味噌づくりに向いている大豆はどんなもの?

3つの要素が有ります。

1.大粒であること。 大粒の大豆の方が、お味噌に旨味が出やすいです。

2.水をしっかり吸う事 浸水すると重量が2倍以上になるものが良いでしょう。良い豆は浸水すると重量が2.3倍程度になることもあります。

3.煮あがりの際の味 煮あがった大豆を食べてみて美味しいかどうかはとても大事です。 良い大豆は、煮あがった状態のものを食べると栗のような甘みを感じます。

味噌づくりに向いているお塩はどんなもの?

舐めてみて、後味にほのかに甘みを感じるようなお塩がおすすめです。 精製塩はnacl濃度が高く(99%程度)、塩角が立ちすぎてあまりおすすめできません。

Nacl濃度が低く(80%程度)ミネラル分が多いものが良いと思います。 塩の粒は大きいよりも小さいほうがお味噌に馴染みやすいです。

塩は国内・海外様々な種類があります。自分のお好みで選んで試してみるのも面白いでしょう。

味噌づくりに向いている麹はどんなもの?

はぜ込み(菌糸が米粒の内部に入り込んでいる状態)がしっかりしている麹。 そして黒ずみやくすみが少ない麹が物が良いでしょう。 もし手に入るのであれば乾燥麹よりも生麹がおすすめです。 仕上がりの味噌の香りが強くでます。

生麹でつくったお味噌と、乾燥麹で作ったお味噌では、味にどれほどの違いがありますか?

お味噌の香りに違いがでます。生麹をつかうと香りが強いお味噌に仕上がることが多いです。

乾燥麹を使う場合は、水で戻したほうが良いですか?

水で戻したほうが良いと思います。そのまま使うとお味噌がパサつくこともあります。 乾燥麹の種類によっても使い方が違うので、麹メーカーの推奨値にそってつかってみてください。

味噌作りに向いている容器はどんなもの?

味噌づくりの容器は主に4種類あります。 プラスチック、琺瑯(ホーロー)、甕(かめ)、木桶の4つです。 それぞれ一長一短があります。

【プラスチック】初心者向け ◎メリット比較的安価で手に入りやすい。軽い。 ▲デメリット石油由来の材料である。 材質的に静電気を帯電しやすく、そのためにホコリが付きやすい。

【琺瑯(ホーロー)】中級者向け ◎メリット衛生的で汎用性がある。種類多く、おしゃれな見た目の物も多い。 ▲デメリット鉄とガラスでできているので、熱しやすく冷めやすい。そのため日中の気温の変化の影響を受け易く、容器内の温度が変わりやすい。激しい温度の推移は味噌づくりの環境には適していない。

【甕(かめ)】古来からある容器 ◎メリット昔から醸造に使われている容器。特に九州・沖縄で水分量の高い食材の保管には 甕が長らく使われてきた。木桶と違い、お味噌の水分を吸わない(または吸いづらい)ので 味噌の仕上がりがパサつくことが少ない。

▲デメリット重い。割れやすい。移動しにくい。

【木桶】本気なら木桶! ◎メリット木に菌が住み着く。仕込めば仕込むほど菌の温床になり、その家特有のおいしさが出る。

▲デメリット漏れる。手入れが大変。最初は固めのみそができる。

味噌作りにあったら便利な道具は?

プラスチック容器であればタッパーウェアジャパンの商品がパフォーマンスが高い。 琺瑯なら野田琺瑯の琺瑯容器が使いやすい。 甕は越前窯や備前焼など。全国各地に地場の焼き物や陶器があります。地元の物がその土地での味噌づくりにはあっている。

木桶は奈良の吉野杉の材木をつかったものがおすすめ。

味噌づくりで大豆を潰すコツ

手でもんだり、足で踏んだり、瓶でたたいてつぶしたり。一番やりやすい方法を選んでください。手回しのミンサーも便利です。中でもタッパーウェアジャパンの手回しミンサーは高性能でおすすめです。

仕込みの時、水を加えなくて大丈夫?

どちらでも良いと思います。

良い材料を良いレシピ(特に適度な大豆の煮具合)で作っていれば水を加える必要は 出てこないことが多いです。

仕込みたての味噌は食塩の浸透圧により固くなります。

しかし米麹の割合を多くした場合などや木桶でお味噌を仕込んだ場合はお味噌の仕上がりがパサつくこともあります。 その場合は水を加えた方が良いと思います。 お味噌の適度な柔らかさの目安は「耳たぶ」。水を加える場合は少しづつ様子をみながら、耳たぶほどの柔らかさになるようにしましょう。

大豆を煮る時の水は、大豆を浸水させた水でも大丈夫?

新しい水に替えて煮ることをオススメします。

大豆はきれいに見えても、ほこりや微生物などが見た目以上に付着しています。 そのため、大豆を煮る際は新しい水に替えて煮ることをオススメします。

大豆を煮るのではなく、蒸してつくるかたもいると聞きました。何が違うんでしょうか?

大豆を「煮る」と「蒸す」、どちらにもメリット・デメリットが有ります。

【煮る】 メリット:豆の色合いが綺麗になる。 デメリット:旨味が逃げる。(煮汁に)

【蒸す】 メリット:豆の色が濃くなる(煮たほうが綺麗) デメリット:旨味が凝縮される

蒸す場合は、電気圧力鍋などで加圧しながら蒸す必要が有ります。 ただ蒸すだけだと、柔らかくするのに相当時間がかかります。 「親指と小指でかるくつぶせる程度」が豆の適度な柔らかさです。

熟成場所はどのような場所がいいのですか?

味噌の保存場所は直射日光を避けて冷暗所に置いて下さい。 夏場の時期に熟成が進むので冷蔵庫にはいれないようにします。

15℃以下では熟成がすすみにくいため、 リビングなど、人が生活をしている場所が適しています。 尚、気温が常に35℃を超えるような極端に高温の場所は避けて下さい。

味噌に重しは必要ですか?

仕込んだ味噌には重石(おもし)をした方が良いと思います。仕上がりの締りが違います。 お味噌の陽の力が強まり、より身体を温めるお味噌に仕上がると思っています。

手作り味噌はいつが食べ頃ですか?

理想的なのは、1~2月頃に仕込み、6か月経過した夏(7‐8月)の時期に 味見をしながら、お好みの時期を見定める方法です。 自分が美味しいと思ったタイミングで冷蔵保存(長期保存するなら冷凍保存)して 使いましょう。

味噌を仕込む時期はいつが良いですか?

一番いいのは1月下旬から2月にかけて仕込む、寒仕込み。

寒仕込みが良い理由は3つあります。

1.仕込み時が年間を通して気温がもっとも低い →もっとも寒い時期に仕込み、夏のもっとも暑い時期を経て熟成させることで 味噌が美味しくなる。

2.米、大豆、麹などの新物が手に入りやすい時期 →良い原料はお味噌の仕上がりを大きく左右します。秋にとれたばかりの米からできた麹と大豆を使うことで、お味噌もより一層おいしくしあがります。

3.冬は雑菌が少ない 冬場になると、雑菌の繁殖が抑えられ、雑菌の少ない状態で味噌を造る事ができます。

寒仕込みとは?

気温の低い冬場にお味噌や日本酒を仕込む事です。 大寒(だいかん/二十四節気の24番目のもの。冷気が極まって、最も寒さがつのる時期と言われています。)に仕込み夏の土用の丑の(7月下旬頃)を越え、気温がさがってくるとお味噌に味が乗ってきます。

熟成中、容器が膨らんできましたが、そのままで大丈夫?

大丈夫です。お味噌が発酵して出てきた炭酸ガスで膨らんできているだけです。自然現象です。

固くてパサパサの味噌になってしまいました。失敗ですか?

失敗ではないです。そのまま使っていただいて問題ないです。 もっと滑らかにしたければ、お好みで水を加えて混ぜても良いと思います。 パサパサのままでも、お味噌汁やお料理に問題なく使えます。

気になる方は、大豆を煮る際にもっと柔らかくするとよいかもしれません。 仕込みの容器に木桶を使うと、木に水分が吸われてパサパサになることもあります。 気になるようでしたら食べる前に水を加えても良いです。

味噌の賞味期限は?

賞味期限は有りません。味噌は保存食です。 ただし、熟成期間がひと夏を越えた(半年を超えた)あたりから色合いが徐々に黒くなっていきます。ベージュから栗色になりチョコレート色がどんどん濃くなっていき真っ黒になるという具合です。自分が美味しいと思ったタイミングが食べごろです。 そのタイミングで冷蔵または冷凍保存(すぐ使い切れないなら)しましょう。

熟成期間が二夏を超えると味噌の味に酸味がでてきます。 熟成期間が3年、4年、5年と長くなるほどお味噌の陽性の力が強くなり身体をあたためる力が強くなるといわれています。体質改善をしたい方やその味が好きな方は、好きなだけ熟成させて良いと思います。

味噌にカビを生えにくくする方法はありますか?

お味噌の表面が空気で触れないようにするのがコツです。 できるだけ仕込んだお味噌の表面を平らにして、上にラップを被せておくと良いでしょう。 ラップのかわりに手漉き和紙などを被せるのも良いと思います。

味噌にカビが生えてしまったときは?

カビが生えてしまっても慌てないでください。少しだけであれば、出来上がったときにカビの部分だけを取り除けば良いでしょう。

味噌作りに失敗しないコツは?

1.できるだけ良い材料を選びましょう。 2.大豆の炊き加減に気を付けましょう。薬指と小指で軽くつぶれるぐらいが目安です。 3.仕込みのときに大豆をしっかり潰して、麹と大豆と塩をしっかり混ぜましょう。

上記の中でもとくに大豆を潰すのが一番苦労します。

日本は軟水ですが、硬水でお味噌をつくるとどのような影響がありますか?

硬度が高くても味噌づくりには問題ありません。

大豆をゆでるのが大変なので、スーパーのゆで大豆を使って味噌はつくれますか?

はい。つくれます。ただし、お惣菜売り場の煮豆ではなくお味噌づくり用の茹で大豆を使用した方が美味しく作れます。

熟成期間中、混ぜる必要はないですか?

天地返しをする蔵元さんとしない蔵元さんがいます。 どちらでも問題ございません。

「天地返し(味噌をひっくり返して上下部分の熟成具合や水分を均一にさせる事)」 を行う事があります。大量にお味噌を仕込む場合は、気温20度が2週間以上つづくような時期に天地返しを行う事で、お味噌の味をまろやかにします。

味噌作りのアドバイス

それぞれの地域に良い材料や道具があります。 お住まいの地域の気候に合わせたお味噌づくりを楽しんでみるのが良いと思います。