あのお店発見!

2014/2/14

「第5作 あのお店発見!」  男はつらいよ

作 ~望郷篇


山田監督、渾身の作品。



舞台は千葉の浦安


かつて漁師町として栄えた町。


映画でも最後の漁師たちの雄姿が残っている。

境川東水門


ここは最後まで寅さんの故郷として候補になっていた

縁もゆかりもある場所なのである。



そして・・・

「男はつらいよ」をTV版から観ていた方には

非常に思い入れのある作品でもある。


ご承知の方も多いと思うが

何とTV版のさくらとおばちゃんが出演しているのである。

新旧のさくらが相対する非常に貴重な作品でもある。




そんな人気作品ということもあり

この第5作のロケ地は非常に多くの方が

ロケ地巡りをされている。



漁師町として賑わった時の目抜き通り

「フラワー通り」 


実はこの「フラワー通り」は知る人ぞ知る

浦安でのロケ地の名所なのだ。


ここをご紹介するHPもあり。

「浦安サンポ」




節ちゃんの勤めていたパーマ屋さんは直ぐに見つかる。 

ストリートビューより↓

フジ美容室 

しかし残念ながら今はもうない。 

今回ロケ地調査に挑んだのは

節ちゃんの実家でもある「とうふや」さん、


寅さんが汗と油にまみれて働いたお店。


この一番大切な場所だけは

なぜかこれまでどこにも特定されていなかった。



その場所が今回のロケ地捜索で

遂に発見できたのである!



ご紹介したい。



先ず映画のシーンをおさらい。


寅の送った郵便からさくらが浦安に向かう。 

境川西水門 


庚申塚でおとうふやさんの場所を聞くさくら 

庚申塚 

そして「とうふや」の看板を見つけるさくら。 

この路地を入っていった先の「とうふや」に寅さんはいたのだ。





この路地を「とうふや」の方から反対に見たシーンが↓こちら。 

ここがどこなのか…手がかりは正面に見えるお店と判断。 

どうやらおそば屋さんのようだ。

名前は…○八 

こうなると当時の住宅地図で確認したい。


…で行ってみた。浦安市立図書館。 

当時の住宅地図がこちら↓ 

ピンクの丸印が探していたおそば屋さん。

名前は「喜八」だ。


場所はなんと正福寺の入り口の脇。


■正福寺入口 

■正福寺入口

右手が「喜八」跡



このお寺は劇中で源ちゃんがバイをしていた場所なのである。

(奥に見える屋根が上の写真と同じ) 

源ちゃんがバイをしている所に寅さん登場 

現在の正福寺 

■正福寺入口(フラワー通り)

<映画> 

<現在> 

■正福寺内

<映画> 

<現在> 

■正福寺(入口右側より) 

↓当時の面影残るその後の「喜八」さん 

建物となりに見える壁と正福寺さんの門構え(ピンク枠内) 


現在はおそば屋さんは取り壊され現存していない。


現在の建物↓

ピンク枠内は上の写真当時と変わらず 

となると間違いなく

映画のこのシーンは↓ 

現在はこちら↓ 

となれば

道路を挟んだ反対側が節ちゃんの家の「とうふや」さんになる。



それが赤く印た場所。 

現在の姿↓ 


何となく雰囲気はあるが…



もっと何か物証はないか…

物証があれば、決定的なものが…


と探していると…



あった!




映画では薄緑色の小さな建物。(ピンク枠) 

なんと今もこの小さな建物は奇跡的に残っていたのである! 

同じような角度で比較してみる。


間違いない!ここだ!!


ということはその奥にあるお家が

当時使われた場所という事になる!!



遂に見つけた

節ちゃん家の

「とうふや」さん。





この事実、こちらにお住いの○野さんにも直接お訊ねしてみた。


すると「寅さん」映画に出たことはご存知の模様。


ここはファンにとって聖地であります。

どうぞ良き思い出として子々孫々まで語り継いで

いって頂きたいと思います。



当日は突然の訪問、誠にご迷惑お掛け致しました。

親切なご対応、心より感謝申し上げます。


本当にありがとうございました。



全体的な位置関係です。 


話を戻します。



映画での浦安シーンはもう少しあります。



■訪ねてきたさくらを送る寅

<映画> 

<現在> 

<映画> 

<映画> 

■その道中で節ちゃんの恋人(井川比佐志)に出会う

<映画> 

<現在> 

■境橋付近

<映画> 

<現在> 

■さくらと別れる。(新橋)

<映画> 

<現在> 



この新橋付近は撮影当時からは大きく変わっている場所である。

場所の特定はできてはいたもののあまりに大きく変貌しているので

映画から分かる物証を今回は探してみた。



映画のシーンをもう一度見てみると

<映画> 

お店の名前が読み取れる。

スナック プチ 

こちらも同じく当時の住宅地図で調べてみる。


すると… 

あった!!



スナック プチ 

となりの松の湯さんは今も健在 

ということで間違いなし。



<映画> 

<現在> 

上の画像のさくらの肩越しに映っているのは

当時の浦安町役場。貴重な映像です。 

現在はその跡地に記念碑があります。


碑にはこう記されています。




ここは浦安町堀江古田四三六番の

一の地は 明治二十八年四月五日

浦安村以来大正時代を経て 昭和

四十九年十月三十一日まで浦安町

役場があった所です


この銅板写真の役場庁舎は明治

四十四年二月二十日に完成し 今

の六階建の庁舎に移転するまで使

用していた古い庁舎で 当時とし

ては極めてモダンな建物で 瓦葺

平家和洋折衷造りで 浦安町の自

慢の一つでありました またこの

位置は豊かで清らかな江戸川の流

れ込む境川に沿って 役場のほか

 漁業組合 罐詰工場 貝むき場

などが軒をならべ 魚貝や海苔を

満載した船の櫓櫂のきしみは時代

の移りと共にエンジンの響きと変っ

ていきました。


そしてこの七十余年の永い間

汐の香に育ぐくまれて 村政から

町政へと自治の花が咲き続けてき

た由緒ある所です


今ここに往時を偲び碑を建て記

念とします


昭和五十二年十月


浦安町




今回さくらが訪れた場所のまとめです。 

今回は長い長いレポートとなりましたが

最後までお付き合い頂きまして誠にありがとうございます。



そして…

今回のロケ地巡りでご一緒させて頂きました

吉川さん、ちびとらさん。


本当にありがとうございました。

お二人のお力無しでは到底成し得なかった発見です。