5 ARを支える人々
AR支援ネットワーク通信の第5部では、「アクション・リサーチを支える人々」と題して、ARに取り組む人たちを支えるメンターやコーディネータをとりあげます。
AR を続けていると、誰しもが一種の壁にぶつかるようです。しかし、その壁は人によって様々であり、専門的知識の差や経験年数によって、異なった様相を示しま す。私たちのやったプロジェクトで、最も多かったものは、「課題は分かった。しかし、どのような手立てを講じればよいか、その糸口が見つからない。」とい うものでした。また、くじけそうになって情意面の支援が必要になった人もいます。そのような人々が、ARを続けて、成長していけるためには、支援する人の 存在が必要だと痛感してきました。
そこで、今回の特集では、2010年10月2日に開催されたAR全国大会で、メンタリングの取組を中心に発表された皆さんに、登場いただき、これまでの取り 組みや今後の展望を語っていただきます。ご承知の方も多いと思いますが、メンターとは、クライアントが抱えた問題や課題を見出し、それを解決するために、 ともに学び、ともに探求する者として関わっていく人のことです。課題解決の支援者、伴走者と言ってもよいでしょう。メンターという名称は、ギリシャ神話 で、トロイ戦争に出陣するオデッセウスが我が子の教育を託した名教師の名に由来するそうです。アメリカでは、1980年代から人事制度として取り入れられ ており、そのメンターによるアドバイスを「メンタリング」と言います。近年、企業などで活用されている「コーチング」とほぼ同じものと考えても良いと思わ れます。この特集が、ARの支援をされている皆様の何らかのヒントになれば、幸いです。
5-1 アクション・リサーチ支援としてのメンタリングの実践について
5-3 高等学校におけるARの試み-コーディネーターの立場から