第40作で新発見!!

2019/9/17

「第40作で新発見!!」  男はつらいよ

第40作

はつらいよ 

寅次郎サラダ記念日

1988年12月24日公開


今作の舞台は長野県小諸市。


出演は原田真知子役に三田佳子さん

そして姪っ子由紀役に三田寛子さん。


オープニング


JR小海線「佐久広瀬駅」

2両編成の列車が汽笛を合図に駅を出発する。


(寅のセリフ)


さくら・・・


元気か?


お前の肉親や

おいちゃん、おばちゃん達に変わりはないか。


俺は相変わらずの旅がらすだ。


花見を追っかけて南から北へ

短い夏が終わればもう秋だ。


今度は紅葉を追って

北から南へ逆戻り。


こんな暮らしから早く足洗いたいと

いつも反省するんだが

知っての通りのやくざな性分だ。


長続きするわけなんかねえ。


バカは死ななきゃ治らねえとは

俺の事さ。


せめてお前の息子に

決して伯父さんみたいな人間になるなと

朝晩行って聞かてやれよ。


満男が正直で働き者で

町内の人たちに慕われるような

立派な人間になれることを

伯父さんはいつも祈っているとな。



列車の中でひとりで酒を飲みながら

流れる風景を眺める寅。


ちなみにこの時寅の飲んでいたお酒は

日本酒「本菊泉」


信州・佐久の地で、江戸・元禄より三百数十年の歴史を持つ

『橘倉酒造』さんのお酒。

https://kitsukura.co.jp/





この寅が酒を飲むシーンで

窓の外に映る風景の中に

これまで気が付かなかった

新事実が判明!


それがこちら。


丁度「本菊泉」の瓶の左に映っている

少し大きめの石碑。


実はこの石碑

あの「秩父事件」に関係する石碑で

秩父困民党散華之地 石碑 

この石碑は「秩父事件」の百年後の

1984年9月に建立。



秩父事件 | 秩父観光協会

  







***





第40作のロケ地を小諸としたのは

渥美さんの要望もあったという。


小諸は、渥美さんが“小諸のお父さん”と呼んで

慕っていた友人・井出勢可さんが住んでいた。


井出さんは渥美さんから貴重な品の多くを頂き

1995年「渥美清こもろ寅さん会館」をオープンさせ

館長に就任された。


寅福も2007年「寅さん会館」を訪問。

「ロケ地探訪-小諸篇-」

(残念ながら現在は休館中。)





***





今回の発見で初めて「秩父事件」について

深く知ることができた。


知れば知るほど偶然ではなく

意味を持って映画に残したのではないかと

思えてしまう。



この件は恐らく地元の一部の方は気が付いたはず。

映画公開の際にはきっと話題になったはず。


そんな事を考えた時、一気にこの40作が…

いや「男はつらいよ」という映画自体が

まだまだ私の知らない色んな意味を持っているんだと

改めて考えさせられた。


正に「国民的映画」なのである。







そして…

これは単なるこじつけではあるが

(信州であればよくある事なのかも…)


「寅さん会館」館長の井出さんと

秩父事件で本陣になった家が同じ苗字の井出家という

こんな偶然も何かあったのでは、と勘ぐってしまう

妄想状態の寅福なのであった。。。




----おしまい----