ラジオでオープンキャンパス!
presented by
アフリカ地域専攻 × Femme Café
質問と回答集
アフリカ地域専攻では、オンライン・オープンキャンパスの一環として、2020年7月25日にラジオフチューズ87.4MHzから「ラジオでオープンキャンパス! : アフリカ地域専攻 × Femme Café」と題して特別番組を放送しました。
この番組では、事前に高校生・受験生や一般の皆さまから募集した質問に、生放送の番組のなかで、教員DJと学生DJ(卒業生も含む)が答えました。
ラジオ放送を聞いてみたい方はこちらからお聞きください。
このページでは、ラジオでは時間の関係で取り上げられなかったものも含め、いただいたすべての質問への回答を載せています。また、ラジオ企画以外にも、放送前日の7月24日に人数限定でおこなったzoomをもちいたオンライン相談会で参加者からいただいた質問と回答も、編集のうえで掲載しました。
高校生・受験生のみなさんには、進路選択の参考にしていただけたら幸いです。
回答者:大石高典、坂井真紀子(アフリカ地域担当教員)、武内進一(現代アフリカ地域研究センター教員)、アフリカ地域専攻学生有志、入試課
【1】アフリカ地域専攻での学びについて
授業で扱うアフリカは、全体的に学びますか?それともいくつかの地域をピックアップして学びますか?また、文化的な側面と問題(現代的課題)はどれくらいの割合で学びますか?
教員:国際社会学部のアフリカ地域専攻では、アフリカ大陸のうち主にサハラ砂漠以南の地域を扱っています。北アフリカについては、中東地域専攻で主に扱うことになっています。
1~2年生の「地域基礎」科目では、サハラ以南アフリカの地理・歴史を詳しく見ていきます。そこでは、東アフリカ、中部アフリカ、西アフリカ、南部アフリカなど、サハラ以南地域のなるべく全域をカバーする努力をしています。
しかし、具体的なテーマやトピック(例えば、現代のイスラーム復興、農民と牧畜民の共生と紛争など)については、一つの地域、あるいは複数の地域から事例を取り上げて比較・検討しながら学ぶことになります。
アフリカの歴史・地理や社会文化は、アフリカが直面する現代的課題について理解するための足がかりになります。ですので、両者を切り離して学ぶというよりも、「アフリカ」で生起している出来事の通時的・共時的な関連性、相関性を意識しながら両方を学んでいくということになると思います。
アフリカの開発学について学べますか?
教員:はい、学べます。専門科目の授業を紹介すると、地域社会研究コースでは「アフリカと開発」という授業があります。この授業は、地域の生活から、あらためて「開発」を問い直す視点を提供しています。
また、国際関係コースにも「開発経済学」やJICAから非常勤講師を招いて開講されている「国際協力論」など、開発を専門とする授業があります。
入学後は1年生からでも言語だけでなく、紛争についての授業などはとれますか。
教員:1年生に配当されている「アフリカ地域基礎」の授業の中では、歴史上の、あるいは現代の紛争について学びます。
また東京外国語大学のカリキュラムでは、他大学に比べて「主専攻言語」、つまり語学の授業数(卒業のための必要単位数)がかなり多くなっています。
アフリカ地域専攻の場合には英語がこれに該当しますが、学科生向けに開講している英語授業では英語そのものを学ぶだけではなく、英語をもちいてアフリカについて突っ込んで学ぶ内容になっています。その中では、紛争のトピックも出てくるでしょう。
貧困や紛争解決、国際教育について興味があるのですが、どのように学びますか?
教員:アフリカというと、日本の一般社会では「貧困」「紛争」「未開」といった負のイメージが強いと思います。しかし、こういった眼差しはアフリカ社会の実態を必ずしも反映していないばかりか、一方的な「介入の対象」としてしかアフリカを見ていないという点で大きな問題を孕んでいます。
そこで、まずはステレオタイプなアフリカ観から離れて、実際にアフリカに生きている具体的な人々や社会に関心を持つこと、つまり各人が自分なりのセンスで感興を覚えるところから、現代アフリカの抱える複雑な課題についての学びがスタートすると考えています。
その上で、コース分属後の3~4年次には専門課程で社会学、人類学、開発経済学、平和構築学、教育学など専門分野(ディシプリン)の理論や手法に触れながら学びを深めていくことになります。2019年度からは、2年生の後期からも専門科目の一部を履修することも可能になりました。
【2】言語学習について
言語に関しては、どのような選択方法で専攻を決めるのでしょうか?
教員:国際社会学部では、ディシプリンとしての言語学そのものの授業はありません(両学部共通で開講されている教養科目で学ぶことはできます)。言語系の科目では、語学を学びます。専攻する地域ごとに、「主専攻言語」が決まっています。
アフリカ地域専攻では、英語が主専攻言語ですが、これに加えてフランス語、アラビア語、ポルトガル語の中から一つを選んで副専攻言語とすることになっています。
もちろん、卒業に必須な主専攻言語、副専攻言語のほかに、希望する人は教養外国語として他のバラエティに富んだ語学授業を取ることができます。アフリカ諸語では、スワヒリ語やアムハラ語の授業があります。
アフリカで話されている言語は、2000語以上あります。それらに関心があれば、正課の授業以外にも、附置研究所であるアジア・アフリカ言語文化研究所が毎年夏休みに開催している「言語研修」に参加して、アフリカの民族語を学ぶこともできるでしょう。
アフリカ地域専攻の学生は、何語を学ぶのですか。専攻している言語を教えてください。
学生:アフリカ地域専攻の専攻言語は英語です。英語のほかに、フランス語・ポルトガル語・アラビア語のなかから選択して規定された単位数を取得する必要があります。上記の必修の言語に加え、スワヒリ語や、スペイン語、中国語や韓国語など、各自の興味に応じて様々な言語を履修することができます。
また2年次以降では、エチオピアの公用語であるアムハラ語やマダガスカル語などを履修することもできます。
外大生一般についての質問です。英語以外の言語を1(イチ)から始めた人は、どれくらいの期間でどれくらいの語学力がつきますか?言語学習は、どの程度上達しますか?
教員:人それぞれだと思います。初修言語の場合、その言語との相性もあるようです。当たり前ですが、生活や学習、仕事のために実践的に言語を使う場面がある留学や現地社会でのフィールドワークは言語運用能力を高めます。
私に分かるのはフランス語だけですが、フランス語圏に長期留学に行って帰ってきた学生を見ていると、上達が顕著だと思います。
学生:各人のやる気と努力次第です!(2年生)
学生:その言語で何をしたいのかに依る。会話や発音を身につけたいのか、それとも読解力や文法か。会話をしたいという観点から見るならば、フランス語は鬼門。英語よりも難易度は高く、身に付ける時間も長いと見るべきでしょう。(1年生)
学生:外大は1年かけて、ある程度使いこなせる程度には叩き込んでくれます。各学科で決まっている主専攻言語を担当している先生とは別に、外部の講師が開講している授業もありますが、授業のレベルとしてはかなり充実しており、期末試験に合格できる実力があれば軽いニュースは理解することができます。(2年生)
【3】留学について
アフリカ地域専攻には、アフリカに留学する方は多いですか?また、留学先は、アフリカだけですか?アフリカ以外に行った場合では、どこで何を学んだとかわかったら教えて下さい。
教員:アフリカに留学する人も多いですが、アフリカ以外の地域に留学する人も多いです。派遣留学では、所属する専攻に関係なく世界中の協定校に留学が可能です(次の質問項目への回答も参照)。最近では、アフリカ地域専攻以外の外大生がアフリカに留学することも増えています。
アフリカ以外でも、欧米、アジア、オセアニア、中米など様々な地域に留学するアフリカ地域専攻の学生がいます。アフリカ以外の地域に留学して、アフリカについて学ぶこともできます。
例えば、現在北欧のノルウェーに留学して、そこで暮らしているアフリカ人ディアスポラ社会のフィールドワークを行なっている人がいます。
留学できるアフリカの大学ですが、具体的にはどの国に行けますか?
教員:留学には大別して、休学して独自に行く「休学留学」と、交流協定のある大学へ行く「派遣留学」の2種類があります。休学留学では、学生が自分で留学の受け入れ先を探しますから、渡航先の国に特に制限はありません。
派遣留学では、大学どうしが協定を結んでいる世界各地の大学に留学に行くことになります。本学が、アフリカ地域で現在交流協定を結んでいる大学は以下の7つです(2020年8月31日現在):
ザンビア大学、ジンバブウェ大学、ガーナ大学、南アフリカのプレトリア大学とステレンボッシュ大学、ルワンダのプロテスタント人文・社会科学大学(PIASS)、カメルーンのチャン大学。
派遣留学では、学生本人の関心やその時々の治安情勢などを総合的に考慮しつつ、より安全に留学生活を送れる大学を優先的にお薦めしています。
教員:アフリカの大学と言っても、所在する国・地域などによってその特徴は様々です。アフリカならではの授業としては、例えば「アフリカ哲学」の授業が面白かったとジンバブエ大学に留学していた人から聞いたことがあります。
正課の授業で学ぶ以外に、現地の大学への留学生としての立場をうまく使いながら現地社会のなかでフィールドワークをしたり、インターンを行ったり、ストリートのアーティストに弟子入りしたり、と創意工夫をこらした活動を展開することも少なくないようです。
予定調和的な決まったパターンがあまり見られないのが、アフリカ留学の特徴かもしれません。具体的なアフリカ留学の内容について興味のある方は、ぜひアフリカ地域専攻のホームページにある「留学体験記」のコーナーを覗いてみてください。
長期留学をする場合、4年間で卒業するのは厳しいですか?
教員:派遣留学の制度を使えば、4年間で卒業することは可能です。しかし、アフリカ地域専攻に限らず、留学以外にも、休学して世界一周旅行をしたり、国内外問わず起業を目指した修行をするなど、在学年数をあまり気にしない学生も少なくないようです。
学生:何年生で派遣留学するかにもよりますが、4年で卒業するためにはある程度卒業や進級に必要な単位を前倒しで取ってから渡航する必要があると聞いたことがあります(とくに、2年次後半から長期留学する場合など)。(2年生)
留学生との交流の機会はどれくらいありますか?
教員:英語で開講されている科目など、キャンパスで一緒に授業を受ける機会があるほかに、日本人学生とアフリカからの留学生で、個人的にそれぞれの母語の教え合いっこをしたり、部活動を一緒におこなったりしているようです。周囲に世界各国からの留学生がたくさんいるので、その気になればいくらでも交流できるでしょう。
ちなみに、外大からアフリカ各地への留学生は多人数ではないものの以前からいましたが、アフリカ各国から外大への留学生はほとんどいませんでした。
そこで去年からは、現代アフリカ地域研究センターが中心になって、クラウドファンディングをおこなってアフリカから留学生を呼ぶ事業を始めています。ガーナ、南アフリカ、ルワンダなどの国から少しずつ留学生が来るようになっています。
アフリカからの留学生と在学生との交流については、クラウドファンディング・プロジェクトのウェブサイトに対談記事があるのでぜひ読んでみてください。
● 座談会:アフリカから留学生を呼ぶってどういうこと? Part1
https://readyfor.jp/projects/asc-piass2020/announcements/130533
● 座談会:アフリカから留学生を呼ぶってどういうこと? Part2
https://readyfor.jp/projects/asc-piass2020/announcements/130538
教員側としては、今後も在学生と留学生との交流の機会を増やす努力をしていきます。それをどのように、どのくらい活かすかは、学生の皆さんそれぞれにかかっています。学部レベルでアフリカから留学生が来ている大学は、それほど多くありません。入学されたら是非とも交流を深めてほしいと思います。
学生:同じ授業を受ける留学生とは、グループワーク等を通じて交流することができます。授業での交流以外にも、留学生の生活をサポートするチューター制度やバディ制度もあります。私は1年次秋学期にバディ制度に応募し、学期期間中チェコからの留学生のバディをしていました。一緒にお昼ご飯を食べたり、休みの日には観光に行ったり、とても仲良くなれました。留学生との交流を企画するサークルもあるみたいです。(2年生)
昨今の新型コロナウイルス感染症の状況下において、留学制度はどのように変化しているのでしょうか?
教員:試行錯誤の状況です。新型コロナウイルス感染症が急激に感染拡大した時期に海外に渡航中だった留学生は、リスクを検討した上で留学を中断したり、中止して帰国した事例が多く見られました。
帰国しても、オンラインによって留学先の大学の授業を継続して受講することもできるようになってきています。安全な渡航が可能になるまで、オンラインとオフラインを併用した留学が続くように思われます。
【4】学生生活について
課題などでかなり忙しくなることはあるのでしょうか?
学生:毎回の予習など、常にやることはあります…。学期末はそれに加えて期末レポートがあるのでなかなかハードかもしれません。それとは別にアクティブラーニング(注1)という課題がレポートの形で出されることも少なくないです。(3年生)
学生:はっきり言って多いです。でも手を抜けるところは抜けるので、自分の好きな授業に力を注ぐなど、個人で調節していくことが重要です。(2年生)」
注1:東京外国語大学では、1つの科目には学期あたり13回の授業があり、それに加えて2回の自主課題が課されます。この自主課題のことをアクティブラーニングと呼んでいます。アクティブラーニングの課題は、映画鑑賞から課題図書の書評作成まで科目によってさまざまです。
みんなでご飯とか行きますか?
教員:今年度は、新型コロナウイルスのためにキャンパスでの活動が出来ない状況が続いているので直接会ってというのは難しい状況になっていますが、例年は学期の終わりや、留学体験報告会、オープンキャンパス、アフリカンウィークスなどの学科全体でのイベントの後に教員も学生もまじえて希望者で食事に出かけることは多いと思います。
学生:小語科といっても15人、さらにアフリカ地域専攻の我々は現地の人々のようにゆったり気ままに縛られず生きているので、なかなか全員で集まることはないですが、お昼ご飯はもちろん、よく数人で近くのインドカレー屋さんにいったり、授業後にオセアニア地域専攻の子と一緒に学食で夜ご飯を食べたりします。
2019年度入学の我々は、ボート大会お疲れ会(withオセアニア地域専攻)、春学期お疲れ会、TICADお疲れ会、外語祭決起会、外語祭お疲れ会、忘年会など、何かとみんなで集まります。
学科の雰囲気を教えてください。
学生:入学年次で異なるかもしれませんが、私たちの代(2019年度入学)はとても仲が良いと思います!1年次の末頃には「本当に出会って1年しか経ってないの?」と思ってしまうくらいの安心感と安定感と家族感がありました。また、オセアニア地域専攻の学生と合同で行われる授業もあり、専攻地域を超えて深いつながりを築くこともできます!
学生:楽しいです!お笑い第7世代のように知的で面白い人がいっぱいです、そして優しいしピュアだし社会の中の良心の結晶みたいな感じです。(2年生)
【5】進路について
将来就く人がおおい職業はありますか?卒業生の進路先について教えて下さい。
教員:アフリカ地域専攻の卒業生の進路先に、特定の業種が多いと言うことはありません。具体的な進路先については、一部をホームページの「地域の紹介」コーナーにリストアップしてありますのでご覧になってみて下さい。
【6】入試・受験勉強のやり方について
二次試験のリスニング要約問題の対策を教えてほしいです。
学生:毎日、ネイティブの方が話す英語に触れることを意識していました。Youtubeで動画を探したり、問題集のCDを聴き込んだり、方法はいろいろあると思いますが、とにかく毎日続けると少しずつ聞こえるようになります!繰り返し聴くだけではなくて、スクリプトがあればそれを音読するのも効果的だと感じました。
学生:Engines of our ingenuityというサイトや赤本の音源を使って、2日に1回は要約と意見文を書いて、先生に添削してもらっていました。私はセンター終わってから初めて過去問を解いて、対策を始めたのですが、かなり絶望を感じて精神的に辛かったので、もうちょっと前から始めておけばよかったなと思います。(1年生)
学生:赤本の問題とE-TED talksの5分ぐらいの講義で要約の練習をして、学校の英語の先生やALTの先生に添削してもらったりしました。その時にいろんな先生からよく言われたのは、まず大事なポイント(大きなテーマ、より具体的なこと2つぐらい)をいくつか見つけて、それらについてなるべく多くのことを聞き取ってメモをすること。メモの時点ではとにかく聞き取ることと構造を把握して、終わったらメモの中から必要な部分だけ取り出して文章にするように言われました。(1年生)
学生:『キムタツの東大英語リスニング』という参考書が外大の問題よりは短いけど、難易度とかが似ていると思ったのと、外大に通っている先輩に勧められて使っていました。一番良かったと思うのは、自分で一つ誰かしらの好きなスピーチなどを決めて、毎朝通学時間に聞いていたということです。
遠方の学校に通っていたので通学中に20分程度のTEDを毎日3回繰り返し流していました。毎回しっかり聞くのではなく、完全にBGMとして流し、裏で単語をする時もありました。受験までに全ての意味がその場で理解できるまでになっていました。自信に繋がります。
リスニングの要約は、赤本でやりました。問題は毎年変わるので、書くことに慣れることを重視しました。英作文の対策で英検一級の英作文参考書を解いていたので、リスニングというよりは別で要約力を鍛えていました。(1年生)
学生:本格的にリスニング対策を始めたのは、高3になってからでした。TEDやVOA(Voice Of America: アメリカのラジオ放送)を聞いて、大体の内容や流れを掴んでから内容を確認して繰り返し聞くことをしていました。短いものならスキマ時間にできるし、興味のある分野だと気分転換にもなってお勧めです!
もう少し聞きやすい教材では、聞きながらメモを取って、構成を捉えることを意識していました。内容確認をした後、シャドーイングすると熟語などの発音のつながりが身について、とてもよかったと思っています。(2年生)
学生:BBCの「6 minutes English」というアプリをよく利用していました。アプリなので携帯に入れるとどこでも聞けて楽だったし、6分というちょうどいい時間だったので気軽に聴けるのが魅力的でした。そのアプリの中にはニュースや朗読などいろんなモードがあったので、やる気がでた日はニュースのものを聞いてその後に外大の入試のように要約してみたり、やる気が出ないなって日は朗読をぼんやり聞いていました。リスニングはなんでもでもいいから毎日聞くのがいいと思います。受験中ちょっとの間聴かないだけでも耳が衰えるなと感じたので。(1年生)
留学生ではなく、英語が堪能な帰国子女の方は多いですか?入試で英語の比率が高いので不安です。
教員:年度によって異なり、学年に何人もいることもありますが、いないこともあります。また、帰国子女だからと言って、入試英語が堪能だとは限りません。あまり心配される必要はないと思います。
学生:どの程度滞在していたかの幅は大きいですが、何らかの海外経験のある在学生は、私の体感では過半数以上(7割程度?)います。しかしながら、英語科志望ではない限り帰国子女であろうがなかろうがそれほど英語のレベルに差はありません。あの試験で7割安定して解ける実力があれば心配なさる必要はないと思います。
ちなみに2019年度入学の15人のうち、全く海外経験のない学生は私を含めて2人しかいませんでしたので、試験というよりは正直、入学後の方がしばらくは周りとの差に苦しみました。アフリカ地域専攻の英語の授業は、ネイティブの教員が優しいのであまり気負う必要はありませんが、ある程度「話せる」ようになっていた方が入学後も気が楽だと思います。(2年生)
外大の(英語)入試はリスニングが特に難しいですが、どのような対策をいつ頃からやっていましたか?
学生:夏ごろから、毎晩布団の中で英語を聴いていた気がします。BBC Learning English、TED 、あとはENGLISH JOURNAL(雑誌)のCDあたりを…(他にも使えるものはいろいろあると思います)。毎日のルーティーンに組み込んでおくといいかもしれません。(3年生)
学生:余談ですが、外大リスニング試験は、BGMがうるさくて聞き取れないので有名です。海の音やSF風、話し声まで...。そのため、一般のリスニング教材と並行でYouTubeなどでポップなものにも触れておくといいかもしれません。(2年生)
(2020年度の)入試で、日本史選んだ人と世界史選んだ人で有利不利があった気がするんですが、いかがでしょうか?
入試課:本学の一般選抜試験は、センター試験と個別学力試験の総合計点で評価しています。いずれの試験も、それぞれのホームページ(大学入試センター)(東京外国語大学)で科目別平均点を公表していますのでご参照下さい(注2)。
・違う学部の質問ですみません。国際日本学部には、高校の時世界史選択で、世界史で大学受験された方はいらっしゃいますか?
入試課:います。
注2:入試の仕組みそのものについて、さらに質問がある場合には入試課(平日9-17時:042-330-5179)に電話で直接質問するようにしてください、とのことです。
【7】学部・学科の選び方について
国際社会学部と言語文化学部の違いは何ですか?
教員:言語文化学部では、言語や文学などより言語を用いた文化に重きを置いた教育がなされているのに対して、国際社会学部ではより社会科学や地域研究に重きを置いた教育がなされています。
国際社会学部では、地球環境問題のように世界規模でつながりを持ちながら起こっている現代的な社会課題に、地域社会と協働して取り組むための実践的な学びを志向しているところも特徴と言えるでしょう。
この違いは、科目の配置にも現れていて、言語文化学部では言語学の理論や応用に関わる授業が開講されていますし、国際社会学部では人文科学に加えて社会科学分野の授業が開講されています。
それぞれの学部のカリキュラムや教員の詳細については、大学のホームページに情報が載っているのでそちらを見てみて下さい。
国際社会学部と言語文化学部の場合、それぞれ専攻する地域と言語を受験時に選択しなければなりませんが、学部すらまだ選びきれていません。学生の皆さんは、(国際社会学部なので地域になりますが)いつ頃学部ならびに専攻を決めましたか。また、決める際に重視したことやアフリカ地域を選択した理由も聞かせていただきたいです。
学生:私の関心は言語文化学部が扱う領域に寄っていたのですが、大学案内を眺めていてアフリカ地域専攻というものに惹かれたので国際社会学部にしました。実際、ゼミに所属することはできませんが言語文化学部の授業も取ることは可能なのでそれなりに関心に沿って勉強できています(言語文化学部で国際社会学部の授業を取ることも可能です)。学部、専攻を決めたのは高2の冬休みでした。(3年生)
学生:学部と専攻を決めたのは高3の夏でした。学部は、今考えるとすごくざっくりしていたと思うのですが、自分が興味を持っているのは言葉なのか社会なのかを考えたときに、言語にも興味はあるけれどその背景にある文化や政治に関しても気になっていたので、国際社会学部を選びました。
専攻は、今までずっと勉強していた英語に加えてもう1言語を専攻言語として選べることと、アフリカという地域には何も知識がなかったので、自分の知らない世界について学べることが良いなと思ってアフリカ地域にしました。私も学部や専攻を決めるのはすごく時間がかかりましたが、納得するまで悩んだ結果、全く後悔のない選択ができたと思っています!
学生: 英語を勉強できること、国際協力に興味があったこと、アフリカが私にとって未知すぎることから選びました。決定したのは高3の夏休み前くらいだったと思います。(1年生)
学生:私はもとから他大学が第一志望だったので、まず外大に志望校を変えたのが3年の12月。国社のアフリカと東南アジアに惹かれたので外大を志望校にしたのと同時に学部も決めました。(1年生)
学生:「言語」そのものよりも言語が形成された「背景」「歴史」「文化」に興味があったので国際社会学部を選びました。
また、もともと言語というよりも国際協力や海外の文化などを学べる大学に進学したいと思っていたため、志望校を決めた段階(高2半ばくらい?)から国際社会学部志望でした。
国際社会学部か言語文化学部かは、1年のうちはあまり差がないが、2年以降徐々に学ぶ内容が変わってくるため、ちゃんと興味関心にあった方を選んだ方が良いと思います。(2年生)
学生:個人的には、アフリカという地域が現在の国際社会のなかで変革していくダイナミクスに惹かれたので、自然とこの学部に落ち着きました。アフリカ地域専攻のことを、より豊かに、平和になろうと努力している人々が住む大陸を、日本に住む我々と結びつけて学べる学科だと考えています。(1年生)
学生:私の場合、昔からロシアに興味があり、学部・学科を選ぶ時もロシア語系の学科にしようかなとも迷ったのですが、アフリカをがっつり学べるのは外大くらいで、せっかくこの大学に入るのならその大学でしかできない学科にしようと思い、決めました。外大に入る意味を考えてみるのも学科を決める手掛かりになるかもしれません。元々他の大学が第一志望だったのもあって、しっかり決めた時期はセンターの後でしたが、だいたい外大ならどの辺の学部・学科にしようかなという大まかな見当自体は高3の頃には決めていたと思います。(1年生)
学生:私はとりわけ「英語をツールとした学び」を重要視しており、1年次秋学期に開講されるアフリカ大使リレー講義に興味を強く持ち、志望を決めました。南アやマダガスカル、ジンバブエやアンゴラの在日大使館から毎週誰かが来校され、国の紹介をしてくれるというものです。このようなイベントはアフリカ地域専攻にしかありませんので、貴重な体験です。(2年生)
将来、発展途上国の支援を仕事にしたいと考えていて、大学では国際協力、開発学について学びたいと思っているのですが、地域専攻を東南アジアとアフリカのどちらにするかで迷っています。専攻地域を迷ったことがありましたら、どのようにして専攻地域を決めたのか教えて下さい。また、専攻地域を決めるに当たって、アドバイスがありましたら是非お願いします。
教員:発展途上国支援に関わりたいという気持ちがあれば、アフリカでも東南アジアでも、それぞれ面白いことが待っていると思います。
一般的に言えば、東南アジア専攻ではタイ語やベトナム語など、特定の国の言葉を専門的に勉強しますから、特定の国とのつながりが深くなるのに対して、アフリカ地域専攻では英語、フランス語、ポルトガル語などの公用語を勉強しますから、特定国とのつながりはもう少し先で考えることになるでしょう。
アフリカで特定の国としっかり付き合うなら、アフリカの現地語を勉強することも視野に入れる必要があります。アフリカ専攻でもスワヒリ語などアフリカの現地語を学ぶ機会はありますが、それでもアフリカの国々を広く勉強の対象とするのが普通です。
学生:私自身も少し迷いました。東南アジアは日本にまだ近いし、ニュースなどもアフリカよりは触れやすいため自分で知ろうと思えば知れると思ったけれど、アフリカは少し偏った分野しかメディアではあまり見なかったのと、自分で知ろうとするには難しそうだと思って、専攻することにしました。(1年生)
学生:私も迷いましたが、東南アジア地域専攻には第1地域と第2地域があり、内陸国(大陸部)と島国(島嶼部)で別れていて、専攻地域がどちらかしか選べないというのが嫌だったのでアフリカ にしました。しかし、後期試験はアフリカよりも東南アジアの方が合格率が高かったので、東南アジアの島国の方に出願しました。(1年生)
学生:私は世界の政治や経済に興味があり、言語はツールとして使えればいいと思っていたので国際社会学部を選びました。決めたのは3年の夏頃です。アフリカ地域を専攻した理由はアフリカの紛争などの問題に興味があったからです。
アフリカを学ぶ専攻というのはなかなかないので貴重な人材になれるかもしれないし、受験時に専攻言語を決めなくていい、というのもある意味メリットだと思います。
とはいえ専攻語をがつがつ学べるのも魅力的だし、結局自分の直観的な好き、知りたい、に従えば後悔が少ないんじゃないでしょうか。(1年生)
入学後に教職免許の取得を考えています。学部・学科によって資格取得への有利・不利はあったりしますか?
学生:教職免許を取得したい科目にもよりますが、若干あります。
まず、英語の教員免許の場合です。アフリカ地域専攻の英語科目は、北米地域専攻のそれとは内容が異なり、4技能を使った学びにフォーカスされるため、非英語専攻の学生と同じ教職科目を履修していかなければなりません。
そのため、国際社会学部「英語専攻」であるにも関わらず、言語文化学部で開講されている概論科目(「英語学」、「英米文学」、「教職発音学」、「英語科教育法」など)や、GLIP科目(注3)を履修しなければなりません。
また、国際社会学部で取りやすいとされている社会科の教員免許に関しても、世界史ではあまりアフリカが扱われない関係で、「地域基礎」と呼ばれる学科必修の授業の中で、アフリカや中東の授業は教職必修単位から除外されています。
アフリカ地域専攻の学生の場合、特に自分の学部の科目履修から、教職免許取得に必要な単位をそろえるうえで恩恵を受けることはない、ということです。昨年度より教職科目が卒業単位に一部加算されるようになり、一応楽になったらしいのですが、アフリカ地域専攻に所属する私には、依然茨の道であります。(2年生)
注3: 英語を使用言語として開講される「グローバル人材育成プログラム」の科目群のこと。詳しくはこちらを参照してください。
【8】その他
わたしは、ラジオ放送の受信が好きで好きで仕方ないので、ラジオフチューズで番組まで作ってしまった者です。アフリカというと、リスラジのようなウェブ配信以上に、乾電池で動くラジオ受信機を使った受信が生活に根ざしているのではないかと想像しているのですが、アフリカにおけるラジオ事情をお教えいただけないでしょうか。
教員:アフリカでは、ラジオは重要な情報伝達手段として機能しています。大都市からだけではなく、地方都市から民族語を使ったコミュニティ・ラジオ放送がおこなわれていることもあります。
一方、短波ラジオは長距離に電波が届くので、アメリカ、欧州、中東、日本などからの英語・フランス語・アラビア語の放送を熱心に聞いているリスナーにアフリカの農村部で出会うこともあります。
サハラ以南アフリカの多くの国の農業で重要な換金作物の値段などは、国際市場で変動するので農民の中にはBBCなどの放送で毎日それを確認している人もいました。
私がカメルーンやコンゴ共和国で出会った人たちは世界での出来事にも敏感で、日本で東日本大震災や台風など大きな災害が起こった際には、私よりも先に情報をキャッチして教えてくれたことがありました。
農村部では電池式のラジオが大活躍していますが、アフリカ諸国でも都市を中心に携帯電話やパソコンが普及してきているので、インターネットを介したラジオ受信もある程度おこなわれていると思います。
アフリカでは祖国以外で暮らしているディアスポラの人々もたくさんいるので、ネット経由でアフリカのラジオを聞くことも多いでしょう。いくつか、オンラインでフリーで聞けるラジオ局を紹介しますのでよろしければ聞いてみてください。
Capital FM (英語、ガンダ語など):ウガンダの首都カンパラのラジオ。ニュース、音楽など。
URL: http://streema.com/radios/play/91.3_Capital_FM_Kampala(再生ボタンを押せば、そのまま聞けます。)
Radio Rwanda(英語、キニャルワンダ語など):ルワンダの公共ラジオ。
URL: https://tunein.com/radio/Radio-Rwanda-1007-s16340/(リンク先の再生ボタンから聞けます。)
Africa Radio(旧:Africa Numero 1、フランス語など):ガボンとフランスにスタジオを置くフランス語圏アフリカのラジオ。
URL:https://www.africaradio.com/ (トップページから「écouter nos radio」を選択 → 一般放送、音楽などからジャンルを選択)
Radio Okapi(フランス語、リンガラ語、スワヒリ語、コンゴ語、チルバ語など):コンゴ民主共和国東部のローカル・ラジオ。
URL: https://tunein.com/radio/Radio-Okapi-1035-s9667/ (再生ボタンを押せば、そのまま聞けます。)
他の学部についての質問で申し訳ございません。日本史を習っていなかった場合、国際日本学部の授業を受けるのは大変ということはありますか?よろしくお願いいたします。
入試課:大変かどうかは、どのような授業を履修するかにもよるでしょう。ただ、日本史は中学校でも習っているはずなので、全く分からないということはないはずです。クラスメートとなる留学生の多くは日本史を習っていないので、日本の歴史について英語で色々と質問されるかもしれません。
いただいた質問への回答は以上です。
質問を寄せて下さったみなさん、zoom相談会に参加くださったみなさん、ありがとうございました。
最終更新:2020年9月2日