16EDO(16平均律)

筆者が翻訳したXenharmonic wikiの16平均律のページも参照のこと

https://en.xen.wiki/w/16%E5%B9%B3%E5%9D%87%E5%BE%8B

16平均律の特徴は以下のようになる。12平均律を3つのディミニッシュセブンスとみなすならば、16平均律は4つのディミニッシュセブンス(セント値は12平均律と変わらない)で成り立つ。コードの1つである14:16:19・((0, 3, 4))//16stepは協和するが、より協和するオープンボイシングはおそらく7:16:19・((0, 13, 14))//16である。12平均律でもなく24平均律の響きでもない16平均律としての協和音程は、((3))//16と((13))//16である。

Easley Blackwoodは16平均律について、次のように述べている。

16平均律の短3度は((4))//16であり、((1))//4 = 300セントとすることができる。短3度を再度不均等に分割するなら、((1))//16と((3))/16、またはその逆の組み合わせになるだろう。我らは((1))//16が75セントであり、((3))//16が225セントであることを理解する。この後者の音程は長2度としては大きく、けれども認識できなくはない。我らはしたがって、16音のオクタトニックスケールのポジションを((0, 1, 4, 5, 8, 9, 12, 13, 16))とする。加えて、我らは同じモードのトランスポジションにより、1, 2, 3のポジションで始めること事ができる。しかしながら4のポジションからモードを開始することは、同様のモードを生み出す。それゆえ16音チューニングは4つの異なったオクタトニックモードを持ち、12音チューニングの中で3つの対抗とみなせる。

BlackwoodはDiatonic Scaleについて言及している。それゆえ、Diatonic ScaleやModeといった12音と関連した考え方を多く述べている。300セントの組み合わせ、つまり12音と同じDiminish Codeが発生し、かつ4つのModeが発生するとしている。

また、次のようにも述べている。

16音:このチューニングは、4つの音からなるディミニッシュセブンスのコンビネーションとみなすのが最もよいと考えられる。なぜなら12平均律の音とは、3つのディミニッシュセブンスのコンビネーションと見なすことができるので、2つのチューニングに要素が共通にあることは明らかなためである。

ここでもディミニッシュセブンスが発生することを述べている。一方で興味深いのは、12平均律を3つのディミニッシュセブンスとみなすならば、16平均律は4つのディミニッシュセブンスで成り立つとしていることである。

Xenharmonic Allianceでは、次のようなことを述べている。3/2には全く近くないため、3和音の響きは3度重ねを基本的に使用しない。しかし3和音の響きは3度というよりむしろ7度にある。3/2ではなく十分に近い7/4をしたうえで、セブンスを重ねるのである。16平均律は2つの長7度をもつ。((13))//16の、周波数比7/4に近い、6.174セントシャープされたハーモニックセブンスと、11リミットの11/6または中立7度である。14:16:19・((0, 3, 4))//16は協和するが、おそらくより協和するオープンボイシングは7:16:19・((0, 13, 14))//16だろう。その場合、0-975-1050のハード(hard)と呼ばれるもの、0-1050-975のソフト(soft)と呼ばれるもの、そして対照的な0-975-975と0-1050-1050にコードの可能性がある。それらの特徴はメタリックトライアド(Metallic triads)と名付けられた金属的な音がすることである[『16EDO』, Xenharmonic wiki, https://en.xen.wiki/w/16edo(最終確認日:2015年9月22日).]。

また、16平均律をもとにし、純正音程目的音律などを派生させた「Armodue」が存在する。[『Armodue』, armodue.com, http://www.armodue.com/risorse.htm(最終確認日:2015年9月22日).]

この表を見ると、純正音程に近い音程は((3))//16・8/7と((6))//16・13/10、((13))//16・7/4、((14))//16・11/6であることが読み取れる。この中で12平均律の響きでもなく24平均律・4分音の響きでもない16平均律としての特徴的な音程は、((3))//16と((13))//16である。12と24の響きから離れた響きを求める場合、この2つの音程は重要な協和音であると考えられる。

なお、16平均律は日本人の16トンという方によっても、ある程度記されている。

16(+1)音音楽の研究、あるいは新平均律のこころみ:http://www25.tok2.com/home2/atsushi1007ogata/#top