CO2排出ゼロのリサイクルエネルギー/ 温泉発電

投稿日: Jan 13, 2017 9:11:36 PM

日本は世界第3位という地熱資源を持っていますが、地熱エネルギーの活用はまだあまり進んでおらず、国内における地熱資源の発電への利用はわずか2%に過ぎません。

今回は、従来の地熱発電に比べて参入ハードルが低く、地熱資源の有効活用につながると期待される「温泉発電」についてご紹介します。

開発が進まない日本の地熱発電

地熱発電は、季節や天候に左右されることなく安定した稼働が可能で、燃料費もほとんどかからないため、活用しない手はないのですが、開発費用が高い、地熱資源が国立公園内にあることが多い等といった理由で、日本での導入は多くありません。

しかし、近年バイナリー発電による小規模な地熱発電「温泉発電」が広がりを見せています。

参考記事:日本で地熱発電が進まないのはなぜ?

バイナリー発電のしくみ

温泉発電で利用される発電方式「バイナリー発電」の仕組みを簡単にご紹介します。

熱を水よりも沸点が低い代替フロンやアンモニアなどの媒体へ熱交換して蒸気を発生させ、その蒸気圧力によってタービンを回す発電方法です。

地熱によって生成される蒸気を使ってタービンを回す従来の地熱発電では、150℃以上の高温・高圧の熱水や蒸気が必要ですが、低沸点媒体の蒸気を使うバイナリー発電では150℃以下の熱源でも発電することが可能です。

温泉バイナリー発電では、低沸点媒体として代替フロンが使われることが多く、その沸点は約15℃。100度以下の温水でも沸騰させることができるのです。

蒸気となった低沸点媒体は、冷却・凝縮によって液体に戻り、再び発電に利用されます。