建設資材価格のベクトルは?

投稿日: Jan 31, 2016 8:11:10 PM

建設資材の値下がりが目立ってきた。主要な建設用鋼材の価格は2015年初めに比べ1割以上下落。樹脂も原油安の影響で値下げ交渉が進んでいる。資源価格の下落で生産コストが低下。需要の回復が遅れ需給が緩んでいる。企業の設備投資などの足かせとなってきた建設コストの上昇に歯止めがかかってきた。 ビルの骨組みや土木資材に使うH形鋼の市中価格は1トン7万円強になった。15年1月に比べ11%安い。鉄筋に使う棒鋼も2割下がった。幅広い建材の加工材料となる熱延鋼板(厚さ3.2ミリ)も同5万8千円程度で1割強値下がりした。中国経済の減速を背景に鉄鉱石や石炭、鉄スクラップといった資源価格が大幅に下がったためだ。

需給面でも「15年度下期から盛り上がると期待していた需要が後ずれしている」(JFEスチール)ほか、新興国経済の不透明感を受けて「企業の投資に対する慎重姿勢が強まった」(日本鉄鋼連盟)という。この影響で工場や倉庫などに使う鋼材の需要が期待に反して鈍い。

合成樹脂では排水管などに使う塩化ビニール樹脂が原油安を受けて昨年10月に3%下げ、国内の取引価格は1キロ153~165円程度だ。原油が一段と下落したことから値下げ交渉がさらに進んでおり、2~3%の引き下げで調整中だ。