0402

あーたへの本


今日が誕生日の友人を含めた数人で通話する。二十一。二十+一。私はまだ二十歳だけれど、もう二十一歳になった彼は気持ち疲れていそうだった。明日はそんな彼と、この春から東京に来ることになった友人と三人で会う。

通話が終わって朝方に眠り、昼過ぎに目が覚める。特に予定はなかったのだが、家にずっといるのもなんかこう。なので本屋に行く。明日、会う二人に本をあげよう。二人とも普段は読書をしない。興味はあるけれど、何から読めばいいのかわからないという感じ。私は一応二年弱、本屋でバイトをしている。私なりの提案を彼らに。

二十一になった彼には『氷菓』(KADOKAWA)と『限りなく透明に近いブルー』(講談社)を。どちらも私が読んだことのある本だ。彼とは一年ぐらい前に中目黒の蔦屋書店に一緒に行って読書を始めたいという彼に私は三島由紀夫の『金閣寺』(新潮社)を買わせてしまった。『金閣寺』はそれはもちろん名著なのだけど、読書にこれからハマってもらおうとしている人に薦めるタイトルだとはなかなか言えない。そうしてちゃんとまだ彼はそれを読み終えていない。というのもあって、まずはミステリー系が読みやすく面白いはずだろう、と米澤穂信の『氷菓』をチョイス。古典部シリーズの続きを彼が買ったら私の勝利。もう一冊は村上龍の『限りなく透明に近いブルー』。こちらはある意味で挑戦的な選書。とはいえ売れまくっている。退廃的な空気感のその中で、“二十一歳大学生”の彼がどんなことを感じとるのだろうか、と考えながらこいつを手に取った。

この春から東京に来た彼には『ボトルネック』(新潮社)と『東京百景』(KADOKAWA)。米澤穂信様様。『ボトルネック』は、私は読んだことはないけれど、米澤穂信を信じて。そして又吉直樹の『東京百景』。小原晩がこの本がすごく好きらしくて、私も読みたいなと前々から思っていた。つまり私は読んだことがなかったのだけど、東京に街に出てきた彼に贈るべきタイトルだね、と思ってこれを。彼にとって東京が今のところどう見えているのかはわからない。もしかしたら大嫌いかもしれないけれど、これから少なくとも数年間は過ごすその街について色々考えながら読んでもらえればな、という感じ。

自分用には村上龍の『空港にて』(文藝春秋)と唯川恵の『愛なんか』(幻冬社)を。買いすぎだわな。

本がはいった袋をぶらつかせてもう暗くなった空の下、歩く。別にそれだけ。それだけの日。それでいい日。たぶん。