14EDO(14平均律)

筆者が翻訳したXenharmonic wikiの14平均律のページも参照のこと

https://en.xen.wiki/w/14%E5%B9%B3%E5%9D%87%E5%BE%8B

14平均律は2つの7平均律の積み重ねと考えることができるため、「C, D, E, F, G, A, B」の7つに何らかの臨時記号を付けるだけで容易に記譜をすることが可能である。純正音程に近い響きはほとんどなく、一般的に不協和の響きとみなされる。しかし((0, 3, 8))//14stepや((0, 5, 8))//14といったコードの響きは大きく異なり、カラフルな響きのコード進行を可能とする。

14平均律について、Blackwoodは次のように述べている。

14音:この非常に不協和のチューニングは、とても高度に対照的な旋法的配置を2つ提供する。1つはメジャースケールおよびマイナースケールの区別がない、全音階のように聴こえる7平均をオクターブにした区分である。他方は2つの違った減7和音のコンビネーションである。

彼の述べている1つ目の旋法とは、おそらく2ステップ・((2))//14ごとに音を抜き出した音階のことだと思われる。

Xenharmoni Allianceの内容をまとめると14平均律の特徴は次のようにまとめられる。小さい数のリミットとしては優れておらず、逆に3種の3度と3種の6度に加え4度と5度と認識できる響きをもつため、3和音以外の響きの探求に優れている。ただし、5:7:9:11:17:19に関しては優れている。Ivor Daaregは2つの7平均律が積み重なったものだとし、7平均律の響きを「C, D, E, F, G, A, B」、そして14平均律が作るもう1つの7平均律の響きを「F*, C*, G*, D*, A*, E*, B*」のように、記譜することを提案している。なお、必ずしも*である必要はないとしている[『14EDO』, Xenharmonic wiki, http://en.xen.wiki/w/14edo(最終確認日:2018年10月6日).]。

この音程表を見ると、純正音程に5セント以内で近似するものはなく、全体的に純正音程からはずれた響きになることがわかる。事実、split-notesは「171 cents is between 11/10 and 10/9, 257 cents is between 8/7 and 7/6, 343 is between 5/4 and 6/5, 429 is between 5/4 and 9/7, 771 is between 14/9 and 11/7, 857 is between 8/5 and 5/3, 943 is between 12/7 and 7/4, and 1029 is between 9/5 and 11/6」[『Transcendissonance by City of the Asleep: notes』, split-notes, http://ia800503.us.archive.org/19/items/Transcendissonance/

TranscendissonanceNotes.pdf(最終確認日:2015年9月22日).]と述べており、いかに協和音程を取らないかがわかる。

split-notesは、Mode Ⅰという音階をローテーションさせた9つのモードを検討している[『Transcendissonance by City of the Asleep: notes』, split-notes, http://ia800503.us.archive.org/19/items/Transcendissonance/TranscendissonanceNotes.pdf(最終確認日:2015年9月22日).]。

「1-3-6・((0, 3, 8))//14をサブマイナートライアド、1-4-6・((0, 5, 8))//14をサブマイナートライアド(ニュートラルトライアド)とすると、この2つは全く異なった響きがするため、カラフルなハーモニーのコード進行を作れるだろう」とも述べている。

また、William Lynchは7平均律と14平均律の独自音楽理論を提唱している。