奈々子のマンション

2023年8月投稿

1978年8月5日公開

第21作

『男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく』

今作のマドンナは、紅奈々子(木の実ナナさん)。

奈々子のマンションは、夜のシーンで登場する。

しかも大雨!

映像はかなり暗く、この画像ではロケ地発見は恐らく不可能・・・

探す前から諦めモードになっていた。

気持ち的にこんな状態だったこともあり、真剣に探すこともなく、ただただ月日だけが流れていった・・・。

そんな折、最近になって吉川さんより不明ロケ地一覧を提示されたのだが

その中に今回の奈々子のマンションが入っていた。

元々諦めモードだったこともあり、さほど記憶には残っていなかったため

今回再提示いただくまではすっかり忘れていたのである。

「このシーンはマドンナ(奈々子)の気持ちが込められた、ある意味この作品でのクライマックスシーン。これほど重要なシーンのロケ地が、未だ見つけられていないというのは非常に残念に思う。」

そんな吉川さんの言葉にいつも後押し(踊ら・・・^^;)されて、

これまでも様々な困難を乗り越えてきたわけで・・・

しかし、このロケ地のヒントとしては上の2枚のキャプチャーのみ。

もう十何年も放置したまま。

だって見つからないでしょ。実際の話。無理無理!

劇中では奈々子は葛飾区の高砂に住んでいると言っている。

でも映画撮影だから、当然大船撮影所近くも考えられるわけで・・・。

それにしてもヒントが無さすぎ!

絶対に無理だろう!と改めて思った・・・

そう昨日までは。

で、本日は仕事も休みということもあり、もう一度映画を見直してみた。

そして、このシーン・・・

あっ!?あれ??

そう、ある事に気がついたのである!

この気づきにより一気に捜索は進み、急転直下の歴史的な1日となったのである!

なお、この先はまたしてもとても刺激的な内容となっております。

純粋に映画の本編だけを楽しみたい!という熱烈な寅ファンの方々にとりましては

非常に不利益な情報になるやもしれません。

ですのでここから先は、いつもながらの・・・

自己責任においてお進みください!

奈々子のマンション、捜索開始!

話は戻りまして、奈々子の住んでいるマンションは

映画のシーンでは暗闇の中と激しい雨のため、捜索は不可能と思っていました。

今回の発見は、このシーンでの気づきが発端となったのでした!

映像を少し明るくしてみます。

バイクが走っているので、ここは道路だという事はわかっていましたが、

右の方には柵と、その柵の道路側に街路樹がある事がわかりました。

では柵の右側は一体何なのでしょうか。(黄色の”?”マークの所)

で、注目したのが黄色の点線で囲った部分。

ここは動画で見るとわかるのですが、多くの波紋が見えるのです。

波紋といえばですよね。

道路を見ると、奥の明るい所に水溜りが見えます。

でもそれほど波紋は目立ちません。

目立つくらい多くの波紋が出るような水溜り・・・

ひょっとして川があるのか?

仮説:「?」マークの位置には川があるのでは?

川と仮説をたてた瞬間、すぐに大船を思い出しました!

あるんですよ、大船には川が!砂川!!

しかも大船撮影所のすぐ近くに!!

もう何度もその川沿いを歩いていますので、よ〜く存じております!

ピンクで印した部分が「砂押川」!

このシーンに出てくるのは

木の実ナナさんと、国際劇場照明係・宮田隆役の竜雷太さん。

この二人が、夜のシーンを撮影するだけで高砂に行くとは思えない・・・。

やはり大船が怪しい!!

という事でいつものGoogleマップの出番!

川沿いの一番それらしい所を確認してみた。

う〜ん・・・

それらしき建物は見当たらない・・・。

このシーンの建物があるはずなのだが・・・

ならば今度は伝家の宝刀!

同じ場所の過去の写真(タイムマシン)で確認してみた。

すると・・・

あっ!!!!

発見!!!!

映画のシーンと比較してみよう。

検証!!!

赤色:金網が同じ、窓の形も同じ

水色:レンガ風ブロックが同じ

ピンク:通風孔?の形が同じ

黄色:電柱、ブロックの在り方が同じ

新発見!!

銀河系初登頂!(笑)

場所はここ!ピンク丸の部分。

大船撮影所からすぐの場所!

撮影の場合、演者の付近にある公衆電話や電話ボックスは

大抵が撮影用の小道具。

恐らくこの電話ボックスも持ってきたと思われる。

恐らくカメラ位置はここだったのでは?(赤丸)

ということで、またしても山田組のトリック!

ま、映画ではよくある事ですが(^^;;

そして現地へ・・・

そして、2023年8月某日。

遂にその時は来た!

実際に現場へと行ってみたのである!( ̄▽ ̄)!


丁度、マンホールの辺りに奈々子と隆は雨の中、立っていたのだ!

そして水面にキラキラと波紋が映っていた砂押川。

今日もキラキラしてました!!!

春は桜が咲いて綺麗なんでしょうね〜。

ちなみに、奈々子のマンションは

元「太陽神戸銀行 大船第二寮」でした。(^_^;)

結論:

紅奈々子マンションは葛飾区高砂ではなく

神奈川県鎌倉市大船2丁目であった!!

見つけてしまえばそんなものかといった具合ですが・・・

ここも相当長い間、不明ロケ地でした〜(T ^ T)

この度も歴史的瞬間にお付き合い頂き、誠にありがとうございました。

これを読まれた貴方も歴史の目撃者のお一人です!



おしまい。