アフリカンウィークス2023

報告書


東京外国語大学 アフリカンウィークス2023実行委員会

目次


a. 交流会企画

b. 展示企画

c. キッチンカー企画

d. 広報企画

1.  代表メッセージ


この度は、本報告書をお読みくださり、誠にありがとうございます。

執筆を担当しております、アフリカンウィークス2023実行委員会代表の藤原萌乃です。


アフリカンウィークスは「アフリカの魅力を伝える」を根底の共通理念とし、2017年度からほぼ毎年、アフリカに関心を持つ学生有志たちによって実施されてきました。今年度は2021年度以来2年ぶり、通算6回目の開催となります。


ここでは簡単に、アフリカンウィークス開催の背景について紹介させていただきます。


現在の日本におけるアフリカの捉え方としては、大きく分けて2つのものがあると言えます。1つは、紛争や貧困、疾病、飢餓といった社会問題の舞台として。もう1つは、経済発展や開発事業の盛んな、成長の主人公として。2つが融合し、ある地域について「過去の悲劇から立ち直って開発で進歩している」という物語を形成することもあります。これらの物語は、一般的な正解/不正解に分類することが困難なものです。しかし、あるものごとが多元的であることを認識しないまま、一元的な物語に依存してしまうことは、様々な軋轢を引き起こします。この懸念は、アフリカという広大な地域を包括的に扱うことによって、尚更強まるものです。


アフリカ地域を専攻するにあたって、これは小さな問題ではありません。私個人も、同じ専攻の学生たちと、入学以前までに少なからず一元的な物語に影響されてきたことを認め合う経験をしてきました。ここに端を発する問題意識が、学生主体を基本方針とするアフリカンウィークスを支えています。


2023年度の実行委員会もその流れを汲み、過去の委員会からノウハウを継承してきました。その一方、各年度のアフリカンウィークス実行委員会は、各年度で結成して解散する別々の組織でもあります。開催2年目の2018年度以降は、それぞれの委員会が、それまでのアフリカンウィークスを踏襲しつつ、毎年一から企画を練り直しています。


今年は顧問教員からのアドバイス及び学生団体 With Africa 協力のもと、アフリカからの留学生をイベント企画の中心メンバーとして迎えるという新たな試みを行いました。今年度のスローガンにある「行き交う、出会う」という言葉に込められた意味も、この試みと一致するものです。この言葉は、日本の学生がアフリカを一方通行で理解するのではなく、日本とアフリカを行き交おうとする全ての人々が等しく出会いの主体となることを念頭に置いています(図1)。

図1: アフリカンウィークス2023のロゴ 

本報告書では、のちに、アフリカンウィークス2023の各企画に込めた意図につきましても説明させていただきます。


なお、アフリカンウィークス2023の開催にあたっては、学内外から多くの方々にご助力をいただきました。まずは企画にご応募・ご来場くださった方々、誠にありがとうございました。また、共催をご快諾くださった現代アフリカ地域研究センターの皆さま、企画内容への助言から展示物の調達に至るまで惜しみないご助力をくださった先生方、事務面でご協力くださった大学職員の皆さまにも心より御礼申し上げます。そのほかにも様々な形でアフリカンウィークス2023に関わってくださった皆様に、弊委員会を代表し、深く感謝申し上げます。


本年度のアフリカンウィークスが、今後の皆様とアフリカの関係を更に豊かにするきっかけの1つとしてお心に残ることを願ってやみません。

2.  イベントの概要・趣旨


図2: 学内に掲示したアフリカンウィークス2021のポスター 

3.   実行委員 メンバー一覧


(五十音順、敬称略)

4.  各企画の報告


a. 交流イベント企画


開催時期 2023年12月22日17:40~19:20

開催場所 東京外国語大学113教室ほか


学生団体 With Africa との共催により、学内外から20名を超える来場者を迎え、交流イベント「Africa! Now!」を実施いたしました(図3)。

図3: イベント会場の様子

最初に司会と代表が挨拶スピーチを行いました。続いて、司会を務めてくれた南スーダンからの留学生がアフリカ地域の名称の由来やその広大さを伝える興味深いプレゼンを行いました。その後、ガーナ留学を経験し、先日著書を出版したばかりのアフリカ地域専攻卒業生が、ガーナの基本情報や文化についてプレゼンしました。


グループプレゼンタイムでは、ルワンダやガーナなどアフリカ各国からの留学生3名が出身国に関するプレゼンを行いました。プレゼンのトピックは、各学生が選んだ自国の現代政治、歴史、文化など多岐にわたりました。プレゼン後は、各グループの発表者と参加者との間で活発な質疑応答が交わされました。文化についての素朴なものから、政治や歴史に関する真剣なものまで様々な質問が飛び出していたようです。


そのほか、ルワンダのダンスを皆で踊ったり、カメルーン出身の元留学生によるリモートプレゼンを聞いたりと、僅か2時間近くのイベントながら、大変充実したものとなりました。


イベント終了後には、大学付近の会場でアフリカンミールパーティが開催されました。こちらは、実行委員を含め、事前申し込みをしてくださっていた20名にご参加いただきました。留学生が調理に協力してくれたアフリカ料理のウガリやマフェ、皆で持ち寄った食事を味わいながら、国籍や大学、専攻、学年を超えた交流を楽しみました(図4)。

図4: イベント終了後のミールパーティの様子

b. 展示企画


開催時期:12月11日~12月22日

開催場所:東京外国語大学キャンパス1階ガレリア


書籍や写真を通じ、多くの方にアフリカについて知っていただくため、展示企画を実施しました。具体的には、オススメ図書企画、写真展、絵本展の3本を柱とし、一般公募や大学関係者からの提供によって展示物を収集しました。


展示期間は、アフリカンウィークス2023開催期間と同一となる12月11日~12月22日で、東京外国語大学キャンパス1階ガレリアの中央部西側に展示用パネルを設置しました。


期間中は、多くの通行人の方々にご覧いただき、モデル絵本を実際に捲ってご覧になる方もお見かけしました。また、アフリカ地域専攻の学生たちもグループで会場を訪れ、好きな写真を選んだり、写真を見ていて気づいたことを伝え合ったりしてくれていたようです。


なお、本企画は学内外の皆様のご協力により実施することができました。この場をお借りし、心より御礼申し上げます。


《オススメ図書企画》

「アフリカと関連がある本(とその紹介文)」を幅広く一般から募集し、小説や絵本などを対象に計5件の応募がありました。応募された図書の基本情報は以下の通りです。



《写真展》

アフリカ各地で撮影された写真を募集し、ふとした日常から目を見張る絶景まで、様々な瞬間を切り取った計25枚のご応募をいただきました。写真の撮影地域は、タンザニア、ルワンダ、エチオピア、南アフリカ、ケニア、カメルーン、ガーナと、サハラ以南アフリカの広い地域に渡りました。展示の際には、写真とともに撮影地や撮影時期なども掲載し、より具体的な情報を伝えられるよう工夫しました(図5)。

図5: 展示の様子

《絵本展》

絵本を2冊展示いたしました。うち1冊は、坂井真紀子先生(アフリカ地域専攻教員)がクラウドファンディングで制作に関与された『ニョタのふしぎな音楽』でした。こちらは、坂井先生が制作時に受けたインタビューを掲載したパネルも同時展示いたしました。


もう1冊は、シエラレオネからの留学生である Theresa Amui さんがイラストを担当された『Ansu’s Village』です。企画実施に際しては、ラミネート加工を施した拡大版のモデル絵本をお借りし、会場を訪問された方が実際に捲って読むことができるようにいたしました。


今回展示しましたのは、どちらもアフリカの子どもが主人公となっている絵本です。中身も、英語やスワヒリ語など現地で使用されている言語で書かれた文章、アフリカの農村部の風景、現地伝承を織り込んだ物語など、着目したい魅力に溢れています。

c. キッチンカー企画


開催時期 2023年12月19日

開催場所 東京外国語大学円形広場


味覚を通してアフリカへの親しみを養うことを目的とし、円形広場にてFOFOケータリングキッチンさまにフードトラックでお料理を提供していただきました。メニューはスンバラライス、ブッサ、チキンヤッサ、ビサップジュースなど6種類。


1日のみの開催でしたが、お昼時の学生や教職員など計117名の方々にご利用いただき、大成功を収めました(図6)。初めてアフリカ料理を食べるという方も多く、「こういう料理を初めて知った」「不思議な味がする」「他の種類も食べてみたい」などの感想が聞かれました。


アフリカに何となく関心がある、または世界の色んな地域の料理を食べるのが好き、という方でも、アフリカ料理に触れる機会は多くないのかもしれません。本企画をきっかけとして、是非近隣のアフリカ料理店に足を運ばれてはいかがでしょうか。


FOFOケータリングキッチンさま

SNS:https://linktr.ee/fofo.japan

図6: キッチンカー企画開催時の様子 

d. 広報企画


開催時期 2023年10月~12月

開催場所 広報媒体(Twitter、Instagram)において


主にSNSを用いて学内外への広報活動を実施しました。活動報告やイベント予告だけではなく、アフリカに親しみを持ってもらえるようなコンテンツを企画しました。たとえば、委員たち皆でアフリカクイズのアイデアを出し合ったり、行ったことのあるアフリカ料理店の写真を提供したりして、SNS投稿に活用しました。


実際に、キッチンカー企画などではSNSの投稿をきっかけに会場を訪れた方もいらっしゃいました。それだけでも広報としての役割は果たしておりましたが、企画告知以外にも魅力的なコンテンツをたくさん発信いたしましたので、見かけた方が少しでも「面白い!」と感じてくださっていれば、より幸いに存じます。

5.  広報サイト等


告知ページ:

https://x.gd/XyVC7


Twitter:

https://twitter.com/africanweeks2023

  

Instagram:

https://www.instagram.com/africanweeks2023/

最終更新:2024年2月6日