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物語―その転生と再生 新物語研究2

発行:1994年10月21日

編者:物語研究会

編集委員:阿部好臣・上原作和・小森潔・東原伸明・三田村雅子

発行所:有精堂

定価:7931円


〈座談会〉物語―その転生と再生

パネラー:今井俊哉・藤井貞和・三田村雅子(司会)・宗雪修三・与那覇恵子

フロアー発言者:阿部好臣・河添房江・小森潔・末沢明子・高橋亨・吉井美弥子


〈特集〉物語―その転生と再生

〈源氏物語の“今”〉

吉井美弥子「宇治十帖転生―『あさきゆめみし』の源氏物語解釈をめぐって―」

山田利博「大和和紀『あさきゆめみし』―現代の源氏物語絵巻を探る―」

〈現代小説における物語〉

大内清司「はじまりの〈うつほ〉―中上健次『連作・宇津保物語』―」

河添房江「『夜の光に追われて』私論―〈生〉と〈死〉の分界を超えて―」

小嶋菜温子「『豊饒の海』にみる転生と不死―『竹取物語』をプレ・テクストとして―」

〈物語の現代語訳と変貌〉

上原作和「女の言説/男の言説―二つの現代語訳と二つの物語言説、「夢浮橋」終焉の文法―」

木村朗子「サイデンステッカー訳『源氏物語』―語り手の言説をめぐって―」

日向一雅「朝鮮語訳『源氏物語』について」

〈評釈という読みと再生〉

勝原晴希「病者の悲哀―本居宣長『源氏物語玉の小櫛』―」

宗雪修三「萩原広道の源氏物語テクスト論」

辻和良「〈絵〉と〈音読〉と〈物語〉と―玉上琢彌『源氏物語評釈』―」

東原伸明「西郷信綱『源氏物語を読むために』」

〈物語の引用と変奏〉

佐藤厚子「もう一つの竹取物語―浮舟の物語―」

網谷厚子「物語における『竹取』取り―『うつほ物語』の現世の異郷について―」

西本香子「聖王具現―『源氏物語』における『うつほ』取り―」

長谷川政春「賀茂神と琴(きん)と恋と―〈宇津保取り〉としての『狭衣物語』―」

塩田公子「『別本八重葎』―『源氏物語』世界からの自立―」

渡辺泰宏「伊勢物語の増補・増益―その生成または解体・再構築として―」

野村倫子「『山路の露』の「文(ふみ)」と「語り」―浮舟物語(左四字傍点)における情報回路の回復をもどく―」

乾澄子「『夜の寝覚』と改作本『夜寝覚物語』―「憂き」女から「憂きにたへたる」女へ―」

松浦あゆみ

「『とりかへばや』古本・今本と『有明の別れ』―男装の姫君の〈笛の別れ〉―」

〈自由論文〉

安藤徹「隠すこと、顕わすこと―「蜻蛉」巻の物語世界とその構造―」

小森潔「枕草子のコミュニケーション―「頭の中将の、すずろなる虚言を聞きて」の段をめぐって―」

鈴木泰恵「『狭衣物語』と〈禁忌〉―『豊饒の海』への転生を視野に入れて―」

ツベタナ・クリステヴァ「とはず(なみだ)がたり―」


あとがき

英文目次

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