おふみさんのお店
2022年9月
おふみさんのお店はどこ?
寅さんファンの方より「おふみさん(松坂慶子さん)のお店はどこなのだろう」というお話を頂いたので、今年の6月~7月にかけキッチリと調べ、そしてロケ地に行って確認してみたというお話。
27作は多くの寅ファンの方々がロケ地を訪れ、そのほとんどが解明されているのであまり自分の出番もないかなと思い、ほぼすべて探していなかったが、今回のお話を受けて「確かに誰も探していない!」という事で探し始めた。
ふみさんの働いていたお店以外は、すんなりと発見。
では早速おふみさんのお店に行くまでを順に紹介してみたいと思う。
【インサートロケ地】
宗右衛門町通り
大阪府大阪市中央区心斎橋筋
左側は「心斎橋筋」出入口
奥に「宗右衛門町」の看板が見える
「心斎橋筋 出入り口前近く」
【インサートロケ地】
心斎橋筋商店街
ここは入口すぐの左側
現場に行っている時は見つけられず、帰ってきて整理し始めてから気が付いたので写真はGoogleストリートビューより
ネットで見つけた写真。映画と同じ看板がある
「ユリヤ」というお店は今もある。「靴のアメリカ屋」や反対の右側の「マルショウ」、「ヒロタビル」が同じく写っている。
当時の住宅地図で検証。間違いない。
「心斎橋筋 出入口入って直ぐ付近
【ロケ地】
「宗右衛門町」の看板手前付近
戎橋方向から当時のキリン会館を右に曲がりおふみさんが歩いてくる。
キリン会館の映る貴重な映像。
この時のグリコネオンはこのタイプだったようだ。
「宗右衛門町」看板手前付近
今はもうキリン会館の面影は無い。
【ロケ地】
そのまま宗右衛門町通りをどんどん進んで「がんこ寿司」、「田舎そば」、「日新ビル」前を通過し歩いて行くおふみさん。
道頓堀派出所 手前付近
お店が一致。おふみさんは宗右衛門町通りをここまで歩いて来ている。
【ロケ地】
宗右衛門町通りを歩いているおふみさんはここまで。
ここを画面左方向に曲がると「太左衛門橋」。
その「太左衛門橋」を渡ると道頓堀商店街へ行ける。
向こうに見えるのが戎橋
そして右に曲がり真っすぐに進む。
左にあるたこ焼き屋さんの所を曲がると・・・
実はおふみさんのお店があったところに辿り着くことができるのである。
それでは、おふみさんのお店発見までの経緯をご説明しよう。
おふみさんと板前・誠(斉藤洋介 さん)が会話をするシーン・・・このロケ地が結構な難関で中々見つからなかった。
画面から見て取れるヒントは結構ある。
左から
①「洛山」という案内
②「山本」、「シオヤマ」、「や(き?)鳥」の看板
③「らくざん」「天ぷら梅・・・」という看板
④「中央軒」という名前のお店
ネットで現在の「中央軒」のお店を目標にして探した場所がこちら。
何となく映画のシーンと雰囲気は似ている。
電柱や標識はそのまま残るケースが多いので、ここである可能性は高いが、如何せん決定的な物証が無い。
決定的な物証がないとなるとあとは当時の住宅地図で確認するしかない! という事で後日、図書館に行って調べてみた。
【調査報告】
まずは昭和56年頃の職業別電話帳で調べてみた。
発見できたのが「中央軒」、「洛山」。共通する住所は今はない大阪市南区。
(※1989年(平成元年)2月13日 - 東区と統合され、現在は中央区となっている。)
ここは当初ネットで調べていた「似ている場所」とは全く違う場所。
その住所を一番近い年代の住宅地図で確認してみると・・・何といっぱつで全部発見!
古い地図は手書きのため、もう少し新しい地図で確かめてみた。
答え合わせ!
①「洛山」という案内 ⇒ くしかつ「洛山」あり!
②「山本」、「シオヤマ」、「や(き?)鳥」の看板⇒ スナック「山本」、果実「シオヤマ」、スタンド「やま鳥」あり!
③「らくざん」「天ぷら梅・・・」という看板 ⇒ くしかつ「洛山」、「てんぷら梅園」あり!
④「中央軒」という名前のお店 ⇒ このお店だけ無くなったが、古い地図には「中央軒」あり!
あるわあるわ全部ある。もうここで間違いない!確定である!!
そして今回の真の調査目的はおふみさんの働いていたお店の名前。そのお店の名前は・・・
料理「まつ本」発見!
電話帳でも調べてみた。発見!映画と同じ書体の「本」の字。
という事でこちらも同じく行ってみた。
ここがおふみさんと誠が話をしていた場所なのである!
大阪府大阪市中央区道頓堀1丁目 付近
そしてこの辺りに「まつ本」の出入口があったと思われる。(おふみさんが入って行った場所)
映画シーンの反対側からみた映像。右にある「焼肉 本家とらちゃん」の看板が何とも言えずいい味出している。
すぐそばには有名な「法善寺横丁」の看板がある。
ここがロケ地に選ばれたのは、やはり松竹のお膝元という事が理由なのだろうか。
今回の調査でまたひとつ不明ロケ地が解決できた。
ただこの日は時間が無かったため、何も食べることができずそのまま帰宅。次回訪問する機会があればもう少し余裕を持って行き、くいだおれてみたいと思う。
おしまい。