セネガル滞在記

〜よく働き、よく遊ぶ〜

by

川口里紗 (アフリカ地域専攻、2016年度入学)

①はじめに

みなさん、はじめまして。アフリカ地域専攻2016年度入学で4回生の川口里紗です。

2019年3・4月、セネガルで2ヶ月間のインターンシップを行いました。この体験記では、インターンシップの様子やセネガルのおすすめスポットを紹介します。少しでも、これから留学やインターンでセネガルへ行く方の参考になればと思います。

セネガルといえば、2018年サッカーW杯で日本と戦ったのが記憶に新しいと思います。ご存知の方も多いと思いますが、アフリカ大陸の最西端にある国です(写真1)。

写真1: セネガルは、西アフリカの西端に位置する。

国民の90%以上がイスラム教徒で、公用語はフランス語です。現地の人同士の会話は、ウォロフ語と呼ばれる現地語とフランス語が両方使われていることが多いです(ウォロフ語以外の言語もあります)。

独立以来、クーデターなどを経験しておらず、アフリカの中では比較的安定しています。人々は「テランガ」というおもてなしの精神を大切にしており、治安も非常に良いです。

首都はダカールで、私はここに滞在していました(写真2)。ダカールはとても発展していて、割と何でも手に入ります。

また、後ほど詳しく紹介しますが、美味しいレストランもたくさんあります。ただ、イスラム教徒が多い国なので、豚肉はあまり見かけませんでした。海に面しているため、新鮮なお魚料理が多かったです。

写真2: セネガルの地図。ダカール(Dakar)は、セネガルの中でも西端に位置する。

②インターンシップについて

私は休学をせずに、春休みを使ってインターンをしました。外大のとっても長い長期休みを有意義に過ごしたい!と思い、部活の引退後にすぐ行こうとインターネットで探し始めました。

そんな時に見つけたのが、日本のとあるNGOのセネガル支部でのインターンです。内容としてはフランス語圏アフリカから日本やイギリスの大学へ留学する生徒に、その準備として授業を行うというものです。

アフリカの様々な国から来る生徒たちとコミュニケーションをとれるという点がとても魅力的でした。また、フランス語は必修で少し習っていたので (超初心者レベルですが...)、実践的に使ってみたかったというのも理由の一つです。

ここでは仕事内容などはあまり詳しく話せないので、仕事がある日の1日のスケジュールをお伝えします。

7:30 起床・朝食

9:00 出勤

13:00 学生やスタッフと一緒に昼食

17:00 退勤

17:30 同僚とカフェで作業

18:30 買い物・夕飯作り

19:30 同僚と一緒に夕飯

〜21:00 同僚とお喋りしながらのんびり

23:00 就寝

オランダ人、エジプト人、フランス人のインターンと共同生活をしていたので、彼らと一緒に行動することが多かったです。週末はよくみんなで飲みに行って、色んな話をしました。

とても優秀な人ばかりだったので、自分と違うバックグラウンドを持った同じ世代の人たちの考えを知ることができてすごく刺激を受けました。改めて、多国籍な環境は楽しい!と感じました。(写真3)

写真3: インターンの同僚たちとの食事風景。

また、生徒たちとの思い出は本当にかけがえのないものです。私は先生として彼らに何かを教える側でしたが、生徒たちの鋭い意見や新しい視点からたくさんのことを学ばせてもらいました。彼らの勉強熱心な姿にはたびたび心を打たれました。年齢も近いので、これから何十年後もずっと仲良くしていきたいなと思っています。

仕事中は慣れないことばかりで悩むことも多々ありましたが、正規スタッフの方々に支えられて、大変充実した日々を送ることができました。国際的な環境で働くことの大変さや面白さを知ることができたのはこのインターンでの大きな収穫の一つです。

今インターン先を探している人で私が参加したプログラムが気になる方は、ぜひ直接お尋ねください!

③セネガルの印象

・人が優しい&オシャレ

セネガルの人は本当に暖かいです。困っていたら助けてくれますし、知らない人でも挨拶をしてくれます。さすが、おもてなしの心を大切にする国です。また、拙いフランス語・ウォロフ語で話しかけても一生懸命理解して会話を続けてくれようとしてくれたのがすごく好印象でした。

場所にもよりますが、物売りの人もしつこく言い寄ってくることはあまりなかったです。買いたくないときは、"Non, merci" (「結構です。」)と言えば大抵すぐに離れてくれます。(ただ、サンダガマーケットという布市場での客引きは本当に疲れるので行く方は覚悟してください笑)

そして、男の人も女の人もスタイルが良くてお洒落です!毎週金曜日はセネガルの伝統衣装を着る習慣があり、特にカラフルで綺麗でした。(写真4)

写真4: 伝統衣装を着たこどもたち。

•海と夕陽が美しい!

セネガルは海に面しているため、たくさんのビーチがあります。週末は色んなビーチへ行き、底が見えるほどの綺麗な海で海水浴をしたり、のんびりと眺めたりしていました。夕方7時ごろになると、大西洋に沈む大きな太陽を見ることができます。オレンジ色に染まる空が本当に美しいです。(写真5)

写真5: 夕陽が大西洋に沈む

•ご飯が美味しい!

セネガル人はお米をよく食べるということもあり、ご飯がとっても美味しかったです。チェブジェンと呼ばれる炊き込みご飯や玉ねぎをたっぷり使ったヤッサ、シンプルな焼き魚などなど。あまり癖がなく美味しいと感じる料理ばかりでした。魚介類やその出汁を使った料理が多いので、日本人の口に合うのだと思います。(写真6)

また、セネガルを代表するビールであるFlagやGazelleは安くてとても飲みやすいです。

写真6: 手際よく素手でウニを割るおばちゃん。新鮮で美味しかったです。

③セネガルガイド

このインターン期間中は、「よく働き、よく遊ぶ」を意識して、週末は色んなところへ観光に行きました。その中でも個人的におすすめなスポットをご紹介します!セネガルへ行く方はぜひ参考にして、有意義な休日をお過ごしいただければと思います。

【おすすめスポット】

1. ンゴール島 (Île de Ngor)

2. マメールビーチ (Plage de Mamelles)

3. ゴレ島 (île de Gorée)

主に島とビーチですね。毎週末色んなビーチに行ったおかげでこんがりと日焼けしました(笑)。

1のンゴール島は、ボートで5分程度の北にある島です。小さな島ですが、お散歩をしながら、可愛い街並みを楽しむことができます。ビーチもあって泳ぐこともできます!ちなみに私はここで泳いでる時に、足の裏にウニが刺さりました。みなさんも海に見惚れすぎて足元で大惨事が起きないようお気をつけください。

2のマメールビーチは、泳ぐのもよし、ビーチでのんびりと音楽聴いて本読むのもよし!そこまで広くはないですが、気軽にバカンスの雰囲気を味わえるような場所です。お洒落なバーもあるので、友達とファタヤ(サモサのような揚げた軽食)をつまみながらビールを飲むのもおすすめです。週末は人が多いので、静かに楽しみたい人は平日に行ったほうが良いと思います。(写真7)

写真7: マメールビーチ

3のゴレ島は、聞いたことのある人も多いのではないでしょうか?奴隷貿易の拠点となった島で、ここから多くの奴隷たちが新大陸へと連れていかれました。その悲しい歴史を現代に伝えるため、1978年に負の世界遺産に登録されました。しかし、そんな悲惨な過去が本当にあったのかと疑ってしまうくらいに、穏やかで美しい場所です。街並みがカラフルで、どこを取っても綺麗な写真が撮れる観光スポットです。「インスタ映え」というのでしょうか。ダカールの南にあるフェリー乗り場から15分くらいです。(5,000CFA) パスポートのコピーが必要なので忘れずに!(写真8)

写真8: ゴレ島を歩く

【おすすめレストラン】


Chez Loutcha (いつも賑わってる。)

Seul 2 (お肉が美味しい。)

L’Endroit

Pizzola

Restaurant Shabat (韓国料理。店員さんが優しい。)

Lulu Café (お洒落な今どきカフェ)

美味しいアイスクリーム屋さんもたくさんあるので探してみてください。

ダカール内は基本的にタクシー移動が便利です。だいたい1500〜2,000CFAで行けるので、頑張ってドライバーと交渉してください。あとは、カラフルな乗合バスはいつもぎゅうぎゅう詰めで、地元の人たちがよく使ってるイメージです。わたしも乗ってみましたが、目的地にちゃんとたどり着くのかと降りるまでドキドキでした(笑)

ダカールから離れたところにある観光スポットも少し紹介します。どこもGarage Pikin (=Beau Marché)というバス・タクシー乗り場から行くことができます。個人的にはミニバスよりも、Sept placeと呼ばれる乗合タクシーの方が早くておすすめです。安くて可愛い宿もたくさんあるので、ぜひ探してみてください。

ラックローズ (Rac rose) : ピンク色の湖。塩分濃度は死海以上!中に入って浮くことができるが、気づくと荷物が塩だらけ。

シネサルーム地区 (Sine Saloum) : マングローブと静かな海。セレール族の人たちと仲良くなれる。ジョーガンジャル(=セレール語でありがとう)と言ったら喜ばれるかも。(写真9)

写真9: シネサルーム地区の漁村風景

•貝殻島 (Joal Fadiouth) : 発音はジョアルファドゥート。地面が全部貝殻でできた小さな島!イスラーム教徒とキリスト教徒が共存しており、島につながっている共同墓地がとても美しいです。

•サンルイ (Saint-Louis) : 世界遺産に登録されている港町。4,5月に大きなジャズイベントがあります。(写真10)

写真10: サンルイにてアフリカ地域専攻の同期集合。それぞれの留学先・インターン先から遊びに来てくれました。

以上、滞在中に訪れることができたおすすめスポットを紹介しました。特にダカールは毎週末楽しいイベントがたくさんあるので、ぜひFacebookで検索してみてください!(写真11)

写真11: インド大使館のイベントに参加した際の写真

③さいごに

いかがでしたでしょうか。滞在体験記といよりもガイドブックになってしまいましたが、楽しんでいただけたら幸いです。

アフリカ地域専攻に入学してから、アフリカの文化や社会事情を学んできましたが、やはり日本で耳にするアフリカに関するニュースをどこか他人事のように受け取っていた気がします。しかし、今回の滞在を通して、現地の人と仲良くなったり、アフリカの国々に友達が出来たことによって、今までよりも彼らの周りで起こっていることが身近に感じるようになりました。

そして、優秀な同僚と生徒に囲まれてインターンを行う中で、自分の知識量や考える力の甘さを改めて認識しました。今年度で大学は卒業しますが、これからも彼らと並んで議論ができるようにしっかりと学び続けたいです。

たったの2ヶ月、最初は短すぎるかな?と少し不安でしたが、非常に濃い経験ができたと思います。1つだけ後悔しているのは、フランス語をもっともっと極めておけば良かったということです...。

ですので、これからセネガルに行こうと考えている方は、ぜひフランス語をしっかり学んでから行ってください!また、ウォロフ語も身につければ、現地の人とより密に関われると思います。頑張ってください。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。

ジェレジェフ!(ウォロフ語で「ありがとう」)

最終更新:2019年6月10日