静岡県ロケ地

2016/12/21

「静岡県ロケ地?@」  男はつらいよ

12月某日


今回は静岡県に行ってきた。


第16作 葛飾立志編

第24作 春の夢

第28作 紙風船

第41作 心の旅路


合計作品のエンディングロケ地。






最初にご紹介するのは

第16作 葛飾立志編



この作品のエンディングロケ地となったのは

静岡県沼津市西浦足保(あしぼ)

目指すシーンは

大きく分けてこちらの3つ


【1】田所(小林桂樹)教授と寅のシーン

【2】足保港でのシーン

【3】「終」の文字の出るシーン

ロケ地自体は既にこのロケ地を踏襲されている

寅友のちびとらさんにご案内頂けたので

ピンポイント的には全く問題はなかった。



今回一番難しいと感じたのは天気




そう・・・

今回の最重要項目は

「富士山」が見えること





富士山が見えないと今回のエンディングでは

ただただ海が映っているだけ。


何としてもそれだけは避けたい!





事前に天気予報で候補日を3日程に絞り

ギリギリまで待って

直前に行く日を決める事にしていた。



そしてこの日しかない!と前々日に突如決め

万全の準備をし出発したはずなのだが




当日は何と朝から曇り空・・・





大丈夫なのか、本当に今日で大丈夫だったのか!

あれだけ事前準備したのに。



行きの車中では結構な勢いで責められ…

なんせこの日を進言したのは私だったものですから。


大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせ




果たして・・・

果たして西浦で

富士山は見えるのだろうか!!
















バッチリだった!^_^;









結果的には候補3日の中で

決行日がベストだった。

良かった、良かった。。。



それではシーンの流れでご紹介。





【1】田所(小林桂樹)教授と寅のシーン

ここは静岡県沼津市西浦久料の用心崎の少し手前。

静岡県沼津市西浦久料 付近←クリックでMap



お正月


新年の挨拶をする人


走る車


道を行く母娘

すれ違う寅



<映画>

<現在>

映画で見えている小屋のような建物がある場所では

真珠の養殖をしていたという。



お~い


沼津アルプスを遠く眺める教授


<映画>

<現在>

田所教授の後姿から見える風景も

ピンポイントで発見!

ピンク囲みの部分が物証である。


もうちょっとゆっくり歩けよォ~

先を急ぐ旅じゃねえんだからさァ~

年寄りは年寄りらしくのんびり歩いたらどうなんだぁ~い


田所教授

(タバコをくわえながら)

君と歩いていると僕は休んでばかりいなきゃいかん。


(舌打ちするように)てっ!


田所教授

少し体の鍛えが足りんのじゃないのか

僕より十(とう)も若いんだろぉ!


またお説教か?

そこが大学教授の悪い癖なんだよ。

だから女にフラれんだぞぉおい。


田所教授

(少々声が高くなって)

その話は言うなって言ってんだろぉ!

現在の全景。

当時より道幅は大きく広がっている。

田所教授の後ろに映る船着場の石も

若干雰囲気は残っていた。

それにしても見事な富士山である。


これは撮影当時も同じように見えていたはず。


エンディングで富士山を出すために

あえてここでは富士山が見えないように

カメラアングルを考えたのではないかと

寅友ちびとらさんの推測。





(図星をついたとわかり喜ぶ寅)

おお、赤くなりやがった。

ははは(笑)

よう誰なんだよ教えてくれよ

タバコ屋のババアか


田所教授

そんなんじゃねえ!


あん?

じゃあ三味線のおっしょさん

いい歳こいて真っ白の白粉塗ったやつ


田所教授

バカ言え!!

俺の恋した人は※ベアトリーチェのごとく

麗しく賢く気立てのいい人だ



※ベアトリーチェ

13~14世紀のフィレンツェの詩人ダンテの初恋の人物にして、

彼の詩集『新生』および叙事詩『神曲』のヒロイン。


『神曲』では地獄を彷徨うダンテ一行を導く

「永遠の淑女」の役割を与えられている。

webより



だから誰なんだよ、教えてくれよぉ~


田所教授

それは言えん!!

(教授の決意が伝わる)


誰なんだってさぁ~

(さらにしつこく言い寄る寅)


田所教授

うるさぁーい!!もう…


そんなお怒りにならないで、お兄様

(甘えるような声で)


田所教授

ああ!(怒)

(寅の手を振り払う教授)


おヒゲのお兄様!

あたし好きよ!



<映画>

<現在>

<全体>

静岡県沼津市西浦足保 付近←クリックでMap




すれ違う振り袖姿の若い女性たち

寅と教授を見て笑う


それに気が付き寅も振り返り

女性たちに笑い返す


ファファファ

ファファファ(笑)

(何とも言えない渥美さんの笑い)



実はこの一連のシーン、場所が一気に飛んでいる。


このシーンから

 


このシーンへ

航空写真で表すと

こんな感じ。

ま、映画ではよくあること。


【2】足保港でのシーン

ここは天神社のすぐ近く。

静岡県沼津市西浦足保 付近←クリックでMap



(岡本茉莉さん)

船が出ますよ

お乗りになるんですかぁ?



<映画>

<現在>

<全体>

田所教授

ああ!乗るぞ!

(手を挙げて乗船をアピール)


はっはは(笑)

先生!おーう!

(その後を笑いながら追いかける寅)



<映画>

<現在>

<全体>

この場所は「第24作 春の夢」のエンディングでも登場する。

カメラ位置は全く反対の方角からとなるのでパッと見は

同じ場所とは気が付きにくいが

目印となる同じ建物が映画に登場する。

これは寅友でもあるちびとらさんより教えて頂いた。


詳細はこの後の「静岡県ロケ地?A」にてご紹介する。





【3】「終」の文字の出るシーン

当時より船着場が長く拡張されている。

1975年頃↓

2010年頃↑


船着場だけでなく左側の海も大きく埋め立てられている。

そのため船着場からの風景は激変している。

<映画>

<現在>

ラストカット



船の頭にある松飾のアップ。

風にたなびく万国旗。


背景には大きな富士山

汽笛が鳴る


「男はつらいよ」のテーマが流れている。




<映画>

<現在>

船を見送る親子



寅と教授を乗せた船はいったん後ろ向きに進み

旋回して出港していく。


船尾に出てくる教授。

その後を追いかけてくる寅。


まだしつこく質問していると思われる。(笑)



船が小さくなっていく。


遠くに見える富士山が逆に

大きくなっていくように見えて

実に印象的。



寅の天真爛漫な笑顔が浮かぶ。

また明日から頑張ろう!という気持ちになれる。

天下泰平である。

「第24作 春の夢」へ続く…