ゴミ業界のIoT導入例?

投稿日: Nov 12, 2016 8:11:13 PM

年2億円のコスト減、「IoTゴミ箱」で賢く回収 

ゴミ箱にセンサーや通信機能を搭載し、回収ルートを最適化する「スマートゴミ箱」。海外では、年間約2億円のコスト削減効果を上げる都市も出ている。その“賢いゴミ箱”が日本に上陸した。2016年6月、長崎県のテーマパーク「ハウステンボス」の一角に見慣れないゴミ箱が設置された。太陽光パネル、センサー、通信設備などを備えたスマートゴミ箱だ。ハウステンボスに設置されたスマートゴミ箱。ゴミの蓄積状況を把握するセンサーや通信機能を装備する。ハウステンボスに設置されたスマートゴミ箱。ゴミの蓄積状況を把握するセンサーや通信機能を装備する

センサーでゴミの蓄積量を把握。情報をインターネット経由で送信する。管理画面には、ゴミ箱の位置やゴミの蓄積情報などが表示され、いっぱいになったゴミ箱には赤色のアラートが示される。こうした情報を基にゴミ箱を巡回することで回収ルートを最適化し、作業員の人件費や車両の燃料費を削減する。大きな効果を上げる都市も出ている。米フィラデルフィア市では、市内約700個のゴミ箱をスマートゴミ箱に替えたところ、回収回数が週17回から週2回になり、年間約2億7000万円かかっていた回収コストを約9000万円に削減できた。

NECも、海外都市をターゲットにしたスマートゴミ箱を使うゴミ収集事業を展開中だ。スペイン北部にあるサンタンデール市のゴミ収集業者と10年間で2億5000万円規模の契約を結び、2015年1月からサービスを開始している。サンタンデール市内の約6000個のゴミ箱に位置情報やゴミの蓄積量を把握するセンサーを設置。ゴミ箱から集めた情報を市内の管理センターで分析し、最適な回収ルートを収集業者に伝える。年間2500万円のコスト削減効果が出ているという。NECヨーロッパの木内剛史クラウドコンバージェンス事業部門長は、「サンタンデール市で得た運用ノウハウを横展開し、2016年度中に5都市に導入したい」と話す。NECの狙いは、ゴミ収集事業を突破口に、水道、電気、ガス、交通などへ事業を拡大すること。都市インフラのスマート化を一手に担い、新たな収益の柱にしたい考えだ。