ワット君の電柱

ただ今世間では、

連続10日間という超大型連休や

31年目の平成がいよいよ終わり

新しい元号「令和」を迎えるとして

何やらざわついている。


そんな中・・・


一部の寅ファンが、大いにざわつきそうな

超大物(一般的には見向きもされない)ロケ地

遂に発見されたので

今回は1枚の比較写真を速報版としてご覧頂きたい!




※注意!

今回もまた物語とは全く関係ない発見のため

純粋に映画を楽しみたい、という方はご遠慮ください!





ご覧頂くのは

第20作

「男はつらいよ 寅次郎頑張れ!」より

(1977年12月24日公開)


ワット君こと中村雅俊さんが

仕事で電柱に登る有名なこのシーン!

長年探し続けていたこのロケ地が

今回遂に見つかったのである!



このシーンは約18秒と一瞬ではあるが

ワット君がどんな仕事をしているかをしっかりと印象付ける

非常に重要なシーンなのである。



それではご覧頂こう!

これがワット君の電柱ロケ地である!!

いかがであろうか?

まだストリートビューでの比較のため

映画とは若干カメラの高さに違いはあるが

ほぼ高羽アングルに近づけたと思う。



物的証拠も発見できているので

間違いなくこの場所ではあるのだが

まだ現地調査を終えていないため

今回はこの写真のみでのご紹介とさせて頂きたい。



現地調査は5月中となりそうなので

詳細のご報告は恐らく5月中旬以降になる予定。



しばらくお待ち頂きたい!



それではまた後日、

「令和」でお会いしましょう!!

令和元年

5月某日

天候・晴れ

気温・20℃










1977年(昭和52年)12月24日公開作品

第20作 男はつらいよ

寅次郎頑張れ!

ご紹介するのは本編の18分過ぎあたり

ワット君が電柱で作業しているシーン。




このシーンでは「柴又」という表記が目立つ。

赤丸内

・電柱には「柴又幹77

・作業員の保安帽には「柴又電工





ここまでされると「ロケ地は柴又では無い」と

考えるのがフツーなのかもしれないが


これがなぜか「柴又かもしれない」

という考えをどうしても捨てきれなかった。





■このシーンに拘る理由

そもそもなぜこのシーンにそんなに拘るのか…

別に柴又であろうが大船であろうが

物語的には何の支障もないのだから

そんな事どっちでも良いじゃないか。

最初は確かにそんな感じであったと思う。



ところが吉川さんの一言で考えが変わった。



「ワット君の電柱は

柴又ロケの可能性がある。


これが解明されなければ

柴又ロケ全解明とは言えない!」

(ヒエ~、何のこっちゃ~(;^_^A )






まだまだ不明ロケ地が多い中、

なぜか今年はワット君の電柱に気持ちが集中した。



電柱探しは以前からしていたが今年は更に細かく探してみた。


そして見つけたのがこの電柱。

映画では「柴又幹」であったが

同じ番号「77」を付けた電柱を発見!!


これを見つけてしまったがために

益々柴又を候補から外すことができなくなってしまった。




これにより柴又をローラー作戦。

発見した電柱は柴又駅近くだったので

駅周辺をくまなく調査。



しかしその後は何も進展がなく

いよいよ手詰まり状態となり途方に暮れ始めていた。




そんな折、フッと下のシーンを思い出した。

第6作「純情編」で松村達雄演じる医師のいる

病院が映るシーンである。




電柱に帝釈天のポスターが貼ってあり

いかにも柴又っぽくしているが

実は撮影に使われたロケ地は大船駅の南西にある

鎌倉市岡本2丁目なのである。つまり大船撮影所の近所。





電柱を「柴又風」にするのは山田組として前例がある…

今回も電柱が「柴又風」…




今回調査しているのは第20作。

公開は1977年(昭和52年)

ワット君こと中村雅俊さんは人気が凄く

この時期は超多忙なスケジュールだったはず。


映画を全般的に考えてみると

比較的大船セットでのシーンは多い。



これは…状況的に可能性が高いのは

柴又ではなく

大船で撮影されている!

それも撮影所のすぐそば!

(仮説)

この仮説から1977年当時の航空写真を確認。

大船撮影所近辺で空地の目立つ場所を調査。

(日影が少ないので空地を想定)


そして見つけたのが

前回ご覧頂いた下の写真に写る場所だったのである。

ではなぜここをロケ地と

確定したのか?物証は?



映画のシーンで右側に特徴的な「塀」がある。

2019年現在は変わってしまっているが

ストリートビューを確認してみると2010年3月の写真が

かろうじて残っていて映画と同じ「塀」が確認できたのである!



それがこちら!!

アップにしてみる。

赤丸部分が同じ。

青丸部分のブロック角を

丸くしているのが同じ。




この細かな特徴が一致したことで

物証確定!

これが決め手となったのである!






そして5月某日…

大船へ!

現場に行くことができた。





それではご覧頂こう!

これがワット君の電柱である!!

左側手前にあった赤いポストの家は今はもう無い。

周りの風景も激変しているがやはりどこか面影がある。





もう一つの物証

電柱の向こうに見えるアパート。

このアパートは1977年の航空写真でも写っている。

赤い囲みがワット君の電柱!

<1973年地図と1975年写真との比較>

見えていたアパート名は

「第二あづま荘」これが正しいようです。

当時と屋根や壁の色は変わっているが建物は同じ。

斜めの電柱等(赤丸印)は恐らく撮影当時と同じ。

最初にこの場所を発見するきっかけは

実はこの斜めの電柱だったのである!

電柱の細部は映画とはかなり違っている。

表面のコンクリートの色も新しく見える。


「傾いてんじゃないかな~」とワット君が言っていた電柱は

今はもう真っすぐになっている。(笑)



で、肝心の電柱だが… 

現場のプレートは「岩瀬558」

現場でわかったのだが

考えてみたら映画でのプレート位置は変。

本来プレートは道路に面した場所についているはず。

映画のように電柱の横に付いているはずはない!


この事に気づいていたら発見はもっと早かったかも…




残念ながら電柱自体はワット君の時とは変わっているようだ。

全く同じでなかったのは少々残念。





そしてロケ場所はここ。

神奈川県鎌倉市岩瀬1丁目

ここは(現)鎌倉女子大の裏門から直ぐの場所。

という事は(旧)松竹大船撮影所の裏門でもあるので

本当に撮影所直ぐの場所だったのである!


<1976年地図>

<現在の裏門の様子>

この電柱のロケ地を初めて話題にしたのは約10年位前。

まさか本当に見つかるとは思ってもいなかった。


この電柱のロケ地を話題にされている方はきっと他にもいらっしゃるだろう。


もし同じようにロケ地を探されていたとすれば、今回の発見はかなり共感頂けると思う。


ま、フツーはそんな事、考えたり探したりはしないでしょうけどね。(;^_^A

2019年、令和元年、5月吉日


大船にて。




おしまい。