ロケ地 発見‼‼‼

2018年11月吉日

ついに・・・遂に判明した!第5作のロケ地!

最初に浦安にお邪魔したのが2014年。その時にどうしても分からなかったロケ地。


※今回のロケ地もストーリーには全く無関係な場所となりますので

ご覧になられる場合は自己責任でお願い致します。

・・・あれから4年

まずは当時のブログの一部をご紹介。

*****

2014年3月10日投稿

「第5作 解明できない難問」

前回の浦安ロケ地巡りで解明できなかったことがひとつだけある。それは寅さんが浦安の町を自転車で颯爽と駆け抜けていくシーン。 

どうやらこのシーンだけは浦安ではないようなのである。

● 理由 

寅さんの肩向こうに見える「富士銀行」

当時(1970年頃)の浦安には存在していない。

このシーンの大きなカギを握っているのはこの富士銀行ということで図書館でも色々と調査をしてみた。

昭和45年頃、こういった高いビルは本当に珍しかったはず。

このシーンの大きなカギを握っているのはこの富士銀行ということで図書館でも色々と調査をしてみた。

昭和45年頃、こういった高いビルは本当に珍しかったはず。

***中略***

次に考えられるのは主要都市。こういった大きな建物は大きな街でないと存在しなかったはず。

となると横浜、千葉、川崎、はたまた都内某所…か。


こうなってくると途方もない作業になってくる。


手当たり次第に…という前に先ずは富士銀行の支店。当時の所在地や外観の写真が一番の手がかりになると考え調べてみたのは図書館所蔵の一冊。

「富士銀行百年史別巻」

何とこの本には各支店の外観が全て写真掲載されているのだ。そのすべての写真を高鳴る鼓動を抑えながら一枚一枚慎重に丁寧に見ていく・・・

無い!

同じような看板を掲げた支店の写真がない。

ということは、このビルは宣伝用の看板を出しているだけのビルなのか?

迷宮への扉を開けてしまったようである。


「麻雀クラブ」「梨花」も糸口にはなると考え当時の横浜市だけは電話帳で探してみましたが該当なしでした。

***** ここまで


約4年前・・・

このロケ地の探索はここで行き詰まった。これまで様々な難攻不落のロケ地を解明し、

多くの経験を積んできたことで最近ではそれなりの自信もついてきていた。

そこで今回は原点回帰としてチャレンジしたにも拘わらず、自分の未熟さゆえに発見できていなかったこのロケ地に再挑戦してみることにしたのだ。



パッと見でも情報の多いこのシーン。 

今回の発見までのなかでまだまだ己が未熟者であることを痛感!

その経緯とロケ地の場所を今回はご紹介したい!!

***

寅が自転車に乗って颯爽と通り過ぎるこのシーン。

ちなみにシナリオでは・・・



寅、満面の笑みを浮かべ鼻唄をうたいながら自転車を漕ぐ。

幸福に光り輝く顔である。


非常に短い文である。

特にシナリオからは見つけられなかった。

では改めて画面から読み取れる情報を再確認。

A、映画の宣伝ポスターがある。

 映画館のある大きな街? 

B、麻雀クラブの建物 

C、美容室「梨花」の看板と

 遠くに「富士銀行」の看板のあるビル 

2018年11月初旬、2回目のアタック!

4年前の調査で「富士銀行」の旧住所はある程度控えていたので、今回はその住所を元に調査を開始してみた。

…で見つけた場所が

千葉県船橋市本町1丁目 

ここは千葉県船橋市本町1丁目3-5 富士銀行船橋支店の南側。

カーブの在り方といい

遠くの建物の見え方といい

映画のシーンの面影が何となくあるような気がした。


そして何よりも決定的だったのが 

この赤枠の屋根。

かなり似ている!!


この建物は神社なので映画撮影の頃から、50年近く経過はしているがおそらく当時からはあまり変わっていないはず!

もうこの一点だけを信じ再び「国会図書館」へ行き当時の住宅地図を調べてみた。


すると目指していた「美容室 梨花」もなければ「麻雀クラブ」もない!!


茫然自失…

正直これだけしかなかったので相当無謀な賭けではあったのだが…


帰宅してからもう一度調べてみる。 

すると2014年の写真を発見。

左に映る古い建物は1977年の航空写真にもハッキリと写っいたのでココではないことが確定!


まったくの勘違い!であった。

これはかなりショックであった。

少ない物証ではあったが屋根の形がそっくりだったのでかなりの自信があった分受けたダメージも絶大!!

もうしばらくは無理と思った。



2018年11月某日

3回目のアタック!!

更に1週間経過。

精神的にはかなり落ち込んでいたがもう一度新しいヒント探しをしてみた。


そして見つけたのがこちら! 

「〇寿し」


おそらくは一文字。


予想は・・・ 

ズバリ!

濱(はま)寿し

 は   ま 

これはかなり近づけるのでは、と願いを込めて3度目の「国会図書館」へいざ!


昭和45年

神奈川県職業別電話帳


・・・すし店を探す。。。

あっ!な、なんと!!! 

あっさり発見!!


場所は藤沢市!

ならば

美容室 梨花も藤沢市にあるのだろうか・・・ 

あ、あった!!


あ、あっさりと・・・

しかも濱寿しと同じ藤沢545

実はこの梨花美容院、前回の船橋調査の折り失意の中折角来たのだからとその時に一回調べていた場所。

ただその時は

「梨花美容ではなく、「梨花美容であったため

手持ちのスマホでチョロッと見ただけで、たいした検証もせず終えていた場所だったのである。

なぜしっかりと検証しなかったのか・・・

それは「藤沢545」を検索した時にでてきたストリートビューの画像がこちら。 

高羽アングルを探していたため

この画像を見て直ぐに違うと判断してしまったのだった。


不覚!!!


もっとしっかりと確認すべきだった…

だが今回は違った。

「濱寿し」「梨花美容室」と探していたお店の2つともが「藤沢545」ということであればこれはかなり可能性が高くなった!

このまま4階の地図室へ行っても良かったのだが、念には念を入れ麻雀クラブでも同じ住所があるかどうか…

こちらも探してみた。


すると…

あった!「水月」藤沢545


で小料理屋とかはどうかと探してみると

あるわあるわ・・・

30件以上もある「藤沢545」


一体どうなってるんだ?「藤沢545」って?お店のワンダーランド?

もうここまで揃ったら行くしかない。

いざ、地図室へ!!



そして確認した「藤沢545」がこちら! 

あった!

「梨花美容室」!

「浜寿し」!!

残念ながら確認できた最も古い住宅地図が

1988年であったためその他のお店の名前は確認できず。


ここに寅が自転車で通り過ぎたルートを加えてみるとこうなる。 

では「富士銀行」はどうか?もっと広範囲にしてみると… 

あった!

「富士銀行」!

条件はすべて揃った!  

ココで間違いない!!

そして今回注目した「藤沢545」全体図がこちら。 


赤の点線の中すべて「藤沢545」

どんだけ広いんだ「藤沢545」!



そして最初にスマホで確認した「藤沢545」

水色の部分であった。

こんなに離れていたとは…

場所はもうここで間違いはないのだが航空写真も確認してみた。

映画に一番近いカラー写真がこちらの1978年 

映画のこのシーン 

黄色で囲った屋根が写っている


緑の矢印は寅のルート。


そして肝心の現在のロケ地がこちら! 

映画と比べて見る。 

現在は「富士銀行」のビルは無いのだが、位置的には現在の茶色いビルの辺り。

電柱の位置は映画の時とほぼ同じ。

改めて見てみると色々あったはあったがやはり…

感無量!!!である。(T_T)

場所も近いので

早速ロケ現場に行ってみた。


場所は神奈川県藤沢市 

この場所で現在お店を営まれている方に

偶然当時のお話を聞く事ができた。 

「幸楽」さんは小料理屋さんで

「梨花美容室」さんもご存じで

当然「浜寿し」さんもご存じであった。


ただ当時はこの場所ではお店をされていなかったそうで

映画の撮影があったかどうかまではご存じではなかった。


映画に映る建物はこのシーンの後ろの建物も含め

すべてご存じでいらっしゃったので

ロケ地は100%ここで間違いないと確定。

これにて調査は終了。

ここもまた世界初登頂となった。


このシーンは時間にして約6秒程のわずかな場面であるが

千葉の浦安で出会った豆腐屋の一人娘

節子(長山藍子)に告白されたと勘違いした寅が

浮かれた気分でフワフワとした気持ちと

勘違いからくる意気込みとが入り混じる

とても大切なシーンなのである。 

今ではあの趣のある建物は存在しない… 

このシーンがあるからこそ

この後の寅がとても愛おしく見えてくる。


推測ではあるが山田監督もこのシーンには拘りを持ち

当初撮影は浦安で行われたが納得がいかなかったため

大船撮影所から近くて浦安と同じような歴史ある街並みの

ここ藤沢で撮影をやり直したのではないだろうか。


あくまでも推測である。



「男はつらいよ」が好きで

ここが浦安であると思っていたのに

藤沢だと言われたら物語を楽しめなくなる、

という方も当然いらっしゃると思う。


そんな方には大変失礼な発見ではあるが

少し落ち着いて考えてみて

逆にこのシーンが絶対に浦安でなければいけない

という理由もないと思う。


かえって浮かれてしまった寅は

知らぬ間に隣町やもっと離れた遠くの場所まで

自転車に乗って行ってしまった、という事でも

良いような気がする。


山田監督がわざわざ藤沢で撮影をした

とても拘りのあるシーンであると思うと

思い入れも深くなり、そして

もっと寅の気持ちに近づくことができ

後半の盛り上がりをより楽しめると思う。 

包丁い~っぽん 

さらしにまいて~とくりゃぁ

寅の後姿が見えるような気がする。







おしまい。


(余談) 

このシーンの左側で映る映画のポスター


左上の黄色枠が 

「決戦 南海の大怪獣」つまりガメラ


そして左下の水色枠が 

「巨人の星」飛雄馬と花形


そして最後右側の赤枠が 

東映まんがまつり



以上、ホントにおしまい。