「また戻るわ...戻りたいじゃなく戻る。」
これが2017年の12月、6ヶ月滞在したタンザニアから帰ってきて思ったことです。絶対にまた行く、という気持ちが強かったのはやはりタンザニアで会った人々、特に子どもたちが大きかったのです。
Hamjambo!(スワヒリ語で「みなさんこんにちは!」)
2014年度アフリカ地域専攻入学の山城典子と申します。私は2017年の6月から12月の6ヶ月間、アフリカ大陸の東海岸沿いに位置するタンザニアに滞在しました。なにをしていたかというとボランティア活動。もともと途上国の教育問題に興味があり、アフリカの教育の現場はどのようなものか自分の目で実際に確かめて見ようと思い、行く決断をしました。この体験記では、ボランティアでの体験と現地の生活を少しだけ紹介させていただきます。
タンザニアといえば、、、サファリ!キリマンジャロ!など、観光資源が豊富なところです。6ヶ月の滞在の中で、6月~10月の4ヶ月間はタンザニア第二の都市であるアル-シャ、そして10月から12月の2ヶ月間は第一の都市のダルエスサラームというところで滞在していました(図1)。アフリカといえば暑いイメージですが、アル-シャは標高が高く山の近くの都市なので、6~8月くらいまで朝晩は20度以下と結構寒かったです(南半球なので日本とは季節は逆です)。近年経済発展が著しく、私が滞在している間も道路が舗装されるなど街の景観が少しずつ変わっていくのを見ることができ面白かったです。
図1:タンザニアの地図。滞在したふたつの地域ダレスサラームとアルーシャを線で囲った。
(出典:http://www.worldwide.co.za/images/africa/tanzania/tanzania-map.gif)
ボランティア活動は、アル-シャにて孤児院とマサイ族の幼稚園、ダルエスサラームでは小学校、の計3か所をそれぞれ2ヶ月ずつ行いました。孤児院では子どものお世話や勉強を教え(図2)、マサイ族の幼稚園では実際に授業を行い(図3)、図工やアルファベット、体育などを教えていました。小学校では、先生の補佐、また空いた時間には折り紙や英語の歌を教えていました(図4)。ここでは書ききれないほどたくさんの経験をしました。言語の壁や、1人で教えることが多かったのでとても難しく何度も悩みましたが、子どもが毎日私の名前を呼んで駆け寄ってくれたり、自分の名前をつづれなかった子どもが、私が教えたのを見ながら練習していたり、勉強ができるようになったりする姿がとても印象的でとても励まされました。子どもたちは、その環境が決して豊かでなくても、勉強に励んだり、たくさん笑ったり泣いたり、とても力強いです。私よりも強いところを感じさせられることが多く、しっかりしなきゃ、と何度も思ったほどです。
図2:アル-シャの孤児院にて
図3:マサイの幼稚園。絵を描く、ということを教えていた。
図4:ダルエスサラームの小学校では毎日のように折り紙を教えていた。日本語の折り紙の説明書ながらも、児童たちは頑張って絵を見て折っていた。
滞在中は、ホームステイさせていただいていました。毎日現地の料理を作ってくださり、とても美味しかったです。主に、イモ類やお米、野菜炒めやお肉などなど農業が盛んなので、食べ物が豊富でした(図5)。
図5:たくさんの野菜や果物が市場で売られている。
また、アル-シャとダルエスサラームと2か所滞在しましたが、街の雰囲気も違っていて、アル-シャは街が小さいためなのか、良い意味でがやがやしていましたが、ダルエスサラームはとても発展していてたくさん大型のショッピングセンターがあったりしてゆったりしている街で(私個人が感じたことですが)、その違いもとても興味深かったです。
地元の人はとてもフレンドリーで、アジア人を見るとchina!(中国人!)などよく話しかけてくるので、いつも中国人じゃない!と言い返していました(笑)また、現地の移動手段として主流なのは、スワヒリ語で「ダラダラ(バス)」とよばれる乗り合いバスです(図6)。
図6:ダラダラの中から。手前に見えるのが使い古された席、そして隣のダラダラが外に見える。
日本車がたくさん輸入されていて、ダラダラも中型の車(小さな幼稚園バスみたいなもの)を使っていて、子どもくらい小さな席にぎゅうぎゅうに座っていました。かがんで立つ人がいるほど、ぱんぱんになるまで押し込んで乗るのが主流です。
まずは、現地の言葉を絶対に学ぶべきです。タンザニアの場合、スワヒリ語が公用語ですが、英語だけでも割と通用してしまったのでスワヒリ語はあまり最初勉強しませんでしたが滞在後半になって慌ててスワヒリ語をきちんと学び始めました。現地の言葉を話せた方が現地の方もとても喜んでくれて、スワヒリ語を教えてもらえることでさらに会話がはずんで勉強にもなります!なので、なるべく現地語を勉強することをお勧めします。
次に現地の方と仲良くなること。私の場合は、ボランティアスタッフさん、ホストファミリー、ボランティア先の人などたくさんの人と仲良くなれ、いまでも連絡をとっています。彼らはいつでも「Karibu!(歓迎だよ!)」と言ってくれます。
また、大事なことは文化を楽しむことです!カルチャーショックもあるかもしれませんが、それを楽しむような気持ちでいきましょう。
そして、ボランティアや大学留学か、どちらがいいのか、考える方もいると思います。大学留学でも様々な体験はできますし、大学留学もおすすめです。でもボランティアだからこそできることは、まずは実際の現場をじかに見ることができることです。長期間ボランティア活動をすることで、学校の授業や短期間だけでは見えてこないことも気づくことができます。私のボランティア先は割と自由に行動できるところだったので、逆に言うと自分の頭で考え、自分はどのようなことをすればボランティアたりうるのか、行動次第で決まることも多かったです。ボランティア先以外にも、現地の中学校やほかの孤児院などさまざま場所に連れて行ってももらいました。ボランティアに正解とかないし、無力さを感じることもあるかもしれませんが、自分のできることをひたすらやり、現地の人々とたくさんコミュニケーションをとることが大切だと思います。
ボランティア中、まだまだ自分は未熟なことを感じました。子どもたちや現地の人にたくさんの励ましをもらったからこそ、自分は何ができるのかさらに考えこれからもアフリカに関わっていきたいと思っています。少しでもアフリカに行きたい、という気持ちがあれば行くことをお勧めします。日本で体験できないこともあり、いろんなことを考えさせられますし、なにより子どもがかわいいです!サファリだけじゃもったいない、タンザニア、アフリカのたくさんの魅力をぜひみなさんに知っていただきたいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
Asante sana !(スワヒリ語で、「とってもありがとう!」)
最終更新:2018年11月27日