24EDO・Quartertone(24平均律・四分音・4分音)

なぜかあまり4分音という書き方をせず四分音という書き方をする気がする(筆者の経験則)。

とても有名な微分音調律の一つで、楽曲が多く存在する。

https://sites.google.com/site/microtonalmemo/introduce-musics#TOC-4-

筆者が翻訳したXenharmonic wikiの24平均律のページも参照のこと

https://en.xen.wiki/w/24%E5%B9%B3%E5%9D%87%E5%BE%8B

24平均律の特徴とは、次のようにまとめられるだろう。24平均律で生成される50セント単位の音程では、5リミットの音程は発生せず、むしろ単純な周波数の間の響きが発生するため、単純な周波数比を協和音程とするならば、協和音を作ることは不可能である。四分音の探求はJulián CarrilloとJulian Carrilloによって本格的に始められ、次第にAlois Hába、Hans Barth、Ivan Wyschnegradskyらによっても探求されることになった。しかし、概念そのものは新しいものではなく、紀元前400年ごろのギリシア音楽にも存在する。

四分音の楽曲分析は、Myles Skinnerによって学術的に行われている。オンライン上で探せる最もリーズナブルな情報だろう。

Blackwood, Hába, Ives, Wyschnegradskyの楽曲分析が行われている。

Toward a Quarter-Tone Syntax: Selected Analyses of Works by Blackwood, Hába, Ives, and Wyschnegradsky:http://www.tierceron.com/diss/index.php(最終確認日:2016年7月2日)

なお、上記のデータはマイクロフィルムでも保管されている。以下のリンクはGoogle Booksで見れるものである。

Google Books:https://books.google.co.jp/books?id=XT81hD4BGkMC&printsec=frontcover&hl=ja#v=onepage&q&f=false(最終確認日:2016年7月2日)

四分音と呼ばれるこの響きで特徴的な、50セント単位で生まれる近似純正音程は、12/11・11/9・13/10・11/8・16/11・11/6のみであり、分子も分母も一桁で表される単純な純正音程は存在しない。それゆえ、4分音の特徴的な響きを使用して、単純な周波数比を協和音程とするならば、協和音を作ることは不可能なのである。

最近記譜法がドイツ音名が定義された、という話もあるが、続報がないので話半分で記録しておく。

四分音にドイツ音名が定義される、ライプツィヒ発:http://b4t.jp/1070

Xenharmonic Allianceは、本研究者同様、24平均律は12平均律から新しい5リミットの音程を提示しないとしている。0-4-8-11-14(9:8と11:8のメジャーコード)、反行形は0-3-6-10-14(マイナー)・0-7-14(中立)・0-5-10(4度を2つに分ける)という3つのコードが良い響きだとし、0-5-10と0-7-14はペンタトニックスケールに拡大できるともしている。

split-notesは次のように述べており、24平均律は純正音程の間にある響きだとしている。

>私はこの音階を、正確に2つの純正音程を2等分することができるたくさんの音程をもつことを提案する。50セントはほぼ正確に、2つのハーモニーエントロピーと根音の重大な粗さを結びつける、世界的に最も大きなものである。250セントはほぼ正確に7/6と8/7の中間であり、300セントは7/6と6/5の間に近く、350セントはほぼ正確に6/5と5/4の間であり、550セントはほぼ正確に4/3と7/5の間であり、600セントは正確に7/5と10/7の間であり、900セントは5/3と12/7、950は12/7と7/4、1150セントは50セントの次に、最も世界的に大きいハーモニーエントロピーである。

split-notesは24平均律の音程は純正音程の間にある響きが生み出せるとしている。

24平均律、4分音は最も検討されている微分音であろう。Nicole V. Gagneは次のように述べている。

>Microtonalityequal temperamentの半音より小さい音程使用するものである。Ferruccio Busoniは1907年の「Sketch of a New Esthetic of Music」で、6分音を提案した。しかし、より一般的なアプローチとしては、4分音を用いたものである。4分音は19世紀の西洋作曲では珍しかったけれども、1980年後半ごろ、この代替チューニングシステムはイングランドのJohn Foulds、メキシコのJulian Carrilloによって真剣に調査された。1910年代、1920年代にAlois Hába、Hans Barth、Ivan Wyschnegradskyの初期の微分音作品が聴かれた。Georgi Mikhailovich Rimsky-Korsakovが建設した1923年ペトログラードの4分音音楽協会において、Habaやその他の作曲家は自身の作品を、1925年から1932年に微分音コンサートの指揮をした。その目的はmicrotonal tuningを演奏し、聴き、またたくさんの作曲家に新しい楽器のデザインや作成を促すものであった。1928年、ドイツの電子音楽の先駆者、Jorg Magerは自身のモノフォニックキーボードであるSphaerophonを作成し、4分音を演奏した。同年、フランスの音楽家Maurice Martenotは彼のモノフォニック電子楽器、ondes martenotを紹介し、4分音や6分音を含んだパフォーマンスを行った[Gagne, 2011, p.174]。

>4分音は1980年後半からイングランドのJohn Foulds、メキシコのJulian Carrilloによって本格的に検討され始められたと述べられている。そしてその後1910年代、1920年代にAlois Hába、Hans Barth、Ivan Wyschnegradskyによって検討されたとしている。彼らの微分音楽曲は、Franck Jedrzejewskiによってまとめられ、IRCAMに保管されている[『DISCOGRAPHIE DES MUSIQUES MICROTONALES INHARMONIQUES ET NON-TEMPÉRÉES』, Jedrzejewski, Franck., http://repmus.ircam.fr/_media/mamux/saisons/saison03-2003-2004/jedrzejewski-disco-2003-11-08.pdf(最終確認日:2015年9月22日).]。4分音のみまとめられたものはWikipediaでまとめられている[『List of quarter tone pieces』, Wikipedia, http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_quarter_tone_pieces.]。

>4分音は過去60年ほどの間に、いろいろな試みがされている。この概念は新しいものでは無く、紀元前400年ごろのギリシア音楽にも含まれている響きである。インドやアラビアの微分音程にも、4分音は必ず現れる[浅香, 1966, p.464]。4分音の臨時記号は、Franck Jedrzejewskiによってまとめられている[Jedrzejewski, 2003, pp.17-179]。

Gagne, Nicole., 2011, Historical Dictionary of Modern and Contemporary Classical Music, Scarecrow Press.

Jedrzejewski, Franck., 2003, 『Dictionnaire des musiques microtonales』, L'Harmattan. ※2014年度版もある