百姓往来

百姓往来絵抄

江戸時代後期に板本として出版された農業に従事する百姓の子弟を対象とした教科書である。 農業経営に必要な農機具の名前からはじまり、新田開発、年貢の事、百姓の心構えなど記している。 文章は難しくないが、関連用語が非常に多く、現代人の我々には見た事も聞いた事もない道具名が難しい字で羅列されている。

又新田開発や年貢関連では現在数多く残っている村方文書の水争いや年貢減免訴状などの使われている用語が頻出する。 この事から見ても百姓往来と云っても将来本百姓や名主となる人々の為の教育書の様に思われる。 村方文書を理解するには、この百姓往来は良い参考書となると思われる。