遂に発見!大物ロケ地

2024年5月投稿

寅次郎の妹、さくらの働いていた会社は「オリエンタル電機」

「オリエンタル電機」の電子計算機係をしていると、20年ぶりに帰郷した寅次郎においちゃんは話をしていた。


「オリエンタル電機」は

一体どこにあったのだろうか・・・


このロケ地については、公式HPで紹介されていない。

もちろんこれまで発行された情報本や、解説本などでも見たことも読んだこともない。

私たち寅仲間の間でも有名な

「大物不明ロケ地」の一つとなっていたのである。


「オリエンタル電機」で寅次郎とさくらが会話するこのシーンは、

第1作ではとても重要・・・いえ、

この映画シリーズを通して、非常に重要なシーンを撮影された場所なのである


この後、博の一世一代の告白シーンへと繋がる。

僕の部屋から、さくらさんの部屋の窓が見えるんだ

朝、目を覚まして見てるとね

あなたが、カーテンを開けてあくびをしたり

布団を片付けたり・・・

日曜日なんか、楽しそうに歌を歌ったり

冬の夜、本を読みながら泣いていたり・・・


あの工場に来てから3年間

毎朝、あなたに会えるのが楽しみで

考えてみれば、それだけが楽しみで

この3年間を・・・


僕は出て行きますけど

さくらさん

幸せになってください


さようなら

過去何度もチャレンジしてきたのだが、未だ見つけられていない・・・


捜索から10年以上・・・

その

「大物不明ロケ地」が

遂に発見!

されたのである!!



その発見までの道のりを、順を追ってご紹介したいと思います。

少々写真を多めにしてますので、ページ的に容量を軽くするため

数回に分けてアップしたいと思いますので、何卒ご了承願います。

1、情報を整理

まずは映画の内容をもう一度整理してみた。

さくらの勤務する「オリエンタル電機」が出てくるシーンとしては・・・

ここはどこかの電算室?

参考写真だが、この時代はどこも同じような機械を使っていたようだ。

見合いの結果を部長さんと話をするシーン・・・

「丸の内でもってBGやってんだよ!」

寅次郎の口から、「丸の内」というより具体的な場所が出てくる・・・

さらには、寅次郎がさくらの気持ちを探りに「オリエンタル電機」に出向くシーンでは・・・

丸の内と有楽町の間にある

スクランブル交差点が出てくる。

オフィスビル街を行く我らの寅次郎。


2024年5月撮影

ここはビックカメラ有楽町店のところにあるスクランブル交差点。

画像左に写る「コメダ珈琲店」へ降りていく階段から撮影されたのが映画のアングルなのである。映画撮影時は「コメダ珈琲店」ではないが。

2024年5月撮影

やはり「オリエンタル電機」の場所は、「丸の内」付近の設定であることは間違いない

2、これまでとは違った視点で

さくらの勤める「オリエンタル電機」の受付で待つ寅次郎。

さくら登場。

さくら:お兄ちゃん!


寅次郎:あっ?


さくら:どうしたの?


寅次郎:いやぁ、お前の会社見にきたのよ

  大したもんじゃねえか、ええ?

  何人ぐらい勤めてんだ?


さくら:この本社で1,200人ぐらい


寅次郎:はあ。。。男はみんな大学出か?


さくら:うん、大部分がね


寅次郎:へ〜

  大したもんだカエルの小便だね


さくら:お兄ちゃん、一体何しにきたの?


寅次郎:おう、通りすがりに寄っただけよ

  まあ、あんまり長居しても何だな

  じゃあ俺、帰らあ


さくら:もう帰るの?


寅次郎:あっそうだ、あのな・・・うーん

  ほれ、あの「何」どう思う?


さくら:「何」って何?


寅次郎:ホラァ 隣の博とかいう職工よ


さくら:博さんがどうかしたの?


寅次郎:うんいやぁ別にどうもしやしねえけどさ

  試しに聞いたんだ

  やっぱり無理だろうな


さくら:無理?どういう意味?それ


寅次郎:いいい、何でもない、何でもない


さくら:あっ・・・


寅次郎:あっ!そうだ、ここの便所ってやつはよ

  西洋式か?こうあげ蓋の


さくら:そうよ、どうして?


寅次郎:いや何でもねえ、何でもねえ

  社長には会わねえで行くけど

               よろしくな、うん


               ねえちゃん、邪魔したぜ!


最初に戻ろう。

ロケ地調査の盟友、ちびとらさんとも数年前より

このロケ地については色々と情報交換をしていた。


その度に丸の内あたりを探してはいたのだが・・・

これといった進展もなく、ただただ時間だけが過ぎていた・・・。

で、今回はとある理由もあって、どうしても発見するべく

これまでとは違うアプローチをしてみようと考えた。

これまでは「ある看板」だけを探して、昭和の頃の写真を闇雲に確認していただけであったが

今回は別の目標物を複数ピックアップしてみることにした。

その「ある看板」とは「サントリー<純生>」の看板。

結構目立つので、映画を見ていて一番記憶に残る看板である。

建設中の大きな建物

寅次郎の向こう側、大きな建設中の建物が見える。

もっとよくわかるように、寅次郎を人工的に消してみた。

赤で囲った建設中の建物、何だろう・・・

見た感じ相当大きな建物。きっと有名な建物に違いない。

特徴的な青い電飾看板

さくらの後ろに映る特徴的な電飾?看板。

特徴的な建物

何か不思議な感じの建物。ビルのようにも見えるが

赤い部分が大きいので看板なのだろうか・・・

アップにしてみると、何だか菱形のようなものがついている。

これは何だろう・・・。

ちょっと変わった形の窓なのだろうか。

特徴的な看板

青と赤の看板?これも特徴的。何かヒントになりそうな・・・。

こうしてこれら4つの目標物を中心に、昭和の「丸の内」写真探索が再開されたのである。

3、一枚の写真を発見

再探索開始からも、手掛かりになるような写真はやはり中々見つからず・・・

検索ワードも、思いつく限り色々試してみた。

当時の航空写真で探してみたりもした。

するとある時、偶然この写真を見つけたのである。

注目は赤で囲った電飾?看板。

みなさん、お気づきだろうか。

そう、この電飾看板は

白黒写真だが、さくらの後ろに映っていたあの看板に似ている。

写真を並べて比較してみた。

ビンゴ!!!

遂に手がかりを発見!!!

「週刊サンケイ・・・」と読める。

この看板のあるビルの所在地は有楽町。


一時はあまりにも丸の内で見つからないため

神田や渋谷、品川など他の場所も探したりしたが

もう迷わない!!


やはり「オリエンタル電機」は丸の内付近にあったのだ!!!

事態はここから急展開を見せるのであった!

1966年航空写真

次回へ続く