African Weeks 2018

~アフリカに触れる2週間~

活動報告

2018.12.3.-12.14.

はじめに

はじめまして。国際社会学部アフリカ地域専攻2年の若本隆平と申します。今回の企画「African Weeks 2018」の代表を務めさせていただきました。本企画は、アフリカ地域専攻の学生が中心となり、アフリカの魅力・奥深さを伝えるべく開催されたイベントです。本学の現代アフリカ地域研究センター、総務課広報係の厚いご協力のもと、3つの企画を行いました(2018年12月3日~14日)。

メンバーと共に企画のアイディアを練る中で、学生、特に外大生を主なターゲットとする方針に固まりました。というのも、授業の場などで自己紹介をする際に「アフリカ地域専攻です」というと、「へー、アフリカなんだー。」とやや微妙な反応を受けることが多く、会話が膨らまない状況が多々ありました。そして苦し紛れの「アフリカって何語なの?」という質問を何度も受けた記憶があります。

このように多様性に溢れたTUFSの学生でさえ、アフリカに対する明確なイメージを持ち合わせていない印象を抱いてきました。そこで、今後ますます国際社会で大きな存在感を示すであろうアフリカのことを、より知ってもらいたいという思いが膨らみ、それを基本方針として企画しました(図1)。

具体的には、1.映画「デザートフラワー」の上映。2.アフリカと世界の関係性をひも解く展示企画。3.「多様性」をテーマとしたトークイベント。という3つの企画です。それぞれの企画にどういう思いが隠されており、私たちは何を伝えたかったのか。ここからは、企画別に詳しくお伝えしていきます。

図1: AfricanWeeks2018 ロゴマーク(©津久井瞳)

企画概要

1.映画班報告

はじめまして。African Weeks2018映画班のリーダーを務めさせていただきました、国際社会学部アフリカ地域専攻2年の尾形梨宝と申します。私たちは、一年生2人、二年生5人の計7人で、昨年12月7日に映画『デザートフラワー』上映会を開催しました。本稿では上映に至るまでの道のりと、この企画に込めた想いをお話しします。

1-1. そのはじまり

この映画上映会はアフリカの魅力を発信し、より身近に感じてもらうために企画したものです。当初は、「とにかくアフリカの魅力を知ってほしい!!」という想いばかり強く、企画の趣旨は曖昧でした。そのため、どのような作品が私たちの上映会にふさわしいのか、上映によって何を伝えたいのかを考え、以下のような条件を考えました。

その1。アフリカの人によってアフリカで製作された映画であること。できる限り事実やアフリカの人の感覚に沿った作品であること。これは、よく世界史に登場するような「西欧から見たアフリカ」ではなく、アフリカの人の目線で見たアフリカを、愛着と敬意をもって上映したかったからです。また、観る人に、ファンタジーではなくリアルなアフリカに触れてほしい、という思い故でした。

その2。アフリカの活躍やポジティブな面を扱った作品であること。「アフリカ」と聞いて多くの人がイメージする貧困、紛争、植民地の歴史ではなく、「観た人の経験値に無いアフリカ」を上映し、未開で貧しく可哀そうな大陸、というステレオタイプを根底から覆したかったのです。

条件を決めた後、自分たちの趣旨に合った素敵な映画を見つけようと、映画探しをはじめました。

1-2.ながいながい映画探し

ところが、映画のサイトや予告編を片っ端から見ても、なかなか合うものは見つかりませんでした。内容も、白人がサバンナで動物を追いかける話や、歴史上の虐殺を描いた悲話が多く、アフリカ人が主人公かつ魅力的なストーリーが見つかるまでには時間がかかりました。

映画の内容に加えて、予算も問題でした。映画を上映するには上映権を買う必要があり、その相場は数十万円。しかし、私たちの予算は5万円。これは、共催のTUFS Cinemaさまからいただいた大事な貴重な予算です。しかしこの額で上映権を販売してくださる会社などあるのかは、疑わしい。それでも、配給会社にAfrican Weeksで上映させてもらえるようお願いするメールを送るしかありません。

「メールの返事が来ない、アフリカから帰って来ない。予算、値段の問題…こんな学生の企画に協力してくれる配給会社があるんだろうか?」

そんな気持ちでいっぱいで、昼も夜も映画のことばかり頭に浮かぶ日が続きました。

というのも、アフリカで作られた映画を配給している会社の本部はアフリカにあり、問い合わせのメールを送信しても一向に返事が来ないのです。結局、アフリカで製作された作品を配給してくれる会社と連絡がつくことはありませんでした。一方、日本の配給会社が取り扱うアフリカの作品は多くはありません。

そんなある日、配給会社エスパース・サロウさまからご連絡をいただきました。なんと当企画の趣旨に賛同していただき、予算以内で映画「デザートフラワー」の配給権を借用させていただくことになったのです。ながいながい映画探しに悩まされていたので、このメールを読んだときは天にも昇る嬉しさでした。こうしてながいながい映画探しは終わりをむかえました(図2)。

図2: 映画上映会のチラシ(英語版)

1-3. 当日をむかえて

その後もチラシ作りや、外大の広報係の高坂係長、講演していただく椎野若菜先生との打ち合わせを経て、なんとか当日を迎えることができました。昨年は日本語版のチラシのみだったところを、今年は英語版のチラシ(写真1、2)も作成し、学内の留学生にも宣伝しました。

上映が決まった映画「デザートフラワー」は、内容が企画の趣旨にぴったりの、とても素敵な作品でした。私は上映会を含め3回観たのですが、何度観ても強く惹かれ、この映画を選んで良かったという思いがわいてきます。この作品は、世界的トップモデル、ワリス・ディリー(Waris Dirie)のベストセラー自伝本 『砂漠の女ディリー』(1999/草思社)をワリス本人の監修のもとで映画化したものです。「今を生きるシンデレラ」と呼ばれる彼女の人生はドラマティックで、砂漠の遊牧民からモデルになるという展開は観る人に希望を与えます。

かといって単純なハッピーエンドではなく、最後にワリスはFGM(Female Genital Mutilation: 女性性器切除)という古い慣習を訴えます。FGMとは、女性器の一部を切除、切開、または縫合することで、アフリカに限らず世界の一部の地域で今なお行われています。これは日本人とは無縁の慣習で且つ存在を知らない人がほとんど。まさに経験値に無いアフリカで、観た人の心に衝撃を与えました。

このような素晴らしい作品を上映できたこと、また当日多くの人にお越しいただき、大きな反響をいただいたことは、達成感をもたらしてくれました。上映後に涙している人もおり、観客の方にはきっと何か伝わったものがあると思います。「心の声のままに、故郷から逃げて新しい生き方を求めた勇気に、素直に心打たれ、尊敬しました」「つら過ぎるほどに伝わる現状が素晴らしかった」といったコメントを頂き、上映会を企画して良かったと思えました。この上映会が少しでもアフリカを考えるきっかけになり、心に残ったなら幸いです。

さいごに。映画「デザートフラワー」をお貸しいただいた配給会社エスパース・サロウさま。TUFS Cinemaの高坂さま、講演して下さった椎野若菜先生、大石先生。この上映会を支えてくださり、誠にありがとうございました。そして映画班のみんな。外語祭や課題で忙しい中、こんな班長についてきてくれて本当にありがとう。私一人ではここまでたどり着けませんでした。このメンバーで上映会ができて、幸せでした。

2.展示班報告

African Weeks 2018展示企画代表の津久井瞳(アフリカ地域2年)と申します。展示班はアフリカ地域専攻の2年生3人、1年生3人、そして南アジア地域専攻の1年生1人の計7人で取り組みました。期間中は本学の研究講義棟1Fにおいて、現代アフリカ地域研究センターによる企画展(リンク)と同時開催で展示を行っていました。二つの企画の相乗効果で、インパクトのある展示ができたと思います。

さて、私たちの展示は以下の通りでした(図3)。

テーマ:「アフリカ×世界」(展示期間:2018.12.3-14、8,9は除く)

  • ①研究レポート...アフリカと他地域の意外なつながりの紹介や比較研究

  • ②写真クイズ...アフリカと他地域の写真を混ぜこぜにしてクイズを出題

ここでは、この企画の立案・実施に至った経緯、そして私たちの思いを書いていきたいと思います。

図3: 展示企画開催!

2-1. はじまり

展示企画はふたつの思いから生まれました。ひとつはアフリカ地域専攻2年生たちの、「今年のアフリカンウィークスは、他語科の学内生にも見てもらいたい!」という思い。昨年の企画は学外からたくさんの方々に来ていただき大成功を収めましたが、アフリカに必ずしも関心がない学内生には響かなかったのではないかという反省です。

もうひとつは同専攻1年生のフレッシュな思い。入学後に「なぜ(わざわざ)アフリカ専攻を選んだのか」と聞かれることから、それに答えられるような企画をしたいというアイデアです。どちらも日本人から「遠い」アフリカへ、同年代の学生たちを振り向かせたい、そして知ってほしい、という点で共通していました。

でも、どうしたらその目的を達成できるのか。話し合いの末まとまったのが、このふたつです。

  • ①外大生はそれぞれの専攻地域に思い入れがあるはず→それらの地域との関係性をまとめよう!

  • ②ヴィジュアルなイメージと参加型企画で興味を引き立てる→写真クイズ

こうして方向性が決定し、筆者を代表とする展示班が形成されました。夏には、「アフリカに毒されていない新鮮な目線も必要」だということで、他語科メンバーも募集。南アジア地域専攻のTさんを迎えます。

2-2. 研究レポート

春学期のテストを終え、待望の夏休みが到来したころ、それぞれの担当地域を決め調査を開始しました。割り振った結果、調査対象はヨーロッパ、ラテンアメリカ、オセアニア、東アジア、中東、東南アジアに決定(北アメリカは人数とキャパシティーの都合上断念)しました。

夏休み終盤にビデオ会議を開催。それぞれのテーマを共有し、コメントやアドバイスをし合いました。秋学期は各自レポートの作成を進めつつ、定期的にミーティングを開いて進度の確認とフォーマット決め、展示準備の打ち合わせと進んでいきます。

外大生にとって秋学期というのは目が回って倒れそうになるくらい忙しいものです。11月末の外語祭に向け、1年生は料理店の準備、2年生は語劇の練習やサークル、そして容赦ない課題とテストに立ち向かいます。そんな中、研究レポートの締め切りを外語祭終了の2日後にする鬼の決断をしました。

提出日当日はドラマです。締め切り時間に間に合わせたストイックさんも、間に合わずとも完成度の高いレポートを送ってくれた努力家も。取りまとめ役の筆者は校閲をしながら、メンバーへの感謝と尊敬の気持ちでいっぱいになったものです。

なお、レポートの大判印刷を引き受けてくださった、総務企画課の高坂係長には感謝が尽きません。ギリギリのスケジュールにも関わらず、綺麗に印刷をしてくださり、ありがとうございました。

2-3. 写真クイズ

展示班1年生のアイディアから生まれた企画です。当初はアフリカの国々と同緯度同経度にある国と地域の写真を並べて、どれがアフリカのものか当てるクイズにする計画でした。なのでまずは世界地図に線を引き、比較するラインを決定。さらに「食」や「自然」などのカテゴリーも設定したうえで、メンバーの知り合いを中心に写真を募集しました。

11月末まで粘りましたが、ここで問題が発生。集まった写真のカテゴリーがばらばらで比較が意味を成さない状況になってしまいました。しかし、緯度経度の縛りを外せば類似した写真が多いことも同時に判明します。それならいっそ、ということでコンセプトを変更し、クイズを作成しました。

最終的に「日の光」「人」「信じる」「料理」「音楽のある日常」という新しく、個性的な5つの問題が完成しました。それぞれ3つの選択肢(写真)があり、うち1つがアフリカで撮られたものになる、という構成です。撮影者による解説も付け面白いクイズになったと思います。

写真を提供してくださった、他語科の皆様、アフリカ専攻の先輩方、同期や後輩のみんな、快くお願いを引き受けてくださり、本当にありがとうございました。

2-4. 本番、そして全体をふりかえって

展示期間中には、たくさんの方が足を止めて私たちの展示を見てくださいました。講義棟の中という立地も手伝って、狙い通り他語科の学生たちにも届く内容になったと思います(図4)。隣で併催していた現代アフリカ地域研究センターの展示に置かれたコメントBOXには私たちの展示の感想も届きました。「研究レポートが役に立った」「アフリカを知る手掛かりになった」「アフリカンウィークス良い企画!」などの嬉しい反響に、展示をして良かったな、伝えられて良かったなと充足感に包まれました。これまで遠い存在だったアフリカを身近な存在になるきっかけとなっていたら、幸いです。

図4: インパクト大な展示(手前:African Weeks 2018展示、奥:現代アフリカ地域研究センター展示)

最後に、本企画を開催するにあたりたくさんのお力添えをいただきました、大石先生、現代アフリカ地域研究センターの桐越様、緑川様、展示の準備を手伝っていただき温かく見守ってくださった坂井先生に感謝申し上げます。皆様のご協力なしでは展示を成功させることは難しかったと思います。ならびに展示企画開催を許可していただき、展示用パネルを確保してくださった学生課の皆様にも心より感謝申し上げます。

そして展示班のみんな、頼りない班長についてきてくれてありがとう。鬼のようなスケジュールを一緒に乗り越えてくれてありがとう。みんなの研究レポートは私自身学べることが多かったし、集めた写真を見て世界旅行をしたかのような気分を味合わせてもらいました(笑)正直もっとこうしていたらと個人的に反省しているところはあるけれど、それでもこの企画をみんなで成功させることができて本当に良かった。同期の2人、昨年に引き続きお疲れさまでした。ベンガル語科のTちゃん、参加してくれて本当にありがとう。そして1年生のみんな、来年も頑張ってください!!

3.トークライブイベント班 報告

3-1. はじめに

アフリカンウィークス2018でトークライブイベント班の班長を務めさせていただきました、アフリカ地域専攻2年の萩原さきと申します。私たちは、2018年12月14日(金)の18:00~20:00に、アフリカンウィークスの一環としてトークライブイベントを開催しました。

テーマは、「日常に溢れる多様性~アフリカと日本~」として、話題沸騰中の人気漫画家である星野ルネさんをお招きし、お話していただきました。星野さんの他にも、現代アフリカ地域研究センター講師の大石高典先生、アフリカ地域専攻4年の河野賢太さんにも参加していただきました。今回の報告では、トークライブ企画が実現するまでの道のりと、当日の様子や、成功したこと、困難だったことなどを、振り返りたいと思います。

3-2.準備期間

  • 夏休み期間

トークライブイベントを企画するにあたって、班員のトークライブに対するイメージを議論しあうところから始めました。夏休みだったため、ビデオ通話で話し合い、大まかなイメージを決定しました。その内容は、イベントをパネルディスカッション形式にすること、また参加者との交流の時間を設けるということでした。お話していただくことは、アフリカのポジティブな面もネガティブな面も両方入れることなどの他に、班員のこだわりは様々ありましたが、徐々にまとまっていきました。夏休みの間に、どなたをスピーカーとしてお呼びするかも決めたかったのですが、スピーカー決めは秋学期以降になりました。

  • 秋学期

秋学期になると、定期的にミーティングを開いて話し合うようになりました。毎回のミーティングが始まるまでに、その日話したい内容をあらかじめ伝えることで、ミーティング時間を有効活用できるように努めました。

トークライブイベントのテーマは冒頭の通り、「日常に溢れる多様性~アフリカと日本~」に決定しました。テーマの重要な点は、アフリカに関わりがある人以外にも、アフリカに興味を持ってもらえる内容にしたいという気持ちがありました。同時に、「日々の生活で感じる多様性や、それ故に生まれる違和感。

気づかないところで誰かが何かを思っているかもしれない。」というテーマも添えて、多様性が広がる今日において、日常に溢れているちょっとした感覚に敏感に注目していきたいという思いがありました。アフリカ各国の視点で日本を、日本の視点でアフリカ各国を捉えたときの議論は、興味深いのではないかということになり、テーマが決定しました。

スピーカーの方はどなたをお呼びするか、という話し合いが始まりました。外部からお呼びしてお話してもらうのか、学内のアフリカ関係の先生方や先輩方にお話してもらうのか、そこから決めなければなりませんでした。私たちの目標のひとつは、アフリカ地域専攻以外の学生や関係者の方にも、トークライブイベントを通してアフリカを知ってもらいたい、というものでした。そのため、アフリカに限った深い議論だけでなく、専門外の方も興味を持つことのできる、広い分野でお話していただきたいと考えました。それらの考えをもとに、自分たちの持っている人脈をたどってスピーカーを探しましたが、見つけることができませんでした。

そこで、現代アフリカ地域研究センターの大石先生にご相談をしたところ、アフリカ出身の人気漫画家である、星野ルネさんをご紹介いただきました。星野ルネさんはカメルーンで生まれたのち、4歳から日本に住んでいらっしゃる漫画家さんです。2018年8月に、Twitterを通じて発信していたエッセイ漫画 『まんが アフリカ少年が日本で育った結果』(毎日新聞出版)を出版されており、様々なイベントでご講演されていました。トークライブイベントの2か月前から、打ち合わせの時間を交渉したり、何度も連絡を取らせていただいた結果、お忙しい中にもかかわらず、イベントでご登壇いただくことになりました。

また、パネルディスカッション形式で星野さんとお話していただく他のスピーカーを、長年に渡りカメルーンの研究を現地でされている大石先生と、アフリカ地域専攻4年の河野賢太さんにお願いをしました。大石先生は、カメルーンに長期間滞在し研究されていることから、星野さんとは逆の立場からお話していただけるのではないかと、班で考えました。また、河野賢太さんは一年間ルワンダに留学したことがあり、多様性の中での生活経験が豊富なスピーカーとしてお願いをしました。

テーマとスピーカーの方が決定したことにより、当日に向けて具体的な準備が進んでいきました。トークライブイベントのチラシが完成すると、SNS上やビラ配りで広報活動を開始しました(図5)。

図5: トークライブイベントのチラシ

3-3.当日

会場はアゴラグローバルのカフェスペースで行われ、ゆったりとしたアットホームな雰囲気で開催されました。カフェスペースがいっぱいになるほどの参加者の方がいらっしゃいました。アフリカンウィークス実行委員長の若本隆平くんと、私が前半後半に分かれて司会を務め、イベントが始まりました。

最初の登壇者は、星野ルネさんでした。星野さんは、ご自身の4歳までのカメルーンでのご経験や、その後の日本での生活などを中心に、そこで感じた違和感や感覚などについてお話してくださいました。次に大石先生からは、カメルーンで先生が感じたことについてのお話がありました。最後に河野賢太さんからは、ルワンダ留学中のご経験をクイズ形式を交えてお話してくださいました。

ご講演のあとは、若本隆平くんが司会をし、3人のスピーカーの方々に、質問を投げかけるという形で、ディスカッションに移りました。ここからは、参加者の方と登壇者の交流ができるようになりました。手を挙げて質問をしてもらった後、それをもとに3人の方々にディスカッションをしていただきました。自然とたくさんの質問が出てきて、最後は時間ギリギリまで手が挙がるなど、とても盛り上がりました。

星野さんの漫画にサインをいただくための長い列ができるなど、トークライブイベントは大盛況に終了しました(図6)。

図6: トークライブ会場の様子

3-4.企画を振り返って

トークライブイベントは、関わってくださった全員の方の支えがあってこそ、成功を収めることができました。ご登壇いただいた星野ルネさんには、本当にお忙しい中、貴重なお時間を割いてお越しいただきまして、大変感謝申し上げます。また、大石先生には、準備期間中、何度もミーティングに参加していただき、相談に乗っていただきました。トークライブイベント開催のために多方面にわたり協力していただきまして、本当に感謝いたします。

河野賢太さんは、急なお願いだったにもかかわらず、快くご登壇のお願いを引き受けてくださり、学生ならではの視点も交えてお話いただきました。本当にありがとうございました。また、現代アフリカ地域研究センターの緑川さん、桐越さん、広報課の高坂係長には、準備期間中に、様々な手続きやチラシの印刷などを含めて、大変お世話になりました。ありがとうございました。

最後になりましたが、トークライブイベント班のみんな、忙しい中、協力してくれてありがとう。みんなで何度もミーティングで話し合ってきたイベントが大成功に終わって、とても嬉しかったです。1年生は来年も、ぜひ頑張ってください。アフリカンウィークス2019を楽しみにしています!

終わりに

いかがだったでしょうか?本企画では「アフリカ」を魅力あふれる地域として取り上げたわけですが、ここで強調して述べておきたいことがあります。それは、私たちが必ずしも「アフリカを特別視している訳ではない」ということです。確かに、私たちは企画を通して、「アフリカにはこんなにも魅力的な伝統や文化があるんです。」とか、「アフリカにはこのような深刻な問題があって、非常に大変な状況なのです。」などといったことを伝えてきました。

しかし、私たちが企画を通して伝えたアフリカ文化の特有性や魅力、社会状況や抱える問題などは、なにもアフリカだけに存在することではありません。世界中を見渡してみると、アフリカのように素敵な伝統音楽を継承する人々がいたり、何度も紛争が繰り返される地域があったりと、かならずそこには共通するものがありますし、相互に学ぶべきことが存在します。アフリカはその一部にすぎないのです。このことを是非心にとめておきたいものです。

また、情報を発信する側として、私たちも多くのことを学びました。展示企画の節でもお伝えしましたが、「そもそも、なんでアフリカなのか。」「私たちがアフリカを学ぶ意義はどこにあるのか。」など、今後の学びを考える良いヒントを得ることができました。より広い視野をもってアフリカを理解することに努めたいと思います。最後になりましたが、本企画にご協力頂いた現代アフリカ地域研究センター、総務課広報係さまに、改めて感謝申し上げます。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 (文責:若本)

最終更新: 2019年2月21日