リリーのアパート

2019/5/13

「リリーのアパート」  男はつらいよ

第11作

はつらいよ 寅次郎忘れな草


1973年(昭和48年)8月4日公開



今作で初めてリリー(浅丘ルリ子さん)が登場する。


リリーと寅が初めて出会った場所については

以前の投稿をご覧頂きたい。👇

さて本日お届けするのは

リリーのアパートである。


俯瞰

<参考写真>

このロケ地は吉川さんの「覚え書きノート」で

ご紹介されたのが最初だ。



リリーの住んでいた町 錦糸町駅北口

2010年8月27日 寅次郎な日々 その452

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吉川さんもこのロケ地を見つけるのは大変苦労をされている。

手掛かりはこの俯瞰だけ。ここから読み解くしかないのだ。

今回はそのロケ地となった錦糸町へ

初めて行くことができた。



でも、その前に…



自分でもしっかりとリリーのアパートを調べることにした。



正確な位置を調べる手掛かりは

外観のこの映像と

部屋の中からの2つの映像のみ。



当時の航空写真なら特定できるはず。


映画は1973年。

航空写真は1975年。


ほとんど変わらないはず。

上から見た時に探すポイントは…


?@左隣にあるビル(赤●)


?A横長の屋根と横長の物干しスペース

(黄色ライン)


?B小さ目な長方形の屋根(?)(黄緑●)


この3つを目標にして(部屋の中からの映像より)

道路の左側を探してみた。

それらしい建物にエリアを絞ってみる

発見!

サンヨー堂さんの手前だ。

ちなみにサンヨー堂さんは現在もある。

(株)サンヨー堂さんは

缶詰を手がける明治13年創業の老舗メーカー。


元々の社名は「株式会社逸見山陽堂」だったが

映画公開の数年前に社名を(株)サンヨー堂に変更し

ブランドと社名を一致させ、なおかつ

”サンヨー”の”サン”を太陽の「サン」とも

ひっかけていたようだ。


なのでビルの側面が太陽のデザインだったのかもしれない。

リリーのアパート。

写真を横にして地図に合わせてみた。

リリーのアパートは当時の住宅地図によると

アパートではなかったようだ。

位置を確認して現在の航空写真に合わせてみる。

黄色い線は位置合わせ


これを元に現場に行ってきた。

それがこちら。

もう当時の面影はない。

少々強引ではあるが映画と現在を重ねてみると

こんな感じではないだろうか。

リリーはあそこに一人でいたんだな…と

何だかとても寂しい気持ちになった。



現在は赤い「長崎橋」は無くなっている。

道路の片隅にその面影を残すだけである。

川があった場所は今は埋め立てられ

公園になっている。

公園からはスカイツリーがよく見えた。





リリーもきっと驚くだろうなぁ~。