Microtonal(微分音的な・マイクロトーナル)・Microtonal Music(微分音音楽・マイクロトーナルミュージック)

Microtonal(微分音的な)は形容詞、Microtonality(微分音的)は名詞。ゆえにMicrotonal musicという言い方をする。

日本では微分音(Microtone)を使用した音楽を微分音音楽と呼び、またしばしばマイクロトーナルミュージックとも呼ぶ。

微分音(Microtone)とは何か。細かいことを抜きにするならば、ピアノでは弾けない音、ドとド♯の間の音と言えばよいのではないか。

しかし厳密に説明しようとするならば、非常に繊細な話となる。なぜならば、何centずれれば違う音と聞き取れるか、など周波数弁別閾のような難しい話になるからである。そのため、Untwelveの、「What is microtonal music」というページの話を引用しようと思う。この文章は、Margo Schulter(Xenharmonic wikiの外部リンク)の文章を参考に、書いている。

(1) ‟小さな”音程としてのMicrotonality

Microtonalityという言葉の最も明らかな定義は、ギリシャ語のMicroが‟小さい”という意味であることより、最も知られている伝統的な、西洋の一般的な全音や半音より小さい音程を使用することである。しかしそれぞれの音程は、たくさんの世界の音楽の慣例のために使われる。

(2) “普通でない”音程またはチューニングとしてのMicrotonality

2つ目の定義は、1つ目の定義を拡大したものである。Microtonalityという言葉は、多くの場合20世紀から21世紀に与えられた文化的なセッティングから‟異なった”、または‟普通と違う”とみなされるチューニングシステム、またはいくつかの音程を意味するときに使われる。たとえば、オクターブを12個のsemitoneに均等分割する(12-tone equal temperamentまたは12-tET)調律以外のキーボードまたはギターのチューニングである。作曲家であるIvor DarregXenharmonicsにおけるコンセプトは、ラテン系の詩人、Terenceの信念として述べられているフレーズである。‟イントネーションの無いものは私にとって違和感がある”というそのフレーズは、‟microtonal”の言い換えのように思える。

(3) 音楽的連続性または音楽的局面としてのMicrotonality

3番目の定義は、Microtonalityとは単純に、全ての音楽のさまざまな局面や連続性における、音程やチューニングシステムを通した変化である。それはつまり、100cent単位といった離散的変化ではなく、もっと細かい音高の連続的変化を意味する。

この文章から、Microtonality・微分音という言葉について3つ定義する。1つ目は、伝統的西ヨーロッパの音律の全音や半音より小さい音程という意味である。2つ目は、ある文化圏において飛び抜けて異なっている音程やチューニングの音のことである。3つ目は、全ての音楽のさまざまな局面や連続性における、100cent単位といった離散的変化ではなく、もっと細かい音高の連続的変化である。

歴史的な4分音や6分音の発展に関しては、「Historical Dictionary of Modern and Contemporary Classical Music」にまとめられている。

Microtonalityはequal temperamentの半音より小さい音程使用するものである。Ferruccio Busoniは1907年の「Sketch of a New Esthetic of Music」で、6分音を提案した。しかし、より一般的なアプローチとしては、4分音を用いたものである。4分音は19世紀の西洋作曲では珍しかったけれども、1980年後半ごろ、この代替チューニングシステムはイングランドのJohn Foulds、メキシコのJulian Carrilloによって真剣に調査された。1910年代、1920年代にAlois Hába、Hans Barth、Ivan Wyschnegradskyの初期の微分音作品が聴かれた。Georgi Mikhailovich Rimsky-Korsakovが建設した1923年ペトログラードの4分音音楽協会において、Habaやその他の作曲家は自身の作品を、1925年から1932年に微分音コンサートの指揮をした。その目的はmicrotonal tuningを演奏し、聴き、またたくさんの作曲家に新しい楽器のデザインや作成を促すものであった。1928年、ドイツの電子音楽の先駆者、Jorg Magerは自身のモノフォニックキーボードであるSphaerophonを作成し、4分音を演奏した。同年、フランスの音楽家Maurice Martenotは彼のモノフォニック電子楽器、ondes martenotを紹介し、4分音や6分音を含んだパフォーマンスを行った[Gagne, Nicole., 2011, Historical Dictionary of Modern and Contemporary Classical Music, Scarecrow Press.]。

(Google Books:https://books.google.co.jp/books?id=ppHoEX_6v10C&pg=PA174&lpg=PA174&dq=Darius+Milhaud+quarter+tone&source=bl&ots=EeK8PROvMT&sig=yyP0_3JO67jVJrObg6oKybXEahk&hl=ja&sa=X&redir_esc=y#v=onepage&q=Darius%20Milhaud%20quarter%20tone&f=false

(1) MICROTONALITY AS THE USE OF "SMALL" INTERVALS. In the most obvious definition, microtonality (from Greek micro, "small") is the use of intervals smaller than the usual whole-tones and semitones of the best-known Western European compositional traditions, although the use of such intervals is a routine feature of many world musics.

(2) MICROTONALITY AS THE USE OF "UNUSUAL" INTERVALS OR TUNINGS. In a second and related definition broadening the first, microtonality is the use of any interval or tuning system deemed "unusual" or "different" in a given cultural setting -- in many 20th-21st century settings, for example, just about any tuning for keyboard or guitar other than a division of the octave into 12 equal semitones (12-tone equal temperament, or 12-tET). The composer Ivor Darreg's concept of xenharmonics, which it is tempting to describe in a paraphrase of the Latin poet Terence as the conviction that "nothing intonational is alien to me," seems synonymous with this sense of "microtonal."

(3) MICROTONALITY AS A MUSICAL CONTINUUM OR DIMENSION. In a third definition, microtonality is simply the dimension or continuum of variation among intervals and tuning systems, embracing all musics[『What is microtonal music?』, un-twelve, http://untwelve.org/what(最終確認日:2015年9月22日).].