第15作 ロケ地探求

2012/11/23

「第15作 ロケ地探求」  男はつらいよ

随分とご無沙汰しております。


久しぶりの更新ですが皆様、如何お過ごしでしょうか。


この度も些細な発見ではありますがご紹介させて頂きます。



ご存知、第15作 男はつらいよ 寅次郎相合い傘


1975年8月2日公開 マドンナ:浅丘ルリ子、出演:船越英二




先ずは映画の流れでご説明。


寅さんが青森市の善知鳥神社(うとうじんじゃ)で

啖呵バイをするシーン。


カメラは遠くからのアングル。

多分近くのビルの屋上からの撮影か?


恐らくはこちらのビルの屋上と思われる。

青森県青森市新町2丁目

中新町ビル

築年月:1974年1月(映画公開の前年完成)



そして善知鳥神社


寅さんはここから宿泊先の旅館まで歩いていく。

(多分のルート)

現在の地図

当時の航空写真

寅さんの後ろには青函連絡船が見える。

(上の航空写真、上記赤丸位置)

「福屋旅館」さん看板ある駐車場を右に見ながら歩いていく。

(画面左にギリギリ映っている。)

福屋旅館さんの現在の姿


そしてここからが本題。



劇中寅さんが青森市で宿泊した旅館の映像が下の写真。

このシーンはセットなので

当然大船での撮影。



この旅館は寅さんが昼間神社でバイをして

夕方歩きついた先の旅館である

当初、ガラスになんて書いてあるのかわからなかった。


そこで写真を拡大して反転してみる。

「陸奥屋支店」と読める!




早速国立図書館で調べてみた。



あった!

「陸奥屋支店」





当時の住宅地図がこちら

赤丸が寅さんが振り返った地点

緑が「福屋旅館」さん

そして左下の黄色四角が「陸奥屋支店」さん


何と実在していたのです!

これが今回の新発見!!



映画の内容的にはどうでもよいと思われる

こんなところにさえ

本物にこだわる山田監督と山田組。


これなんですね。

こういった細かさが作品のクオリティを上げていると思われます。



ちなみに

この事実をもっと明確にするには

現場のお話が一番と考え

不躾ではあるが青森市の広報広聴課にメールにて問い合わせてみた。


こんな突然の申し出にご担当者の方より

とてもご丁寧なご返信を頂けた。



以下がそのメールの一部



(ここから)---------------------


映画撮影に関わるお問合せについて拝見しました。

映画を通じて青森市に関心を寄せていただき、ありがとうございます。


私共青森市民にとっても、多くのファンがいらっしゃる作品の舞台となっていたことは、

映画をご覧になった皆様に本市を知っていただくきっかけにもなり、素晴らしい機会であったと感じております。


 お問合せをいただき、「陸奥や支店」様 及び 映画撮影時の状況など分かる資料や、当時を知る職員など、ここ数日探しておりましたが、やはり40年近く前ということもあり、関連する資料など見つけることができませんでした。

 ○○様のご期待に添うお返事ができず、誠に心苦しく感じております。


 なお、私の祖母などにも聞いてみたところ、確かではありませんが、「陸奥や支店」様と似たような名前の旅館が現在のアウガ近辺にあったと記憶しているそうです。


---(中略)---


 現在の青森市街地は、映画撮影時とは趣が異なるとは思いますが、善知鳥神社や青森港など、映画の一場面を思い起こす景色もあると思います。

 機会がありましたら、足をお運びいただければ嬉しく思います。


(ここまで)----------------------



とてもありがたいお返事である。



そして失礼ながら

もう一か所、別の所へもメールにて問い合わせをしてみた。


青森観光コンベンション協会さんである。


こちらからもとてもご丁寧なお返事を頂けた。


以下にご紹介


(ここから)---------------------


このたびは青森市内で撮影されました「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」のロケーションについてお問い合わせいただきありがとうございました。


日本を代表する名画シリーズにかける〇〇様の熱い想いをお伺いし

できるかぎりお力になれるよう調査を試みたのですが

当時の文献・資料等の存在が不明で、また当時在職していた職員が退職していることと、


また当撮影協力を行った団体等が不明なことから確定的なことは判明いたしませんでした。

ご期待に添えず申し訳ありません。



ただ「陸奥や支店」さんについては2つの説が浮上しました。


1つ目は、中央古川に多かった『菓子問屋』

2つ目は、当時違う場所に宿を構えていた『「ムツヤ(正しい表記は不明)」という旅館の系列の宿』


というものです。


いずれにせよ確定的な回答をお知らせ出来ず申し訳ありません。


また何か判明いたしましたらお知らせ出来ればと存じますが、

とりいそぎご返信いたしますので何卒ご了承ください。


(ここまで)------------------------------



とても親切なお返事である。


貴重なお時間を頂き

本当にありがとうございました。



このブログをご覧になられている

青森の寅さんファンの方々。


当時のロケを知っているであろう方は

御年60~70才位の方が有力です。


お身内の方でその位のお年の方いらっしゃいましたら

どうぞお訊ねになってみてください。


もしかしたら新たなお話でてくるかもしれません。


当時のお話ご存知の方はご自分からは

多分お話されないと思われるので

こちらからお話聞くことが最善だと考えます。



そして何かお分かりになられましたら

どうぞこちらまでご一報ください。


何卒よろしくお願い致します。

情報お待ちしております。




まだまだロケ地探しの旅は終われませんね。