Diatonic Scale(ダイアトニック・スケール)
1980年以降、微分音の世界におけるDiatonic Scaleの考え方は多様化している。
Easley BlackwoodのDaitonic
Easley Blackwoodは、ある音高を、周波数比が3/2となるように7つ積み重ねたうえで、オクターブに収まるよう再配列され積み重ねられたとき、Diatonic Scaleと呼ぶとしている。しかしながら、より発展した考え方も述べている。
Half Stepが歴史的に長2度の半分であったことはほぼないことを指摘したうえで、半分以外の場合を検討している。例として、全全半全全全半という形が2212221という形として表せるならば、3313331は17平均律に、そして3323332ならば19平均律が生成されるとしている。このような形を、ダイアトニックスケールとしているのである。具体的には、次のようにパラメーターを整理したうえで、
Log 2=a
Log 3=a+v
Log 5 =2a +t
a=octave
t=major third
v=perfect fifth
w=2v-a (major second)
h=3a-5v (minor second)
3w=6v-3a
h=3a-5v
3w+h=v
このw/hによって、これまでのことから次のようにDiatonic Equal Tuningが生成されるとしている。w/h=2(全音がちょうど半音の2倍)の時Number of Notesが12、3/2の時19、3の時17、4の時22である。つまり彼のDiatonic Scaleという考え方は、長2度が短2度の何倍に当たるのか、そして仮にx倍ならどのような形の音階になるのか、という概念にもとづいている。
[Blackwood, 1985, p.15, p.204]
[Blackwood, 1985, p.272, p.270]
[Blackwood, 1985, pp.27-275]
Blackwood, Easley., 1985, The Structure of Recognizable Diatonic Tunings, Princeton University Press.
MOSのDiatonic
5L2sのMOSを、しばしばDiatonicと呼ぶ。一例としては、LLsLLLs、2212221(全全半全全全半)の構造である。
なお、当然Lは2、sが1とは決まっているわけではないので、Lを4、sを3とするなら26 Diatonic Equal Tuning、事実上の26平均律が生成される。
5-limit-diatonic-octaves.txt:Chadwick Dahlquist
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