Otonality(オトーナリティ)

Harry Partchによって提唱された概念。UtonalityとOtonalityは必ず3和音である。またOtonal chord・Otonalityはx/k、y/k、z/kで表わせ、Utonal chord・Utonalityはk/x、k/y、k/zで表されるコードである。日本語にするならば、それぞれ上倍音による3和音、下倍音による3和音となるのではないだろうか。

Otonalityは、周波数で表された、またそれぞれの音が固定化され関係性を表した、分母が等しいピッチのコレクションである。例えば、1/1と5/4、そして3/2(純正長3和音)は、Otonalityである。なぜなら、それらは4/4、5/4、6/4と表されるからである。各Otonalityはしたがって、Harmonic Series(1:2:3:4:5:6:7:8:9:10....によって表されるもの)のメンバーによって構成されている。同様に、Utonalityの周波数比は同じ分子により分けられる。7/4、7/5、7/6、そして1/1(7/7)はUtonalityを形作る。各Utonalityはそれゆえ、Subhamonic Seriesにより構成される。

純正コードを与えるとき、どのようにしてわれわれはOtonalな純正コードかUtonalな純正コードかを判断するのだろうか。これは前者のOtonalな純正コードであると判断されると思われるが、しかし実際はとても微妙なものである。たとえば、10:12:15という純正コードは、5リミットのUtonality(Utonalの名詞形)、1/6:1/5:1/4である。しかしまた、10,12,15倍音による15リミットのOtonalityとも受け取れる。1つの打倒的な定義は、もし最大の奇数が、そのInverse(下の音程と上の音程が逆の和音、または逆数の和音)の最大の奇数より小さい場合、それはOtonalであり、そしてそのInverseが最も大きい奇数より小さいならば、Utonalである。つまり4:5:6(長3和音)はOtonalである。なぜならばそのInverse(短3和音)である10:12:15よりも単純であるからである。そしてまた、10:12:15はUtonalである。なぜならそれは1/6:1/5:1/4より単純に表されるからである。

補足をすると、次のようにも考えられる。4:5:6というInverseは1/6:1/5:1/4であり、10:12:15と同義である。4:5:6の最大の奇数は5であり、Inverseの最大奇数は15である。このとき5のほうが15より小さいので、4:5:6がOtonalであり、10:12:15がUtonalであると。