40作キクエさんの家

2015/12/8

「40作キクエさんの家」  男はつらいよ

第40作

サラダ記念日


この作品の舞台は小諸。

寅と小諸駅前バス停で出会った

鈴木光枝さん演じるキクエおばあちゃん。

キクエおばあちゃんの家は小諸市内ではなく

バスを使わないと行けない少し離れた場所。

劇中では山間部の農村で一人暮らしの設定だが

現場も映画と同じかなりの山間部。



このシーンでかなり山の斜面に村があるのがわかる。

今回道路がふさがっていてここまで上って行けず。


ストリートビューではちゃんと行けている。

画面左手前に映っている家はこちら。

映画とは逆の正面から撮影。

劇中でも少しだけ銀色の屋根が見えている。



青い屋根の家はこちら。

映画の撮影ポイントより一段下がった所から撮影。



場所は長野県上田市


今回はこの場所を訪れてみた。

この蔵は当時の物とは違う。

そして場所も少しずれているが

雰囲気が良かったので撮影。

おばあちゃんの家を畑越しに見る。


ここへ来るための一本道。

かなり勾配がある事が写真でもわかる。


屋根が綺麗になっている。

ここは高羽アングル忘れる。

左にあった蔵は無くなっていた。


小諸病院より車でおばあちゃんを迎えにきた

女医の真知子先生。


その後部座席に乗り込む寅とおばあちゃん。



おばあちゃん

ちょっと待ってくれんかな。


先生、ちょっと待ってくれって。


車の窓を開けるおばあちゃん。

遠くに聞こえるカラスの鳴き声も物悲しい。


愛おしそうに自分の家を見つめるおばあちゃん。

とても切なくなるシーン。


枯れ葉が一枚、また一枚とヒラヒラ舞い落ちている。

家が亡くなったおじいさんの面影を

映しているかのように見える。


流れる音楽。

おばあちゃん

これがへぇ

見納めだ。



そんなこたぁないよ、おばあちゃん。

な、きっと良くなって

また帰ってこれるって

先生もそうおっしゃって

くれたじゃないか。

手を合わせ、拝むおばあちゃん。

こらえきれず涙ぐむ。

おばあちゃん

ありがとう先生。

走ってええよ。

走り出す車。

おじいさんと過ごした思い出深い我が家も

まるでおばあちゃんとの別れを悲しんでるかのように

枯葉がまるで涙のごとく止めどもなく舞い落ちている。


3人を乗せた車は静かに山道を下っていく。



このシーンは作品の中でも

かなりインパクトの大きなシーン。


「先生、おら病院で死ぬのは嫌だ。

この家で死ぬんでやす。」


この家を出る前に言っていた

おばあちゃんのこの言葉…

その覚悟の言葉が胸を締め付ける。

あの古い大きな蔵は今はもう無い。









ここは家々が数件あるものの

訪れた時間が夕方という事も手伝ってか

とてもさみしい場所に思えた。

あえて詳しく場所のお知らせをしないのは

この場所に多くの人が訪れてしまうと

住人の方々の平穏な日常が壊れてしまい

ご迷惑をお掛けしてしまうかもと

危惧しているから。

お知らせできない事、どうかご容赦頂きたい。



反対側から見たおばあちゃんの家。

今は新しくなった立派な蔵が目を引く。

ここに渥美さんや三田さんが来られたというのは

何とも感慨深かった。


おばあちゃんのあの切ないシーンだっただけに

このロケ地はとても神聖なものに思えた。




サラダ記念日、

改めてもう一度観てみてはいかが。




おしまい。