大船へ-でぶそば-
渥美さんが足繁く通ったとされる大船撮影所スタッフも御用達のお店。
ここへ行くには資生堂を通り過ぎ
「青木神社入口」の交差点まで行くと
左手にこちらの看板が見えてくる。
ということでその「青木神社入口」の交差点を左に曲がると
でぶそば さんがあるのである。
でぶそばさんは
ご存知の通り渥美さんがご贔屓にされていたお店。
マドンナや共演者とともによく通われていたそうだ。
現在は使われていない右側奥座敷が
渥美さんがよく使われていたお部屋とのこと。
壁には映画のポスターも。
そして窓の上には・・・
二つとも渥美さんのサインである。
でも良く見ると
左は・・・
ひらがな。
そして
右は・・・
漢字
これには意味があるという。
実は左のひらがなサインは渥美さんの一般的なサインで
右の漢字は特別な方だけに送られた貴重なサインなのだそうだ。
ちなみに漢字サインはこの世に10枚程度しかないらしいのだ。
こちらの「でぶそば」さんの所へは第47作「~拝啓車寅次郎様」の頃に
渥美さんの付き人さんが持ってこられたそうだ。(篠原さんだろうか?)
渥美さんはその人気ゆえに地方のロケ地に行くと
着いた途端にサイン攻めにあっていたそうだ。
その日泊まる宿屋の部屋にはダンボールいっぱいの色紙。
元々サインには気軽に応じていらっしゃったという渥美さんだが
この顔も見えない人へ向けてのダンボールいっぱいの色紙に対しては
ほとほと嫌気がさしていたようなのである。
当然である。
何のためのサインなのか。
サインするだけで良いなら別に本人でなくても・・・
そう思っても仕方の無いようなサイン攻めである。
話は戻って・・・
その貴重なサインには渥美さんの本当の気持ちが宿っているようである。
サインには両方この印が押されている。
よく見ると「へのへのとらじろう」である。
実に味わいのある渥美さんらしい印である。
渥美さんはよく自分の似顔絵も添えたりする。
一枚の色紙に込めるその思いの深さがうかがえる。
さて本題の とらさんメニューである。
値段は1,030円。
その値段を見て一瞬消費税3%の時のままか?
と、思ったりもする。
実際は多分980円で消費税込みの1,030円だと思う。
注文してから待つこと数分・・・
渥美さんの話題を店の方とちらほらしていると
出てきた、出てきた寅さんメニュー。
半ラーメン、半チャーハン、半シュウマイである。
これは渥美さんのリクエストでできたメニューとあるが
結構な量である。
いつも素うどんを啜ったりしていた渥美さんが
こんなにもボリュームあるものを果たして全部食べていたのだろうか。
どちらかというと額に汗して油まみれになって労働した後に
食べるような量である。
ひょっとすると松竹スタッフに精をつけてもらいたいと
渥美さんが考えたメニューなのではないだろうか。
ここにも渥美さんの周囲への気遣いが見えてくるような気がする。
そして私も当然完食し、お店を後にしたのである。
※ この日はでぶそばさんが夕方6時までお店を閉めていらっしゃったので
こんなに遅くなってしまった。
最後に・・・
「でぶそば」さんの店名は先代の店主の方が松竹スタッフに愛されていて
その好意の中で呼ばれた愛称と言う事である。
先代の店主もその愛称をとても気に入ってお店の名前となったということである。
大船へ訪れた際には是非ご賞味あれ。