低炭素社会への取り組み>ペーパーレスシステム

投稿日: Feb 24, 2016 7:42:24 PM

紙の使用量を減らす「ペーパーレス化」は、会議資料の削減など「会社でやること」と思っていた。だが、ちょっと周りを見渡せば、暮らしの中でできる取り組みがある。 ちょっとした一手間でできるのが、毎月届く公共料金明細などのウェブへの切り替え。例えば、東京電力のウェブサービス「でんき家計簿」なら、紙で届く検針票の内容をパソコンやスマートフォンで見られる。口座振替などでの支払いを選べば、自宅に届く振り込み用紙も不要になり、さらに紙の節約になる。

過去の利用状況が一目でわかるというメリットもある。ウェブでは使用量グラフを見ることができ、年間の電力使用量の推移が一目瞭然。前の年と比べたり、契約内容が同じ家庭や省エネ上手の家庭の使用量と比べることもでき、エコへの意識を高めることにもつながる。中部電力など、他の電力会社にも同じようなサービスがある。

クレジットカードの明細書も、ウェブ版に切り替えられる。イオンフィナンシャルサービスでは「請求明細書を郵送からウェブに変更することで、毎月、約500グラムの二酸化炭素(CO2)の削減に貢献できる」と呼びかけている。

メモを頻繁にとる人なら電子ペンの購入もおすすめ。タブレットPCなどが必要だが、専用のノートアプリを使えば、紙に文字を書いているように記録を残せる。間違いを修正するための消しゴムや修正液も不要だ。

「書きづらい」「感度が悪い」というイメージは、過去の話。ペン先の細さが約2ミリと細い商品も売られていて、ボールペンで書くのと同じような感覚で操作できたり、筆圧の加減で線の太さや濃淡を出せたりするものもある。

買い物中にできるペーパーレスもある。岩手、宮城、山形、福島県の生協では、紙のレシートを発行しない電子レシートシステムを導入している。

東芝テックが展開する無料のスマホアプリ「スマートレシート」で、IDを登録。初回に店舗でアプリのIDと生協組合員証を示せば、次回以降、会計時に組合員証を示すだけで紙で受け取っていたレシート内容をスマホで見られる。

13カ月分のデータが保管されていて、食費や生活用品といった9費目に振り分けられた家計簿が自動作製される便利な機能も備えている。

店舗やメーカーへのメリットも大きい。「環境負荷の軽減だけでなく、経費削減にも大きく貢献できる」と同社スマートレシート推進室の長谷川圭一室長。抽選キャンペーンの応募受け付けもアプリでできるので、はがきなどが不要。レシートのロール代やレジの電気代のコストカットにもつながるという。