ロケ地探訪-小諸篇-

2008/10/12

「ロケ地探訪-小諸篇-」  小諸

小諸にあります「寅さん会館」の紹介です。


隣接する駐車場より会館を眺める。


寅さんの大きな看板が見える。

歩いて近づいてみる。

噂の「金の寅さん」像。

隣には山田監督と寅さんの看板。

そうここは山田洋次監督の色んなモノも展示されているのだ。


正面にまわってみる。

残念ながら館内は撮影禁止のためここまで。

  「こもろ寅さん会館、誕生の秘密!?」  


■渥美清氏が「小諸のおとうさん」と呼んでいる人がいた。

 小諸在住の 井出勢可さん は、渥美さんから「小諸のおとうさん」と

 呼ばれている人物です。その井出さんが渥美さんや山田洋次監督との

 20年以上にわたる親交を通じて譲り受けた「男はつらいよ」シリーズの

 映画関係資料や渥美さんの生い立ちも分かる秘蔵写真等は

 数千点におよびます。

 

 これらの貴重な資料を広く一般公開することは

 井出さんにとって長年の夢でした。




■平成7年6月、渥美さんが亡くなる約1年前に、

 「渥美清こもろ寅さん会館山田洋次の世界」はオープンしています。

 「小諸に記念館を作りたい」と井出さんから言われた時、渥美さんは

 「記念館作ったって、いつまでもこの寅さんが続くわけはないし

 お客さんが来なくなったらどうするんだ。そんなことしたって、

 大勢の皆さんに迷惑がかかるだけだ」と言って大反対されたそうです。

 反対する渥美さんを何度も説得され、そして松竹や地元の多くの

 皆さん等の協力のもとで記念館を小諸の地に建てられたそうです。

 最後まで渥美さんは反対されていたようですが、いざ了承すると

 お持ちの資料をどんどん寄託されたそうです。

 そしてオープンの時は病気の体に無理をしながら山田監督と一緒に

 かけつけてくれたとの事です。

■わが友寅さん


 寅さん、おまえと日本中を旅して歩いた

 あの長い年月のことを、僕はどれほど懐

 かしく思い出すことだろう。


 ああ、旅先でおまえと語り合った楽しい日々!

 

 おまえの馬鹿馬鹿しい失敗談に笑いころ

 げ、おまえの家族を思う気持ちにしんみり

 させられ、そしてお前の数えきれないほど

 の失恋話に、笑いながらホロリとさせられ

 たっけ。


 寅さん、今頃どこで何しているんだ。

 日本のどこかで相変わらず美女に恋した

 りしているのか。


 それとも信州の小諸あたりの道端で

 小さな店をひろげて例の調子ばかりいい口上

 を叫んだりしているのかい?

 

 たまには帰ってこいよ、寅さん。みんな

 心配してるんだ、せめて便りの一本くらい

 よこせよ、あの金釘流のものすごい葉書で

 いいからさ。


 なあ、聞こえているのかい、寅さん。


 1997年8月


 山田洋次




寅さん会館で一番インパクトを受けたのは渥美さんご自身が書かれた

直筆の手紙や文章を直に見れたことです。

渥美さんのサインも直に見れました。

この感動は柴又の寅さん記念館とはまた別の感動でした。

渥美さんの歴史そのものです。

本当に行けて良かった。


柴又も良いです。小諸も良いです。できれば両方見れたら良いと思います。

まだ見れてない方は是非どうぞ!


小諸には山田監督直筆の下書きの脚本もありました。

脚本ってどちらかというと細かなところは省略されているのかと

思いましたら結構きっちり書いてありましてとても驚きました。

読んでいると一言一句映画のシーンを思い出せるくらい

きっちりしていました。これに渥美さんがアドリブを入れる。すごいことです。


金の寅さん像は写真で見るよりも実際は良かったです。

渥美さんの感想が知りたいですね。


1988年12月24日に公開された

シリーズ第40作『男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日』

(同時上映は、『釣りバカ日誌』の第1作。)


舞台となったのは長野県小諸市。


女医さんである原田真知子役に三田佳子さん。

その姪っ子、由紀役に三田寛子さん。


「小諸寅さん会館」が物語るように

小諸と渥美さんはこの映画以前よりとても交流の深い間柄なのである。


映画冒頭、笹野さん扮する「泥棒」が逃げ回るシーンももちろん小諸。


残念ながらその場所は今回の探訪では発見できず。


最初に訪れたのは真知子先生の勤務する病院。

ここは簡単に見つかる。



続いて向かったのは小諸駅。

そして同じく小諸駅にあるバス停。

おばあさんと寅さんの出会いの場所である。

小諸はこの他にも

渥美さんがいつも立寄っていたお蕎麦屋さんや

寅さん会館そばにある「懐古園」。

真知子先生の家から見える雄大な浅間山、

そしておばあさんの旧家

笹野さんの逃げ回る道路

寅さんがバイした「本町交差点」

・・・などなど

まだまだ観るべきところは沢山ある。


一度だけではなく再来訪しなければならない場所なのである。


今回の探訪は2007年8月のことである。

今年、2008年は7月に渥美さんの13回忌の式典も行われた。

何事もなければ行きたかったが

残念ながらそれは叶わなかった。


折を見て次こそはと心に誓う私なのである。



余談だが・・・


40作で登場する下の写真は

「男はつらいよ」でチーフ助監督を務められた五十嵐敬司さんです。

(「男はつらいよ」シリーズの第8作からチーフ助監督として勤められ、主にロケハンや風景描写の撮影などで活躍。第44作を最後に松竹を退社)