ET (Equal Temperament)

多くの場合、Equal TemperamentはEDOの意味で使用され、平均律と訳しても問題がない場合が多い。

しかし、厳密には日本語の平均律よりは幅広い概念をもつ。このため、意図的にEDOと使い分ける場合もある。

たった1つのGenerating Intervalを積み重ね形成される調律であり、Rank 1 Temperamentである。つまり、必ずしもPeriodがオクターブとは限らない。

EDOとETは別のものであり、少なくともコンセプトは異なる。EDOは正確に1200セントの2倍音程をある数で均等に分割する。一方ETは、あなたがEDOを取ったうえで、音程値がJIの近似値であると宣言したうえで成り立つものである。従って、単なる均等分割の上に新たな層を設けるものである[『EDO vs ET』, Xenharmonic wiki, https://en.xen.wiki/w/EDO_vs_ET(最終確認日:2018年10月6日).]。なぜJIの近似なのか。それはTemperamentTemperされ、JIへ整律させた調律だからといえるだろう。

たとえば9/8 ETという概念がある。Xenharmonic AllianceによればこのETは音程値203.91セントで構成され、2446.92セントで終わる(2446.92セントがPeriodとなる)音律である[『9/8 equal temperament』, Xenharmonic wiki, https://en.xen.wiki/w/9/8ths_equal_temperament(最終確認日:2018年10月8日).]。これより、ETそのものにオクターブに関する概念はないことがわかる。ETの呼び方はさまざまであり、同じくXenharmonic AllianceのEqual[『Equal』, Xenharmonic wiki, https://en.xen.wiki/w/Equal-step_Tuning(最終確認日:2018年10月6日).]では、音程値をセントで示す88 cent ETといった呼び方、音程値を分割数で示す13 equal tones per octaveといった呼び方を例示している。筆者は88 cent ETは88セントというGenerating Intervalの積み重ねで成る調律のことを、13 equal tones per octaveは1オクターブを13に均等分割するが、純正音程に近づけるという目的をもっている調律のこと、または純正音程に近いと宣言された調律と判断する。

参考:Wikipedia Equal Temperament:https://en.m.wikipedia.org/wiki/Equal_temperament