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「記憶」の創生 〈物語〉1971−2011

発行:2012年3月31日

編者:物語研究会

編集委員:阿部好臣・安藤徹・上原作和・河添房江・神田龍身・小嶋菜温子・鈴木泰恵・高木信・高橋亨・東原伸明・藤井貞和・松岡智之・三田村雅子

発行所:翰林書房

定価:10780円


まえがき


物語研究会四〇周年記念シンポジウム「物語学の現在」

司会:鈴木泰恵

コメンテーター:三田村雅子

東原伸明「「童」の性は男か女か?初期散文叙述の特性検証―『土佐日記』から『源氏物語』叙述への補助線」

千野裕子「物語における「物語」―『狭衣物語』の方法」

高木信「インターテクスチュアリティのなかの〈重衡物語〉、あるいは混線する対話」


今 読みかえる

詩学―物語と和歌

近藤さやか「『伊勢物語』第四十五段「蛍」」

井野葉子「「あは雪」の風景」

語り論

長谷川政春「〈語り〉の内包化と外延化―『源氏物語』続編の方法」

松岡智之「「語り」論をいま考える」

引用―インターテクスチュアリティ・話型・中世

勝亦志織「引用される〈女二の宮〉―『うつほ物語』から『いはでしのぶ』の一品宮へ」

ローレン・ウォーラー「神話テキストの機能と間テクスト性の構成―異類婚姻譚の「話型」を中心に」

視点

西山登喜「うつほ物語〈贈り物〉への〈視線〉―〈モノ〉が表象する思惟世界」

上原作和「ふたつの『源氏の物語』―対立項としての〈喩〉と「刈り込み」の第三項」

塩見優「『源氏物語』における「足」―玉鬘、柏木を中心に」

言説

藤井貞和「「言説」(年間テーマから)」

ジェンダー

三村友希「鏡を見ない紫の上/鏡を見る大君―『源氏物語』を映す」

テリトリー

諸岡重明「『源氏物語』三条論序説―紅葉賀巻の藤壺の三条宮を中心に」

親子

阿部好臣「親子の物語としての『源氏物語』―その〈組成〉」

記憶

本橋裕美「沈黙の向こうに広がる〈記憶〉―末摘花巻の「しじま」贈答を中心に」

古典/学/知/教育

布村浩一「「くたに」「こだに」考」

〈見える/見えない〉の物語学

武藤那賀子「うつほ物語における手紙―人間関係を可視化する手紙の機能」

高橋汐子「大君〈不在〉の存在感―記憶と幻想」


物語研究会・回顧と展望

安藤徹「私たちはいつ“理論”を捨てたのか?」

河添房江「二つの学会印象記から」

小嶋菜温子「『かぐや姫幻想』から、幻の「源氏物語絵巻」へ」

高橋亨「物語学の課題をめぐる私的回想」


自由論文

伊勢光「物語を作る光源氏とその構造をめぐって―虚実入り乱れる六条院」

池田大輔「『源氏物語』における手引きする侍女」

櫻井清華「浮舟と八の宮」

北川真理「『源氏物語』の地の文末表現―伝達(言語活動)の動詞の文末と移動動詞の文末の比較から」

笹生美貴子「物語の〈夢〉―平安後期物語の夢に込められた『源氏物語』批評の意識」

千野裕子「『狭衣物語』を動かす女房たち―女二宮物語から」


あとがき

英文題目

年間テーマ一覧

執筆者紹介