18作パノラマ 初登頂

第18作

男はつらいよ 寅次郎純情詩集

今作で登場する山々のパノラマ

背景に山が映り、カメラが寅に合わせて左へパンしていく。

このシーンを繋げるとこうなる。

雄大なパノラマが広がる。

遠くに見える山容が実に美しい。





塩野入神社でバイをした後…

おそらくは宿へ向かうであろう寅が

一人夕暮れ時の道を歩いていく。

当然のことながらバイをしていた

塩野入神社付近ではないかと考えてしまう。





ところが…


この辺りで映画のような山が無い!

塩田平を囲む山々を見渡しても、このような稜線は無いのである。




バイをしていた塩野入神社

石段は当時のまま。

バイをする寅

この手前の小さなスペースに

寅ともう一人がバイをしていたのである。



ここは赤丸の所にある石段に合わせて撮影

な、何と!石積みが今も同じである!

寅の向こう側にあった太い木は、今はもう無い。


夕暮れ時

お地蔵さんと小学生。

そして最初にご紹介したこのシーンへと続く。

山が見つからないとなると

次に探すのはこのシーンで出てくる

お地蔵さん。

これがヒントになる可能性が高い。


お地蔵さんは多分現在もあるだろうし、小学生はエキストラとは考え難い。


もうこうなれば手当たり次第に小学校近くをストリートビューで回り、お地蔵さんを探す。


探し探して約1ヶ月。



またしても全く見つからず。

途方に暮れていると、吉川さんより新たなヒントが。


さすが吉川さん。

この山の正体を既に解明済み。


それがこちら

出典:Google

稜線が同じ!すごい!!

もう発見も同じと喜んでいると、吉川さんは更にこう続ける。


「この場所を見つけたのはかなり前。

でもここではない。


同じ山の見え方はこの場所以外にもある。ピンポイントはまだ解明できていない。

真の困難はここからです。」・・・と。



う~ん。

この山ですら見つけられずに、塩田平辺りをウロウロしていた視野の狭い自分が

まだピンポイントで発見もしていないのに、ぬか喜びで浮かれて…

お気楽な自分への戒めのお言葉。


何とも恥ずかしい。。。


この場所は塩田平ではなく、長野県北佐久郡立科町牛鹿


ピンポイントで見つけるには、やはりあのお地蔵さんをみつけるしかない!

ここを見つけなければ、おそらくロケのピンポイントはわからない!


ここはどうしても自分で見つけたい!!

またまた地道なお地蔵さん探しが始まる。



意気込みとは裏腹に、またしても悪戦苦闘の日々が続き、

タイムリミットであるロケ地探索の決行日が近づいているある日の事

吉川さんより吉報が!



あのお地蔵さんが、遂に見つかったのである!


発見されたのはまたしても新潟のTさん。

Tさん、恐るべし!!



その時頂いたお地蔵さんの写真がこちら。

どうだろう。

お地蔵さんの立っている場所は、映画とは微妙に違うが

映画のお地蔵さんで間違いない。


そして・・・


この石碑もそばにあるという。

この石碑は

映画では上の部分が少しだけ見えている。(赤丸)


もう間違いない!

場所はココ。


そしてそして

この探していたシーンが撮影されたのは…

その近くにあるこの場所に違いない!

出典:Google  



歴史的発見である!

何とも感慨深いものがある。


この場所を探して

どれだけストリートビューを使って歩き回ったことか…


というわけで…

実際にその地を訪れてみた。






それがこちら!

世界初登頂!





こんなにも特別なシーンのロケ地に立てるとは…

涙腺ユルユルである。




現場に着いた時にはまだ日も高かったため

映画と同じ日暮れのタイミングを待った。



そしてあのお地蔵さんにも遂に会えた。

当時とは立ち位置が少し違うが

間違いなく映画のお地蔵さんである。



そしてあの石碑も。

背景に見える山も映画のそれに似ている。


この小さな石碑も

少し違う場所にちゃんとある。


そして夕暮れ…

何度この景色の発見を夢見たことか…


感無量である!


この場所に立って初めて感じるものがある。

こちらの道路側から見ていると、寅のいる道路は一段上がっていて

まるで舞台の上を歩いているような錯覚に陥り

何とも言えない大きなスケール感で

全てが雄大に見える。

1975年頃


う~ん、この場所をロケ地として探し出した山田組…

お見事!






しかし…

こんなに遠いなんて。。。


おしまい。