いた会話の練習をメインの活動として行っています。たくさんの相手と会話練習ができるようにペアを変えながら進めています。自分の持ち物を使った会話や、有名人の写真を使った会話など、できるだけ身近なものを扱って練習しています。会話を扱った日の宿題として、自己表現という課題を与えています。それは会話で練習をした重要表現を使って文章を書くというものです。十分な活動のあとでは、どんな文を作るかというアイデアがたくさん浮かんでくるようです。自分の考えを話したり書いたりする訓練をこれからも続けていきたいと思っています。今は英語の授業をすることがとても楽しいです。生徒は英語を話す喜びを感じて、コミュニケーション活動に取り組んでいます。自分なりの表現をしようと意欲的です。昨年度のアクション・リサーチの成果として身についた発想は、今後もずっと自分が英語の授業を進める上での基本路線になってくれるものと信じています。」

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メンターを務めた者としては、非常に嬉しい内容である。とすれば、綾瀬でのARは少なくとも稲垣さんにとっては意味があったと言える。だが、それだけではない。実は綾瀬では、O先生やK 先生が今度は自らがメンターとなりARを開始する計画が進行中である。ARが成功したか否かの一つの判断基準として、そのARの実践が周囲にどのような良い変化を生み出したかで判断するという発想がある。影響がARを行った教師やクラスだけでなく、同僚や学校や地域に好影響を与えているなら、影響が大きく深い分だけそのARは価値のあるものであり、成功したのだと言えるのである。この視点からすれば、稲垣さんのARは2重の意味で成功だった。そこで、ARを影で支えて下さり、今また、新しいプロジェクトを立ち上げようとされているO 先生とK 先生に稲垣さんの変容や、私のメンターとしての様子、また、新たなプロジェクトに掛ける思いを一言ずつお願いすることにしよう。

■先生(岡本徹先生)からのコメント

稲垣先生の変容ぶりは、私の予想を越えたものでした。もちろん、新採用から2年間、彼女なりに試行錯誤をしながら徐々にではありますが成長していたのは確かです。しかし、佐野先生と出会ったその日から、傍らで見ていても彼女がそれまでとは違う、と感じたのです。これこそメンタリングだ、と言っても過言ではないくらいでした。佐野先生と稲垣先生の距離感がそうさせたと思います。佐野先生は、メンターとして稲垣先生に近すぎず遠すぎない距離を保ちながら、見守っていく。一方、稲垣先生も頼り過ぎず、でも守られていると感じながら一歩一歩進んでいく。そこここに用意された佐野先生による仕掛けを経験しながら、稲垣先生は見事に成長していったように思います。佐野先生のもとを巣立って1年余りたちますが、依然として稲垣先生の取り組みには迷いを感じません。まだ3年目を終えたばかりの若い英語教師ではありますが、佐野先生との取り組みは稲垣先生にとってはそれこそ一生の宝になったと言えるでしょう。

綾瀬市には英語部会があり、毎年テーマを設定して取り組んでおります。ここ数年アクション・リサーチをしようという取り組みをしており、ご存じの通り、昨年度は佐野先生には多忙の中にもかかわらず快く引き受けていただき、稲垣先生へのメンタリングが実現しました。その成果には、どの教師も大変興味を示しました。そこで来年度は少しでもステップ・アップしてみようということで、我々の中でメンタリングをする計画を立てております。市内に5校しかない利点を生かし、異校間でメンタリングを試みようと思っています。そして、その取り組みに際し、佐野先生に来校していただいたり、メールやビデオを送るなどしてアドバイスをいただくことを考えております。将来的には、市内の全校でメンタリングを実践することを目指しております。

■K先生(朽木正美先生)からのコメント

5月17日 佐野先生からe-mail が来た!

佐野先生から綾中研(綾瀬市中学校教育研究会)英語部会10月の研究授業への講師として来てくださるとのe-mail をいただいた。綾中研英語部長になって以来の念願が叶い、肩の荷が下りた感じがした。ところが安心していられない。10月にARの成果を見るだけでなく、すぐに授業を見て仮説や授業改善の対策を考えるところから関わってくださるとのこと。佐野先生の講演は県の悉皆研修などで2,3度聞いたことがあり、年齢を感じさせぬ元気が方だとは思っていたが、実際は雲の上の人というふうに思っていた。英語教育に携わる者で知らない者はいないほどの有名な方がわざわざ綾瀬まで来てくださるという光栄と、それに見合う研究の成果をお見せできるのかどうかと思うと一気に不安になった。同僚のO先生は国大鎌倉中時代の校長ということでよく知っていて、彼によると相当な頑固おやじとのことであった。稲垣先生と二人で「大変なことになった」とあわてた。救いはお金のことは心配しなくてもよかったことである。10月にみんなでおいしいお酒を飲むということで快諾していただいた。私は公務の都合で時間の融通がきくので佐野先生の駅までの送迎、稲垣先生の授業の撮影、そして佐野先生のメンタリング(この時はそんな言葉さえ知らなかったが)を生で見ることができるという幸せな役割をいただいた。

5月28日 緊張の最初の授業参観日!

初の参観ということで稲垣先生は佐野先生に会うまでは相当緊張していた様子。ところが、佐野先生は稲垣先生に会うと開口一番「今日はいい授業をしようとしなくていいよ。むしろ、よくない授業のほうがARやっていくには都合がいいからさ」と。この言葉を聞いて稲垣先生はかなり安心した様子だった。

授業後、約1時間半、佐野先生との反省会が始まった。印象に残った佐野先生の言葉をあげてみる。「丁寧に指導しているね」、「稲垣先生は英語がしっかりしているし発音もきれいだね」、「クラスの雰囲気がよく、先生との関係もよさそうだね」、「このクラスだったら色々できそうだ」、「時には大風呂敷を広げた授業でもいいんじゃない」、「間違っていいから自由に書かせたいというゴールに迫る授業設計をしよう」、「英語の授業の時は少しくらいウソ言ってもいいんじゃないかな」、「英語がわからなかったら、そこだけ日本語でもいいよ」、「書くためには沢山話さなければならない」、「しゃべらせてから書かせる」、「話すためにはたくさん聞かせなければならない」などなど。私は目から鱗が落ちるとはこのことかと思い、稲垣先生を見ると「はあー」とか「ああー」の連発(?ではなく!)。佐野先生の話に引き込まれ、明るく希望に満ちた、未来を見つめる表情にみるみる変わっていった。

英語授業について語る佐野先生は本当に生き生きとしていて、「僕だったこうするな」、「こうすれば楽しいじゃない」 とまるで夢を語る少年のようだった。その様子に稲垣先生もすっかり安心、共感し、「自分もできそう」、「自分もやってみたい」 と思ったようだ。私も全く同感だった。

その稲垣先生は10月までに3回の授業参観と毎週のe-mail で佐野先生へ報告しアドバイスをもらうことを続けた。傍らから見ているととても大変だと思ったが、本人は「授業が楽しみ」、「次何をしょうかな」、「うまくいかない時は原因を考えればいい」 と楽しそうにARを進めていった。

佐野先生が、「自分の若いころの授業のイメージを絵で示すとこんな風だったよ」 と絵を描いてくださったことがあった。それは今から考えると想像もつかないものだったが・・・。では今の稲垣さんの授業のイメージはどうだろうと私なりに考えてみた。「明るい春の日に、きれいはお花の周りにたくさんの蝶々が飛んでいる」 そんな感じだ。授業が終わってからも生徒が先生の周りに集まってきて今日の活動について話している。花も蝶もお互いから大切なものを得、同時にお互いに与えている。そして育っていく。稲垣先生と生徒たちの関係がますます良くなっていくのを感じ、嬉しくもあり、ちょっぴり羨ましくもある。

■振り返り

この第5話は、綾瀬市の研究授業の後の宴会の席で、稲垣さんにした質問の解答を中心に、その後の稲垣さんの様子を本人はじめ、先輩の岡本先生、朽木先生にもコメントをいただいてまとめた。その結果、私が予想した通り、稲垣さんの今の英語授業の進め方はARで学んだことが基本となっており、岡本先生の言葉では 「迷いもなく、成長して」おり、しかも朽木先生の言葉では 「生徒の関係はますます良くなっている」ということなので、メンター冥利に尽きるというものである。稲垣さんの今後に期待したい。しかも、綾瀬では、5校の中学校で異校間でARを通じたメンタリングを行い、最終的にはそれぞれの学校でメンターを育成する計画を考えているという。すばらしいことだ。私もそこに協力することになっているので、是非、試みが成功するように尽力したい。

実は、このシリーズは今回で終了する予定だったのだが、長崎さんにせかされ、私がメンターする際の心得というか、基本的な考え方を次号にまとめることになった。神奈川県では綾瀬だけでなく、寒川でも市町村レベルの草の根のARが進行しようとしているので、その人たちに少しでも参考になればと考え、老骨に鞭打って最後の話をまとめようと思っている。乞うご期待!

(配信日 2011/04/15)