2018/2/28press  木質バイオマス発電の熱、温浴施設に 三重県のチップで林業も活性化

投稿日: Feb 28, 2018 2:40:46 AM

リコー(東京都大田区)は、三重県多気郡多気町で2020年に開業予定の複合リゾート施設「アクアイグニス多気」内の温浴施設「薬草の湯」向けに、木質バイオマスを活用したエネルギーを供給すると発表した。これにあたり同社は2月26日、同施設の開発を連携して進めている、多気町や温泉リゾート施設を手掛けるアクアイグニス(東京都中央区)と、温浴施設向けエネルギー供給に関する協定を締結した。木質バイオマスエネルギーを地産地消

同事業は具体的に、リコーが木質バイオマス熱エネルギープラント(想定出力800kW)を建設し、木質チップを燃やした時の熱を使用して温水にし「薬草の湯」に供給するもの。燃料は、主に三重県の森林から産出された一般材由来の木質チップを地元チップ工場でチップ化して利用する。想定チップ使用量は年間1,800トン前後を見込む。これによる、想定CO2排出削減効果は、年間1,000トンCO2前後と試算している。今回の取り組みは、多気町、アクアイグニス、リコーの3者が、特に森林保全と林業活性化への寄与、CO2排出削減による地球温暖化防止に寄与、来場者の多くに再生可能エネルギーの実際の活用事例を紹介できること、の3点を意義のあるものとして認識し実現したという。「アクアイグニス多気」は、産学官連携により地方創生を目指す三重県の観光プラットホームで、「癒し」と「食」をテーマにした複合リゾート施設だ。温浴施設「薬草の湯」はその中核施設のひとつで、県内の薬草を活用して季節ごとにさまざまな効能の湯を提供する。

先行モデル事業のノウハウを活用

リコーは、2016年12月からリコー環境事業開発センター(静岡県御殿場市)において、木質バイオマスエネルギーの地産地消モデルを実践している。この事業は、御殿場市との協業により、センター近くの森林の未利用間伐材をチップ化し、木質バイオマスボイラーの燃料として、センターの空調・給湯に活用するものだ。今回、このノウハウを活かして温浴施設における木質バイオマスの活用に取り組む。