天竺渡海

天竺渡海

天竺渡海物語は海外渡航が途絶えた江戸時代に、初期の朱印船貿易時代が忘れられた頃、その時代の事を生き生きと書いた数少ない記録である。 この書は江戸時代中期元禄の頃から流布したものと思われるが、多くの写本や派生本が作られた様で国会図書館だけでも四冊の写本が確認できる。 二十丁もない分量だが良く読むと朱印船時代の事及び当時のタイ国(アユタヤ王朝)の風物、風俗、産物など一通り記録している。 俗説や民間説話を真実らしく書いたり、事物のサイズや距離を表す数字が今一つだが、それらを割引して読めば非常に興味ある内容である。

尚当会員HP大船庵に別写本による解読及び註釈を掲載している →こちら

http://www.hh.em-net.ne.jp/~harry/komo_tenjiku_front.html