13EDO(13平均律)

筆者が翻訳したXenharmonic wikiの13平均律のページも参照のこと

https://en.xen.wiki/w/13%E5%B9%B3%E5%9D%87%E5%BE%8B

13平均律は3度音程の積み重ねの響きではなく、それとは異なったアプローチによって協和音を作り出すことができる。なぜなら13平均律はオクターブのミドルトーンが最も不協和になるからである。

しかしペンタトニックの考え方は可能である。4:5:9:11:13に近い((0, 4, 15, 19, 22))//13というコードは納得できる。4:5:9コード・((0, 4, 15))//13はそれゆえ基本的な13平均律のトライアドであると考えることができる。一方テトラは4:5:9:11テトラ・((0, 4, 15, 19))//13と、4:5:9:13テトラ・((0, 4, 15, 22))である。ただし、12平均律類の3度重ねのシステムとは異なり、1オクターブ内におさめると協和音程とするのが難しい響きがする。また、トリターブを基準とし13分割するシステム、Bohlen-Pierce Scaleが存在する。

13平均律について、Easley Blackwoodは次のようにのべている。

13音:すべての中で最も奇妙なチューニングである。なぜなら長3和音や短3和音のような響きの3音のコンビネーションがなくとても不協和だからである。

けれどもこのチューニングでさえ、最上の「Subminor」と称される奇妙なモードを含んでいる。

Xenharmonic Allianceでは、次のように述べられている。13平均律で発生するセント値は、600セントに近い値が発生しない。それゆえ、12平均律から連想されるメロディーとは異なった印象を発生させる。21リミットのテンペラメントとするならば、11倍音と21倍音に非常に近似し、5・9・13・17・19倍音にもそれなりに近似する一方、3・5・7・15倍音には近似しない。3倍音に近似しないため、13平均律は慣習的な音楽に適していないことを示す。一方で11・13・21の周波数とは良い近似のため、非常にXenharmonicチューニングを生み出す。Blackwoodは13平均律が不協和となると述べているが、12平均律やピタゴラス、ミーントーンなどをベースにしたチューニングの使い方とは徹底的に異なったアプローチをすることで協和音を作ることができるとしている。13平均律の最も強い不協和は、オクターブのミドルトーン、つまり音程が((6))//13・((7))//13・((8))//13に近いときであるため、3度の積み重ねといった考え方ができないのである。代わりに、全音の積み重ね、または全音と短3度のミックスの積み重ねで、しばしば良い結果が生み出される。4:5:9:11:13に近い((0, 4, 15, 19, 22))//13というコードは納得できる。4:5:9コードはそれゆえ基本的な13平均律のトライアドであると考えることができる。一方テトラは4:5:9:11テトラと、4:5:9:13テトラが基本であるとしている[『13EDO』, Xenharmonic wiki, http://en.xen.wiki/w/13edo(最終確認日:2018年10月6日).]。

この表では、Xenharmonic Allianceが述べている4:5:9:11:13という周波数比は、5/4・9/5・13/11・11/8・13/9・8/5・13/8の近似が発生する。それゆえ、たしかに基盤のコードとして考えるのはよいと考えられる。しかしながら9/4(1403.910c)・9/8(203.910c)という響きに近くないため、トライアドがどれほど良いものか、数字的には疑わしい。だが実際に4:5:9に近い((0, 4, 15))//13を耳で聞くと、1オクターブ以上離れているため悪い響きはしない。しかしオクターブを下げてしまい、((0, 2, 4))とすると少々協和音程と呼ぶのは難しい響きがする。ここが3度の重ねというシステムから離れる難しさの1つとなるだろう。

split-notesは0-185-462と0-276-462のセント値を組み合わせることで、うなりがないとは言えないが、0-185-462-646-923または0-277-462-738-923というペンタトニックが生成されるとしている[『Transcendissonance by City of the Asleep: notes』, split-notes, http://ia800503.us.archive.org/19/items/Transcendissonance/TranscendissonanceNotes.pdf(最終確認日:2015年9月22日).]。また次のように興味深いことも述べている。

長音階をTTsTTTsと表すならば、1音を加え13平均律はTTsTTsTsで表せる。そしてこれにより予期せぬ響きではあるけど許容できる響きになる。しかし加えられた半音が狂わせる。3度の積み重ねは難しい。

彼らもXenharmonic Alliance同様、3度の積み重ねは難しいとしている。