第31作「〜旅と女と寅次郎」
マドンナは都はるみ
この作品もエンディングがとても良い。
特にコンサートでの京はるみ(都はるみ)のMCシーンがとても泣けてくる。
そこからラストまでをロケ地の紹介とともにどうぞご堪能ください。
京はるみMCシーンより
16歳でデビューして15年
私は夢中で今まで歌い続けてきました。
歌うことが私の幸せだし
私から歌をとったら何も残らないと思っています。
でも時々ふと
一人の女として
私の人生は
ほんとにこれで良かったのかしらと
迷うこともあります。
今年の5月
そんなつらい気持ちで
小さな旅をしました。
そして佐渡島で
ある男性と知り合いました。
その人は私に何も聞こうとしませんでした。
でもその人の小さな細い目は
私を優しく見つめてくれていました。
面白い冗談を言って笑わせてもくれました。
名前を寅さん、と言いました。
今日とってもここにいて欲しかったんですけど
その人の代わりに綺麗なお花が届きました。
今頃どこにいるのかしら
寅さんは・・・
前奏が始まり会場は拍手で溢れている。
客席では舞台の上のはるみを、祈るように手を合わせ見つめるさくら。
15周年コンサートを藤沢市民会館で開催した京はるみ。
その会場には博とさくらがいる。
さくらの隣の空席は
京はるみが用意した寅次郎のための席。
しかし寅次郎はコンサートへは来なかったのだ。
別れることは 死ぬよりも~♩
(歌い始める京はるみ)
1972年10月発売
56枚目シングル
「おんな海峡」
作詞:石本美由紀
作曲:猪俣公章
編曲:佐伯亮、竹村次郎
雪がふるから泣けるのか〜♩
歌が続く中
場面は寅次郎が旅しているであろう場所の俯瞰が映し出される。
列車が発車していくのが見える。ここは北海道の「京極駅」。
駅舎の改札側とは反対の方から見た俯瞰。東方向から撮影していると思われる。
今回まずはこの俯瞰の場所とカメラ位置を探してみる。
オレンジ枠のあたりがカメラ位置と思われる。
線路方向を赤色の線
防風林?らしき木々を黄色の線
道をピンクの線
カメラの中心位置を水色の点線で表示し
それを元に古い航空写真に当てはめてみる。
現在の場所に位置合わせ
残念ながら現在は見通しが悪くなっているが、羊蹄山はしっかり見える位置であることは確認できた。
そのカメラ位置をGoogleストリートビューで確認してみた。
どうやらこのカメラ位置で羊蹄山をバックに狙っていたようだが、あいにくの天候で雲に隠れ羊蹄山は見えていない。
そして次のシーン
雲の切れ間から羊蹄山が見てている。
これは駅構内にあった看板と思われる。
その証拠はひとつ前のシーンに映っていたのでご紹介したい。
黄色枠内を拡大
よく見えないので、さらに白い枠付近を拡大。
白い看板と後ろに小屋のような建物が見える。これが映画のシーンに出てきた案内板ではないかと仮説。
これを検証してみた。
ネットで見つけた1枚の手掛かりになる写真を発見!
黄色い枠内の看板に注目。
ネットより写真引用
拡大してみる。
名所案内看板と駅名標板が並んでいる。看板の内容は、映画に出てきた看板の文面と一緒。
でもこの看板ではない。何より背景に羊蹄山がないのでこちら側ではない。
では反対側はどうか?
すると画面右に見える反対側のホームにも、同じく2つの看板があることが確認できた。(白い矢印と枠のところ)
やはりこの看板を映していたのだ。
案内板の後ろには映画と同じ小さな建物もあり、そして背景には羊蹄山がある。
これによりこのシーンは駅のホームから羊蹄山を撮影したと確定。
こんな風に羊蹄山が見える場所なのである。
出典:Google
カメラ位置はこんな感じだろうか。
そして京極駅から寅さんが出てくる。
カメラがパンするので全部のアングルを繋げてみた。
現在は廃線のため駅はなく、遠くに見える「昭和56年度地域農業生産総合振興事業 京極町農協麦調製保管出荷施設」の建物だけが撮影当時を偲ばせる。
出典:Google
「昭和56年度地域農業生産総合振興事業 京極町農協麦調製保管出荷施設」
ネットより写真引用
映画のシーンへ戻る
場面は再び京はるみの歌唱シーンとなり
そしてまた寅次郎の旅先へと移る。
再び羊蹄山だが、先ほどとは見え方が違う。
町は祭りの準備で賑わっている。
ここは建物が現存していて確定ができた。
テキ屋仲間の長万部の熊(佐山俊二)と喧嘩になる。
出典:Google
このアングルもすぐそばの場所からの撮影。
比較してみるとこうなる。丸のついた建物が同じ。羊蹄山も見える。
ストリートビューのため角度は少し違う。
もう少し左からの撮影。
出典:Google
カット変わって羊蹄山俯瞰。見惚れてしまうロケーション。
この京極駅からのエンディングロケ地。
近場で撮影をしていると思いきや、実は車で20分くらいの少し離れた場所。
出典:Google
出典:Google
この場所もいつか旅してみたい。皆さんもこの景色をぜひ!
おしまい。