一筆啓上

御家一筆啓上

本書は江戸時代後期(文化年間)に初版が出版された手紙の例文集である。 前半は年中行事に関わる挨拶文的なものが多いが、後半は慣用句の崩し文字の各スタイル(崩し字辞典的なもの)、各種証文の書き方など網羅している。 原本は嘉永七年の第九版とあるので、四十年以上版を重ねた事になる。 今で云えばベストセラーか。

文章の撰者は浮世風呂などで有名な作家、式亭三馬であり、書は江戸時代の標準的書体であり、寺子屋の教本等にも使用された御家流で書かれている。

御家流書体