39作での新発見

2018/1/15

「39作での新発見」  男はつらいよ

シリーズの39作目

『男はつらいよ 寅次郎物語


この作品のラストを皆さんは覚えているだろうか。

思い出せない方のために少しだけご紹介すると

シーンは三重県伊勢市の二見浦にある「夫婦岩」の


アップから始まる。 

ポンシュウたちとバイをしている寅 

場所は「契りの松」のそば。 

昭和28年9月25日台風13号により

流失したままであったが、

平成3年5月23日に

ここにおよそ40年ぶりに

昔ながらに再現したものである。・・・立看板より

39作が撮影された昭和62年当時には

まだ松は無かった。


シーンでも「二見浦」の看板が出てくる。 

寅たちのいる場所の引きの画。 

「夫婦岩」の引きの画。

ここまで見せられたらもう完全に意識は

三重県伊勢市二見町江になるのは自然の流れ。


そしてラスト約5秒の俯瞰。

当然その流れからのラストの俯瞰も

二見浦なんだろう、と

何の疑いもなくこれまでずっとそう思っていた。



しかし、いざ調べてみると・・・

この俯瞰、二見浦では無い! 

ではその前に出てきた志摩近辺なのだろうか?

いや、志摩でもない。。。


この俯瞰を探し始めたきっかけは吉川さんからのお話。

あの俯瞰

どうやら一筋縄じゃ行かない感じです。

■目の錯覚に惑わされているか・・・


■たぶんどこかしら開拓されたりして

 かなり変わってしまった か・・・


■ちょっと意外な場所なのか・・・


どのロケ地本でも、そしてまだ誰も解明できていない

39作のラストの俯瞰。


井戸掘り職人の寅福(吉川さん命名)としては

これはチャレンジしなくては!と。


そこから今回の探索は始まった。

先ずはGoogl Eearthで地道にローラー作戦。

映画のような俯瞰を色々な角度で探してみたが

これが全くヒットしない。



仕切り直し。

映画の俯瞰をもう一度よく見てヒントを探してみる。 

黄色線部分

海の向こうに山が横に広がって見えるので陸地があるはず。


ピンク囲み部分

防波堤があり灯台がある。


緑囲み部分

急斜面が特徴的。





そんな折、吉川さんから再びこんな話を頂いた。

なんか・・伊勢鳥羽エリアではなかなか、難しい・・・。

向こうに「陸か半島」か「島」かがうっすら横に伸びて

見えていますので太平洋にバーンと面しているエリアでは

なさそうです。


海で養殖っぽいことしてるので

やはり伊勢鳥羽エリアか志摩エリアとは思いますが・・・



吉川さんも同じような部分を見ていらっしゃる。




吉川さんの考えを自分なりに整理してみると・・・

①海の向こうに陸が見えます。


②海で養殖してます。


③伊勢志摩ではないかも…


この3つのキーワードが

ロケ地解明に向けての大きなヒントとなった。



この3つのキーワード、

何となく以前経験したような…

そんな思いからおぼろげに

次のシーンを思い出していた。


16作では海向こうに陸地が見えてたな~ 

海の向こうに山がずっと連なって

不思議な感じがしたな…


16作の調査で地元の方に真珠の養殖の話を聞いたな~ 

そして16作調査中、航空写真では

真珠の養殖場を多く見たな~


急な斜面、切り立った岸壁でない…あ、そういえば 

内浦にもとても傾斜のきつい淡島があったな~





え?


状況がかなり似ている。




この沼津市エリアは16作、24作、41作と合計3作品に

登場した山田組のお気に入りの地域。

ま、まさか・・・




もう一度整理してみた。 

ピンク枠の中アップ。 

防波堤の内側に何かの養殖場がある。真珠か?


黄色の部分 

うっすら見える山が24作の距離感に近い。


緑枠内 

急角度の斜面が特徴的。

これも内浦の淡島に似ている。


ま、まさか・・・


直ぐにGoogl Eearthで見てみる。


あ、あ、ああああ! 

似ている!!!


映画と比較してみる。 

色別にポイントをつけてみて稜線を比較。



全く同じ!


遂に発見!

何と39作のラストも

沼津市内浦エリアだったのである!



カメラ位置と方向 

Googl Eearthでも確認。完璧。 

出典:Googl Eearth 

なんとこの地域だけで

16作、24作、39作、41作と

合計4作品のラストショットを撮影している。

何かあるんでしょうね、この地域には。

思い入れの強さを感じます。



それとは逆に39作のラスト付近のシーンは

撮影場所がこんなにも離れ点在している! 

これには驚きました。



このラストの俯瞰が判明したのが昨年2月末のこと。

あとは現場へ行くだけだった。







そして昨年の12月。

寅マイスターである

吉川さん、ちびとらさんの両名と共に

遂にその現場に行くことができた。





ご覧頂こう、ここが現在の39作ラストの俯瞰である! 

絶景である!



この場所へは細い急な斜度の道を延々上っていく。

結構大変。

そして木々の開ける場所に辿り着くとその眼下には

目も眩むような内浦湾が一面に広がる。 

パノラマ風 

極度の高所恐怖症なのでかなりビビリました。

目まいがするくらいの絶景でした。



映画のシーンと合わせてみるとわかる。 

全く同じ!

まさしくこの場所にカメラを据え置き撮影したのである!



感無量。

初登頂である!





しかしなぜ伊勢湾と全く関係ない内浦湾が

39作のラスト俯瞰に使われたのだろう。


景色としては絶対に一度は使いたいと思うくらい

素晴らしいものではあるが・・・


これはきっと何かしらの事情があったのではないか?

情報お持ちの方いらっしゃればよろしくお願いいたします。



この度も長文お付き合い頂きまして

誠にありがとうございました。


吉川さん、ちびとらさん 

今回もお世話になりました、ありがとうございました。




おしまい。