Mode(モード・旋法)

微分音においてこの概念は明確なものではない。けれども大体の場合は次の意味である。

ある調律において、periodまでの音数が15音だったとする。そこから(0, 5, 7, 10, 13, (15))(それぞれの数はピッチを示す、(15)は0と同義)という5音の音階を生成したとする。その時、5step目を一番下にトランスポーズすると、(5, 12, 15, 18, (20))という音高構成になる。このように、ある音階において、音階の構成音のx番目から始めるように移動した音階のことを、Modeと呼ぶ。

このModeの考え方は、いわゆる教会旋法と同じである。

教会旋法は下記のように考えられる。

1. Pythagorean Tuning(ピタゴラス音階)で出現した7音、FCGDAEGを低い音順にCDEFGABと並べたとする。

2. CDEFGABをCイオニアンと呼ぶ

3. 次にDを一番下にトランスポーズするとDEFGABCとなり、これをDドリアンと呼ぶ

4. Eを一番下にトランスポーズするとEFGABCDとなり、これをEフリジアンと呼ぶ

5. Fを一番下にトランスポーズするとFGABCDEとなり、これをFリディアンと呼ぶ

6. Gを一番下にトランスポーズするとGABCDEFとなり、これをGミクソリディアンと呼ぶ

7. Aを一番下にトランスポーズするとABCDEFGとなり、これをAエオリアンと呼ぶ

8. Bを一番下にトランスポーズするとBCDEFGAとなり、これをBロクリアンと呼ぶ

各旋法の名は古代ギリシャのち名に由来しているが、地名との間に直接の関係はないらしい。グレゴリオ聖歌にはドリアンを用いたものが多かった。

しかし、西洋音楽におけるハーモニーの比重が増すに従って、3和音がきれいなイオニアンとエオリアンが生き残る結果となった。

(小方厚, 2018, 『音律と音階の科学―ドレミ・・・はどのようにして生まれたかー新装版』, 講談社., p61)

なお、Scaleの各Modeは、突然変異によって他の2つのモードに関連付けられ、さらに回転によって他のモードに関連付けられるらしい。

これをプログラミングで再現した記事が下記である。

The Exciting Universe Of Music Theory, Mutant Modes, https://ianring.com/musictheory/mutantmodes/