(論文)Das N-EDOs Klavier(n平均律の楽曲集)

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筆者が作曲した、n平均律による楽曲集、『Das N -EDOs Klavier』について紹介する。この楽曲集は、6平均律と12平均律を除いた5から24平均律の調律で作曲されている。

詳細は本ページに添付しているpdfファイルを参照していただきたい。概要の把握はレジュメをお読みいただき、楽譜の読み方に関しては、論文の3.8.2項と5章をお読みいただきたい。

本研究者が大学時代学士を頂戴した研究テーマであり、本webサイトのほぼすべての情報が、この曲集を作るために得た知識である。

『Das N -EDOs Klavier』の楽曲集、youtube:https://www.youtube.com/watch?v=SbM8yPlk_xA

『Das N -EDOs Klavier』のダウンロードページ:https://drive.google.com/folderview?id=0B_AdNtAYeCisbkZKM2ZyS0pfM1k&usp=sharing

【Abstract】

n平均律の音楽に、確固たる音楽理論は存在しない。ゆえに音楽理論を作成する試みの一つとして、特定の音楽理論で書かれた曲集を作成した。非12音n平均律の響き(12平均律から離れた響き)をいかに探求できるか、という自身の美学により音楽理論は確定されている。人々がn平均律の音楽を聴く時、各平均律の響きを把握しているかいないかによって音楽の受け取り方が変わる、ということが考えた場合、n平均律の作曲家がまず行うべきは、n平均律の響きを聴者に把握させるための音楽を作成することだという考えにもとづいて、この美学が決定された。本楽曲集を構成している音楽理論は、あらゆるnで応用することが可能であり、なおかつさまざまな平均律を1種類の楽譜で表すことができる。楽譜は絶対音高により記譜されておらず、相対的な記譜であり、n平均律の表記に特化したものといえる。これは、各平均律ごとで使用する音程が、音楽理論の原則に基づくと異なるためである。非12音n平均律の響きは12平均律の響きから20セント以上離れたものとし、ある特定の音高から20セント以上離れた音程を中心に、作曲が行われている。それゆえ、楽譜には特定の音高は1つも記譜されておらず、記譜されているのは主に音程である。また、楽曲形式は聴者がn平均律の響きを注意深く聴けるものとするため、フレーズとフレーズの間に「間」を挿入する楽曲形式とした。ただし、聴者に飽きがこないよう、フレーズはさまざまに変奏され、「間」は音楽的発展とともに短い音価の音で埋めるものとした。

5平均律7平均律8平均律9平均律10平均律11平均律12平均律