静岡県ロケ地

2016/12/24

「静岡県ロケ地?C」  男はつらいよ

最後はこちら

28作「寅次郎紙風船」


場所は旧焼津港

出典:GoogleMap



俯瞰からシーンは始まる。

この俯瞰を撮影したカメラ位置はココ

笛吹段公園そば


満観峰(まんかんほう)からも焼津港は見えるが

出典:GoogleMap

映画の俯瞰とは少し角度が違う。

現在の風景

出典:Googleストリートビューより


木が邪魔なので少し横にずれてみる。

画面左側の風景が映画と同じなのがわかる。

間違いなくここが撮影時のカメラ位置。

地図で言うとココ

ところが当日場所を間違えてしまった…

目測を誤ってしまったのである。



当日最初に行った場所は候補地?@


候補地?@はこんな感じで色々と遮られて下が見えなかった。

下が見えなかったため

遮られる=高度が低い、と錯覚してしまったのである。

ここから目測が狂い始めた。



下が見えなかったため次に移動したのは候補地?A

更に高度を上げなければと移動したのである。


斜めから見るとこんな感じ

段々と上へ昇っていったのである。


候補地?Aから見た風景がこちら

今度は右にある木々が邪魔となり

映画で映っている特徴的な道路がしっかりと見えない。



更に高度を上げれば何とかなるのでは、と再び移動

元々この場所はあまりに高度が高すぎるので

事前調査では候補地としていなかったが

行ってみて驚いた。


息をのんだ物凄い絶景がこちらである!

空がとても近くなり

水平線が地球の丸さを教えてくれる。


高羽アングルジャストではないが

これはこれで感動を味わうことができ

ここへ来れて良かったと思えた。





その後向かったのは「旧焼津港」


寅と愛子(岸本加世子さん)が

愛子の兄、小田島健吉(地井武男さん)を港で見送るシーンを

撮影した場所。

特徴的だったかまぼこ屋根は今はもうない。



昭和29年(1954年)に築かれた旧焼津港

特有の景観を持つ「かまぼこ屋根」の建物。


旧焼津港の象徴でもあったこの屋根を

保存したい、という声もあったようだが

老朽化のため止む無く2006年頃より解体され

今はすっかりその面影は無くなってしまっている。


「かまぼこ屋根」を知れば知るほど

その風景の映る今作品はこれまで以上に貴重に思えてくる。




<映画>と<現在>

左の映っている建物が当時と同じ。(アップで比較)

同じアングルで撮影できていることが確認できる。

今の風景と重ねるとこんな感じ

船の「第二十八…」の名前は今作の「第28作…」と同じ。

単なる偶然なのだろうか…

カメラ方向

続いて

寅と愛子の位置を特定してみる。

目印は後ろに映る「船員サービスセンター」の看板の建物。



残念ながら今は取り壊され何も残っていないが

何とGoogleストリートビューでは奇跡的にその姿が残っていた!

比較するとこんな感じ

地図上で確認。

そこから寅と愛子のいた場所を特定してみる。


ピンク囲みが「船員サービスセンター」の位置。

その建物の前に映画と同じく赤点線で目印にした

かまぼこ屋根がある。


なのでその隣の屋根が寅と愛子のいた場所!

黄色丸で確定。



その後愛子は船を追いかけこの位置まで移動する。

画面右から左に移動してくる。


この黄色の線であらわした通りに移動したと思われる。


現在の写真で


【後方ショットからも検証】

手を振る寅と愛子


画面右から左に移動(黄色矢印)

動いたことで対岸のビルにある貯水タンク(ピンク囲み)らしきものが

一瞬見える。



これは現在もあり目印にできた。

このビルの貯水タンクが映っていたのだ。

引きで見てみよう。

恐らくはこの黄色囲み内が寅と愛子の立ち位置と思われる。


黄色矢印で移動

<映画>

<現在>

比較…対岸の風景は激変しているが

ピンク囲みの部分のコンクリートのへこみが同じ!

寅も愛子もこの景色を見ていたのである。

そしてラストのワンシーン。

マグロ船は外洋へと出ていくのである。



最後「終」のマーク

撮影場所は恐らくココ

出典:GoogleMap


映画と比較

目印となる赤と白の灯台が左右逆になっているが

これは撮影当時と灯台の位置が変わっているから。


灯台の位置比較

黄色線はおおよそのカメラアングル。

点線は映画撮影時の灯台の位置。

赤い灯台は右へ

白い灯台は左へ移動しているので

カメラアングルで見ると左右入れ替わったように見える。


白い灯台は

焼津港焼津南防波堤北灯台

塗色構造:白塔形

灯  質:連成不動単閃緑光

     毎4秒に1閃光

光達距離:Fl 10海里

     F 5海里

塔  高:12メートル

灯  高:17メートル

(データ出典:Lighthouse-JAPAN)

 


ただ今回は事前調査不足のため

この位置からの撮影はできず。


今回はもう少し南下したこの位置からの撮影となった。

特徴的な赤白の灯台が目視でき高揚感に包まれ

現場では冷静な判断ができなかった。


映画とは逆だが船の入港に興奮。


少し宿題の残る焼津港ではあるが

実り多きロケ地探訪となった。


気候条件が良ければここからも見事な富士が見える。



ひょっとすると山田組は

こんなエンディングを予定していたのかもしれない。

おしまい。





今回も全4回と長いレポートとなりましたが

最後までお付き合い頂きまして

誠にありがとうございました。