アフリカ地域専攻有志8名の
ルワンダ渡航記①
~ルワンダのまち、文化、人~
by 福田佳奈
アフリカ地域専攻・2022年度入学
Muraho!(キニャルワンダ語で「こんにちは」)
1994年のルワンダ大虐殺や、その後の目覚ましい経済発展などで知られる東アフリカの小国、ルワンダ。アフリカ地域専攻有志8名で2023年8月29日〜9月3日の6日間、首都キガリと、キガリからバスで3時間ほどの距離にあるフイエという都市に滞在しました(写真1)。
写真1:工芸品展にあったお手製地図
1.ルワンダの特徴
最初に、約1週間の滞在で感じたルワンダの魅力や、日本との違いなどを紹介していきたいと思います!
安全で、キレイ!
ルワンダに来て、まず驚いたのが治安の良さです!!アフリカというと、あまり治安は良くないだろうなと思っていたので、物を盗られたり、最悪の場合襲われたりするのではないかとビクビクしていました…しかし、ルワンダは、歩いていても物を盗られる気配が全然なく、女子2人で街中を歩いてても問題がないくらい、普通に安全でした笑 日本にいるのと変わらないと言っても過言ではありません!
そして、ルワンダの街中はゴミが少なく、とてもキレイです。一緒にいったメンバーの中にケニアに行ったことのある人がいたのですが、ケニアより断然治安が良く、街もキレイだと驚いていました。町のキレイさの秘訣は、毎月最終土曜日に行われる「ウムガンダ」という活動にあると地元の人が教えてくれました。
ウムガンダとは、地域コミュニティ内の住人が全員参加する奉仕活動のことで、清掃活動や草刈りなどを行うものです。また、首都キガリには、町のいたるところにゴミ箱があったため、ポイ捨てする人が少ないのかもしれません(写真2)。
写真2: キレイな道路。
道路事情
車で移動することがあったのですが、ルワンダでは車線をきっちり守らないで走るのが新鮮でした!空いている道路だと、カーブのときは内側を通って短縮するのが普通で、向かい側から車が来たら避けるという感じでした!
また、ルワンダでは、バイクタクシー、通称MOTOがいっぱい走っています。値段は安いわけではないそうですが、速く移動したいときに便利だとか!ただ、危険なのであまり推奨されていません…滞在中に一度だけ、軽い接触事故が起きたと思われる現場を目撃しました(写真3)。
写真3: MOTOがたくさん。
丘の景色
「千の丘の国」と呼ばれるルワンダは、その名の通り丘だらけで、とにかく景色が綺麗です!建物も低層なものが多いので、視界が開けていて、丘の上からの眺めは壮観です!首都キガリでは、夜になると、丘の上に立ち並ぶ家の光がつくため、宝石が散りばめられたように丘がキラキラと輝いていて、とても見ごたえがありました(写真4)。
写真4: 首都キガリの夜景。
文化
①工芸品
頻繁に目にしたのが、工芸品です。代表的なのが、編んで作られた、独特な見た目のかご、アガセチェ(agaseke)です!!様々なサイズ、色・デザインのものがあり、大きいものだとオシャレな収納ケースとして、小さいものは置物やストラップとして使えるような、実用性に富んだ優れモノです!そして、なんといっても、フォルムがかわいい…古くから、縁起の良い贈り物とされてきたそうで、蓋がついているのは、「幸せが逃げないように」という意味が込められているのだとか(写真5)。
写真5:伝統工芸品アガセチェ。
他にも、ビーズで作られたピアスやブレスレット、お面、バナナの木で作られたハガキサイズの壁飾りなどもたくさん見かけました。どれも、素材や色使いが日本ではあまり見られないようなものばかりで、ついお土産にしたくなってしまいます…!
②食べ物
ある日の朝ごはんを紹介しようと思います(写真6)。
写真6: ある日の朝ごはん。
写真左上の、茶色で丸っこいのが、イリンダジ(複数形だとアマンダジ、IRINDAZI/AMANDAZI)という食べ物です。小麦粉などを練って揚げたドーナツのようなもので、見た目はさながら沖縄のサー〇ーアン〇ギー!
写真左下の三角形のものは、サンブーサ(SAMBUSA)と呼ばれていましたが、インド料理のサモサです!中身は色々あるようで、ここのお店のものはスパイシーな味でした。イリンダジやサンブーサの下の、平たくて丸い生地のものは、チャパティ(CAPATI)で、これもインドなどで食べられているパンのようです。特に味はなく、何かと一緒に食べるのが良さそうです。
写真右側の白い飲み物は、アマータ(AMATA)という名前で、いわゆる牛乳ですが、味や舌触りは日本のものとは全く違いました!やや酸味のある味わいで、何よりもドロッとしているので、少し飲んだだけでもかなりお腹に溜まるような感じがしました。どちらかというとヨーグルトに近いかなと思います。残念ながら日本人の舌には中々合わない感じだったのですが、筆者はチャパティなどで押し込みながらなんとか飲み切りました…(アマータも処理段階の違うものがあるようで、別のところで飲んだヤギのアマータはさらさらとしていて、飲みやすかったです!)
2.ルワンダでの出会い
ここからは、ルワンダで出会った大切な人たちを紹介していきたいと思います!
Our Family -Paul and Jato-
実は今回のルワンダ旅行を語る上で欠かせない存在がいます。かつて留学生として外大に来ていた、ポールとジャトです(写真7)!
写真7:ポールとジャトと一緒に車移動中。
この二人には、渡航前から、現地のことを教えてもらったり、宿泊先を確保してもらったりとお世話になっていました。2人は、フイエにあるプロテスタント人文社会科学大学(通称PIASS)の学生なのですが、首都にあるキガリ国際空港まで来て、私たちを温かく出迎えてくれました。
そこから、バス停までのタクシー移動、SIMの購入、キガリからフイエまでのバスのチケット購入など、勝手の分からない土地では大変なことをすべてサポートしてくれたので、本当に心強かったです。その後も、フイエにいる間は基本的に一緒に行動し、食事場所を決めてくれていたり、良いお土産屋さんや地元の若者が行くカラオケなど、普段生活している人だからこそ知っている場所にも連れて行ってくれたりしました。
彼らが私たちのために色々計画を立ててくれていたことに、感謝の気持ちでいっぱいになりました。「おもてなし」という言葉が、一時期日本の良さを表す言葉として流行った時期もありましたが、ポールとジャトが、私たちが快適に、楽しく過ごせるようにという想いでしてくれたことにこそ、おもてなしの精神を感じました。Thank you so much for all your support and warm welcome, Paul and Jato! I’m sure we’ll see each other again!
お食事にお呼ばれ&招待
フイエに滞在中、二度、お食事を振舞っていただきました!
ルワンダに着いた日の夜、ポールやジャトに案内されて行ったのは、PIASSの教授の家族と、学生が数名いる寮のようなところでした。そこはカメルーン出身者のおうちだったため、カメルーン料理をご馳走になりました!
私たちは8人のグループだったのですが、全員でも到底食べきれない量のお食事を用意してくださいました!!ほとんどが初対面の私たちを快く家に迎えてくれ、大量の料理を振舞ってくださるなど、ここでも、おもてなしの素晴らしさを感じました(写真8)。
写真8: カメルーン料理。
翌日の夕方は、以前外大に留学に来ていたロドリグのおうちに招待してもらいました!ロドリグは、7月に結婚したばかり(筆者たちが行ったのは8月末)で、奥さんとの仲の良さが印象的でした!
結婚式の動画も見せてもらいましたが、ロドリグの出身地ブルンジと、奥さんの出身地コンゴ民主共和国、それぞれで式を挙げ、(私の記憶が正しければ)総勢600名程参加したそうで、とても規模が大きく豪華でした。結婚の重要度の高さを垣間見た気がしました。
ロドリグの奥さんが作ってくれたアマンダジやオレンジをいただきながら、ロドリグの日本での体験談を聞きました。電車で見かける、パスケースをぶら下げた小学生のことを面白がっていたり、電車が空いているとアフリカ人の自分の隣に誰も座ってくれなかったけれど、満員だと人に囲まれるから嬉しかったなどと、少し悲しいエピソードも面白おかしく話してくれたりしました。ロドリグの日本での体験をまとめた本が出るそうなので、気になった方はぜひ読んでみてください(写真9)!
写真9:幸せオーラあふれるロドリグと奥さん。
キガリに滞在している間に、元ルワンダ教育大臣で、駐日ルワンダ大使も務めたことがある、チャールズ・ムガリンデさんとも会食することができました!
チャールズさんからは、悲惨なジェノサイドが起きてしまったあと、いかにルワンダを一つにまとめるか、どのように経済発展していくかという課題がある中、政府側はどのように考えたのかという貴重な話をお聞きすることができました。
お会いして最初の数十分間、ジェノサイドから今に至るまでの流れを熱く語るお姿はとても印象的で、復興にかけるその並々ならぬ想いや、ルワンダへの愛情を感じました。メンバーからもルワンダの教育や政治、経済に関する様々な質問が出て、それにも的確に答えてくださり、私たちにとって学びのある会食になりました(写真10)。
写真10:チャールズさんと。
この他にも、ルワンダに調査でいらしていた院生のタビタさんや、外務省在外公館派遣員としてルワンダに滞在中のアフ科の先輩のあまねさんなどなど、色々な方にお世話になりました。皆さんに感謝申し上げます!
魅力的なものや人で溢れているルワンダでの滞在は、充実感に満ちていました。この記事を読んでくださったみなさんにも、それが伝わっているといいなと思います。少しでもルワンダに興味を持ってくださった方は、ぜひ一度訪れてみてください!!
Murakoze!(キニャルワンダ語で「ありがとう」)
最終更新:2023年9月30日