おいちゃん

2008/11/18

「おいちゃん」  男はつらいよ

車竜造通称「おいちゃん」。

くるま りゅうぞう



初代は森川信

2代目は松村達雄

3代目は下條正巳


3人の名優が交代で演じたわけだが

実は変わったのは俳優だけではなかった・・・・。




ご存知の方もいるとは思うが

実は冒頭のクレジットでも

竜造だけはかなり変わっている

のである。



先ず第1作


竜造表記である。



続いて第2作

おじさん表記に変わる。



そして第3作

竜造に戻る。



第4作

おじちゃん表記に変わった。



第5作

おじちゃんのまま。



第6作

第7作

第8作

おいちゃんに変わる。



第9作

第10作

竜造に戻る。



第11作

第12作

な、何と!字が違う!!龍造である。



第13作

第14作

これ以降の作品は全て竜造表記となる。

(最後の2~3作品は書体が変わる。)


もう一度整理すると


第1作・・・・・竜造

第2作・・・・・おじさん

第3作・・・・・竜造

第4作・・・・・おじちゃん

第5作・・・・・おじちゃん

第6作・・・・・おじちゃん

第7作・・・・・おじちゃん

第8作・・・・・おいちゃん

第9作・・・・・おいちゃん

第10作・・・・・竜造

第11作・・・・・竜造

第12作・・・・・龍造

第13作以降・・・竜造


となる。


実に5種類の表記があったのだ。

その中でも第12作の「龍造」はどうしたのだろう?

「おじさん」も今となっては何だかよそよそしい感じもする。



満男からみた映画を作ったとしたら

配役のクレジットで寅さんは

「おじさん」・・・・渥美清

になるだろう。



また泉ちゃん目線での映画なら

「おじちゃま」・・・・渥美清


う~~~~ん・・・

話が違う方へ進んでいく。






しかし、細かな話ではあったが

「おいちゃん」だけは違う意味でも変化が激しいかったという

これもまた都市伝説のひとつなのだろうか。。。。チャンチャン。




追記




初代おいちゃん


森川 信

(もりかわ しん、1912年2月14日 - 1972年3月26日)

60歳没。



1968年 テレビドラマ「男はつらいよ」のおいちゃん(車竜造)役


主演の渥美清を除いてTV版キャストが一新された中、

森川のおいちゃん役はそのまま続投。


1969年 映画「男はつらいよ」のおいちゃん(車竜造)役

1971年 「男はつらいよ 寅次郎恋歌」

第1作~第8作までの合計8作品でおいちゃん役


有名なのが第1作でさくらと博の結婚式に出席してない事。

台本上ではさくらのお見合いの時と同じく

前の晩に酒を飲み過ぎ、2日酔いで出席できなかったという

設定だったようだが、本編では特に触れずに全てカット。


本編の上映時間の関係でカットされたとは思うが

変にドタバタせず結果的に良かったとのではと思う。


…おいちゃんが結婚式にいない

=森川さんが撮影時にこれなかった


不在の理由は?

他作品とのブッキング??

真実は?


ここだけの話、裏話として何かあるらしい。。。





森川さんのアドリブ「まくら、さくら取ってくれ」は超有名。


悲哀のこもった「馬鹿だね~」は絶品!





2代目おいちゃん


松村 達雄

(まつむら たつお、1914年12月18日 - 2005年6月18日)

90歳没。



1971年 男はつらいよ 純情篇 - 山下医師 役

1972年 男はつらいよ 柴又慕情 - 車竜造 役

1972年 男はつらいよ 寅次郎夢枕 - 車竜造 役

1973年 男はつらいよ 寅次郎忘れな草 - 車竜造 役

1973年 男はつらいよ 私の寅さん - 車竜造 役

1974年 男はつらいよ 寅次郎恋やつれ - 車竜造 役

1979年 男はつらいよ 翔んでる寅次郎 - 結婚式の仲人 役 

1980年 男はつらいよ 寅次郎かもめ歌 - 高校の先生(林先生) 役

1983年 男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎 - 和尚 役

1985年 男はつらいよ 寅次郎恋愛塾 - 牛山教授 役

1987年 男はつらいよ 寅次郎物語 - 先生 役


第9作から第13作までの合計5作品でのおいちゃん役。


実は14作以降も松村さんはおいちゃん役を演じる

つもりでいたという。


次の撮影はしばらく間を空けよう、という会社の決定があり

それならばその間に盲腸を手術しちゃおう、ということで

松村さんは入院された。


ところが間の悪いことにそのタイミングで急遽

方針転換となり次作の準備が始まってしまったらしい・・・


これには松村さんもカンカンになって怒ったとのこと。


このことはおばちゃん役の三崎千恵子さんの回想録に書かれているようです。


※男はつらいよ 覚書ノート 参照





3代目おいちゃん


下條 正巳

(しもじょう まさみ、1915年8月26日 - 2004年7月25日)

88歳没。



1974年 男はつらいよ 寅次郎子守唄

        ↓

1995年 男はつらいよ 寅次郎紅の花


第14作~第48作まで35作品でおいちゃん役



急遽依頼のあったおいちゃん役に

当初は難色を示されていた下條さん。


山田監督の「いつかは自分の映画に出てもらいたい」という

下條さんに対する熱意もあったということだが

息子である下條アトムさんからの後押しで

出演されることを決められたという事です。