2018/3/20press JAFが実験 災害停電時、EV・PHVで家電はどこまで使えるか?

投稿日: Mar 20, 2018 4:18:31 AM

日本自動車連盟(JAF/東京都港区)は、災害時の電源供給として注目されている電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、ハイブリッド車(HV)、そして一般的な車の電源で、ライトや電気ポットなど7種類の家電がどの程度使えるのかを検証した結果を公開した。これによると、EVやPHVは災害時の電源として活用でき、PHVとHVはエンジンが始動できれば、燃料が続く限り電気の供給が可能であることがわかった。ただ、いずれも災害発生前に蓄えた電気や燃料に左右されるため、日頃からバッテリーの充電や燃料の補充を心がけるように呼びかけている。一方、一般的な車は、バッテリーや発電機に余裕がないことから、エンジンの始動・不始動にかかわらず、消費電力が大きい家電は長時間使うことはできなかった。今回の実験では、日産自動車のEV「e-NV200」、トヨタ自動車のPHV「プリウス」、ホンダのHV「オデッセイ」、一般的な車として、スズキの「スイフト」の4台を用意し、2つのテストを実施した。どんな家電を使えるかを7種類の家電で検証

EV、PHV、HVには1,500Wまでの電気製品が使えるACコンセントが装備されているが、一般的な車には大容量バッテリーとACコンセントが装備されていない。そのため、一般的な車であるスイフトにはDC電源(シガーソケット)をAC電源に変換するインバーター(定格出力1,000W)をバッテリーに直接つないで、スマホの充電器(5W)、ライト(100W)、電気ポット(430W)など7種類の家電製品が使用できるのかを検証した。結果、EV、PHV、HV(エンジン始動が前提になる)は、最も消費電力の高いホットプレート(1,350W)まで、全7種類を使用できた。そのため、被災時やオートキャンプの際、明かりを灯して暖を取ったり、食事を作ったりすることも可能だ。一方、一般的な車でもインバーターの定格出力(1,000W)内の電気ポット(430W)や電気ストーブ(400・800W)までは使用することができた。ただし、電気ストーブを800Wで9分間使用したところ、バッテリー(新品)の電圧が降下し、インバーターの保護回路によって電気の供給が停止した。このため、一般的な車は、インバーターの容量しだいで使用できる家電は変わるが、バッテリーの容量が小さいため、エンジンをかけずに長時間使用できる家電は、スマホの充電、電気毛布(80W)、ランプ(100W)の3種類とされた。また、エンジンをかけた状態でも電圧の降下が確認できたことから、バッテリー上がりを防ぐため、エンジン始動時でも消費電力が大きい家電を使い続けることは避けるよう、注意を促している。