39作車窓発見

2016/1/17

「39作車窓発見」  男はつらいよ

男はつらいよ

第39作寅次郎物語


今回はこの作品の車窓をご紹介。


・・・とは言っても

実際の現場には行けていないので

webでわかる範囲での紹介という事で

ご容赦願いたい。




この作品は母親を探しに秀吉少年と寅が

一緒に旅をするロードムービー。




朝、車で柴又を出発するのだが

まずはその時間を考えてみる。



参道の「い志い」さんの店が開いている(画面左の暖簾)ので

間違いなく出発は「い志い」さんの開店時間の8時半以降。


車で東京駅に向かったとして

所要時間はおよそ1時間。


恐らくギリギリ9時台の電車に

寅と秀吉は乗ったと思われる。



その後天王寺駅の派出所から電話。

その少し前のタイミングで

お店を手伝っている男性が帰るので

閉店時間が夕方6時頃で片付けを終えた後とすると

恐らく電話のあったのは7時頃。


その時間に寅達が天王寺駅にいたとなると

寅と秀吉は新幹線では行っていない可能性が出てくる。


今の時刻表で仮説を考えるとこうなる。



9時32分 東京駅発

JR東海道本線 熱海行き

11時38分 熱海駅発

JR東海道本線 島田行き

12時42分 興津駅発

JR東海道本線 浜松行き

14時20分 浜松駅発

JR東海道本線 豊橋行き

15時03分 豊橋駅発

JR東海道本線 大垣行き

16時37分 大垣駅発

JR東海道本線 米原行き

17時18分 米原駅発 

JR琵琶湖線 播洲赤穂行き

18時47分 大阪駅発

JR大阪環状線内回り 西九条・弁天町方面

19時08分 天王寺駅到着



ということで寅と秀吉は

在来線で行った可能性が高い!



このペースで行けば、ほぼ一日かけて

夜の8時半頃には和歌山に着くはずだったが

派出所で足止めされてしまったため

やむなく天王寺で一泊する事になったのである。



----------派出所から旅館まででの一幕------------


女中さんがな、夜の10時頃になると

「うちパーティーやさかい、これで帰る~」

ああいう所はやめてほしい。

そんな寅の願いとは裏腹に

泊まった旅館の女中さんに

「わたしパーティーやから帰らしてもらうね」

と言われてしまう。

その後パチンコ店の閉店の音楽が聞こえてくるので

時間は夜の10時頃と思われる。


---------ここまで-------------------------------



翌日、天王寺駅からJR阪和線で和歌山に向かうのだが

その車窓が今回のメイン!



劇中では約40秒と非常に短いシーンではあるが

寅と秀吉は実際に阪和線に乗って

約1時間程移動していることがわかったのである!



検証?@


最初に外が見えるこのシーン。

ここは天王寺駅を出発して直ぐの場所だった。



先ず注目したのはピンク囲みの建物。

この建物は現在もある。

この階段も

裏側に回ればちゃんと見える。

映画の車窓でもう少し進んだシーン

YouTubeで見つけた画像

見えるベランダが同じ。




そしてもう一つ


緑で囲った部分。


これは近鉄南大阪線の橋脚

全体的にはこんな感じ

ライオンズマンションを過ぎて直ぐの車窓

同じ場所のYouTube画像

ということで天王寺駅から乗車していることがわかる。




検証?A


後半の車窓シーン。

場所は阪和線の鳳駅~富木駅の区間

余談だがこの場所に来るまでには途中

あの教科書にも載っている有名な「仁徳天皇陵」の

横を通り過ぎている。

まずはココ

現在の風景

場所は鳳駅を過ぎた後の車庫横

そしてもうひとつが非常に特徴的

この壁は

ここJR富木アパート7号棟


その直前のJR富木アパート6号棟も決定的。

現在

比較

最後車内では

「次は熊取」と言っている。

音声と映像はずれている可能性も…



そしてその後

和歌山駅到着のシーンとなる。

わずか約40秒の車中シーンではあるが

本物のロードムービーであることがわかった。


出典:YAHOO!地図

  


元々好きな作品であったが

これを踏まえ改めて観てみると

更に面白く観ることができた。



最後のシーンも感動も一入である。




おしまい